技術基準に基づく試験は、極力再現性の高い試験でなければなりません。
試験を行うときは、標準試験条件と試験毎の個別試験条件に従って実施する必要があります。
ここでは、3つの規格毎に標準試験条件を説明します。対象機器をクリックすると移動します。
家庭用機器 (IEC-J60335-1を適用する製品)
情報機器 (IEC-J60950-1を適用する製品)
AV機器 (IEC-J60065を適用する製品)
家庭用機器の標準試験条件 (IEC-J60335-1) |
・風の影響がない周囲温度は20±5℃で行うこと。(5.7項)
温度に影響を受ける機器の場合、疑義があるときは周囲温度は23±2 ℃に保つこと。
・定格周波数を表示した交流専用機器は、表示周波数の交流で試験する。交直両用機器は不利となる方の電源で試験する
定格周波数表示がない交流機器、“50-60Hz”の定格周波数範囲を表示した交流機器、“50/60Hz”の二つの定格周波数を
表示した交流機器は、50Hz又は60Hzのいずれか不利となる周波数で試験する。(5.8.1項)
・複数の定格電圧を持つ機器は、最も不利となる電圧で試験する。
定格電圧範囲を表示したモータ駆動機器・複合機器は、試験電圧が定格電圧にある係数を乗じた値に等しいことを
規定する場合の試験電圧は次による。
-係数が1を超える場合 :定格電圧範囲の上限値にこの係数を乗じた値
-係数が1未満の場合 :定格電圧範囲の下限値にこの係数を乗じた値
-係数を規定していない場合:定格電圧範囲内の最も不利となる電圧
最も不利となる電圧を求めるために、定格電圧(定格電圧範囲)の最小値、中間値及び最大値で幾つかの試験を行う必要が
ある場合もある。定格電圧範囲を持つ電熱機器は、通常、その電圧範囲の上限値が最も不利な電圧となる。(5.8.2項)
・定格入力範囲を表示した電熱機器・複合機器は、試験時の入力が定格入力にある係数を乗じた値に等しいことを
規定する場合の試験時の入力は次による。
-係数が1を超える場合 :定格入力範囲の上限値にこの係数を乗じた値
-係数が1未満の場合 :定格入力範囲の下限値にこの係数を乗じた値
-係数を規定していない場合:試験時の入力は定格入力範囲内の最も不利な値とする(5.8.3項)。
・定格電圧範囲・定格電圧範囲の中間値に相当する定格入力を表示した機器は、試験時の入力が定格入力にある係数を
乗じた値に等しいことを規定する場合、試験時の入力は次による。
-係数が1を超える場合 :定格電圧範囲の上限値に相当する算出した入力にこの係数を乗じた値
-係数が1未満の場合 :定格電圧範囲の下限値に相当する算出した入力にこの係数を乗じた値
-係数を規定していない場合:試験時の入力は、定格電圧範囲内の最も不利となる電圧における入力に相当する値と
する。(5.8.4項)
・複合機器・電熱機器をある係数を乗じた入力で運転することを規定する場合、抵抗の正温度係数が小さい電熱素子に
だけ、特に工夫なしにその運転を行う。
PTC電熱素子以外の抵抗の正温度係数が比較的大きな電熱素子の場合、試験の電源電圧は、
1)電熱素子が動作温度に達するまで、機器に定格電圧で電源を供給する
2)電源電圧は、試験に要する入力となるのに必要な値まで急上昇させ、試験中、この値に保つ。
*通常、定格電圧で、冷却(室温)状態での機器の入力と動作温度での入力差が25%を超える場合、
温度係数は比較的大きいとみなせる。(5.12項)
・PTC電熱素子を持つ機器・電熱素子にスイッチモード電源装置を通して通電する電熱機器・複合機器は、
規定の入力に相当する電圧で行う。定格入力を超える入力を規定する場合、電圧に乗じる係数は入力に乗じる係数の
平方根に等しい値とする。(5.13項)
・充電式電池を電源とする機器は、附属書Bに従って試験する。(5.17項)
・ガスなど他のエネルギー源を持つ機器は、そのエネルギー消費の影響についても考慮すること。(5.4項)
・機器又は可動部は、通常使用時に起こり得るうちの最も不利となる位置・姿勢にすること。(5.5項)
・使用者が調整・変更できる制御器又は切換装置を持つ機器は、最も不利となる位置に調整する。(5.6項)
工具を用いない限り調整部分に近付くことができず、かつ、使用者による変更を意図していない場合は、適用しない。
適切な充塡材は、使用者による設定の変更を防止するものとみなせる。
電圧切換スイッチ内蔵機器は、他で規定しない限り、試験に用いる定格電圧値に該当するスイッチ位置にする
・代替電熱素子・附属品が機器製造業者から入手できる場合、機器は最も不利な結果となる電熱素子・附属品を取付ける
(5.9項)
・製造業者から供給されたままの機器で行う。
単一機器の構造を持つ、複数ユニットで供給された機器は、取扱説明書(据付説明書)に従って組立てる。
埋込形機器・固定形機器は、取扱説明書(据付説明書)に従って設置する。(5.10項)
・可とうコードで電源供給する機器は、適切な可とうコードを機器に接続した状態で試験する。
情報機器の標準試験条件 (J60950-1) |
A.全般
1.動作条件
【適用規格】JIS C6950-1:2016 1.4.4項、1.4.10項、1.4.11項
(1)動作仕様範囲内で最も不利となる組合せ条件で試験を⾏う。但し、個別規格で規定されている場合を除く。
・電源電圧
・電源周波数
・動作温度(参照:平常温度上昇試験)
・機器の据付場所及び可動部の位置
・動作モード
・次に該当する操作者アクセスエリアにあるサーモスタット、調整器⼜はこれらに類するものの調整
・⼯具を⽤いないで調整できるもの
・操作者⽤として提供される鍵、⼯具のような⼿段を⽤いて調整できるもの
(2)ネットワーク線から得られる電⼒は、15VA以内に制限されているとみなす。
(3)次の変動要因を考慮し、試験結果が最も不利となるように負荷を調整する。試験には、模擬負荷を⽤いることができる
・組込み⼜は指定オプション部品等による負荷
・電⼒を取り出して使用する製造合社が指定する他機器による負荷
・操作者アクセスエリア内にある標準電源供給⽤コンセントに接続できる負荷。(1.7.5の表⽰値内の負荷を⽤いる)
2.試験電圧
【適用規格】JIS C6950-1:2016 1.4.5項、1.4.6項
(1)試験のための電源電圧は、定格電圧の許容差を考慮すること。
(a)次の場合を除き、+6%及び-10%とする。
・機器を交流主電源に直接接続する場合
・定格電圧が単相230V⼜は三相400Vの場合、+10%、-10%とする。
・より広い許容差を製造業者が宣⾔している場合は、宣⾔した値とする。
(b)直流主電源へ接続する場合は、次のとおりとする。
・+20%及び-15%とする。
・製造業者が別途指定している場合は、指定した値とする。
・極性を明確にする。
(2)試験のための電源周波数は、定格周波数範囲を考慮すること。但し、定格周波数の許容差は、通常考える必要はない
3.電気計測器
【適用規格】JIS C6950-1:2016 1.4.7項
次を考慮すること
・測定パラメータの全ての構成要素(直流、交流主電源周波数、⾼周波及び⾼調波成分)を考慮し、
⼗分な帯域幅をもつもの
・実効値を測定する場合は、正弦波同様に、⾮正弦波についても真の実効値が得られるもの
4.通常動作電圧
【適用規格】JIS C6950-1:2016 1.4.8項
(1)動作電圧の決定及び機器内のELV回路、SELV回路、TNV-1回路、TNV-2回路、TNV-3回路⼜は危険電圧回路の
分類のために、次の電圧を考慮する。
・スイッチング電源に関連するような反復的なピーク電圧を含む機器内部で発⽣する通常動作電圧
・ネットワーク線から受ける呼出シグナルを含む機器外部で発⽣する通常動作電圧
(2)電⼒系統の開閉及び雷サージにより引き起こされる⾮反復性の過渡電圧(例:主電源過渡電圧及び
ネットワーク線過渡電圧)で、外部で発⽣する不必要なものは、次の場合考慮しない。
・動作電圧を決定する場合。
上記のような過渡現象は、既に最⼩空間距離を決定する⼿順で考慮している
・機器内の回路を分類する場合。
但し、次の場合を除く(1.2.8.11の表1A参照)
・SELV回路とTNV-1回路とを区別する場合
・TNV-2回路とTNV-3回路とを区別する場合
5.対地電圧測定
【適用規格】JIS C6950-1:2016 1.4.9項
(1)導電部分~⼤地間の電圧を規定している場合、次の全ての接地部分を考慮する。
・主保護接地端⼦(該当する場合)
・保護接地への接続を要求しているその他の導電部分(例 2.6.1 参照)
・機能的理由から機器内で接地する導電部
(2)機器使⽤時に他機器への接続により接地されるが、試験時その機器内で接地しない部分は、
最も⾼い電圧が得られる部分に接地接続する。
(3)機器使⽤時に接地しない回路中の導体と⼤地間の電圧を測定する場合、5000 Ω±10%の⾮誘導抵抗器を電圧測定器に
接続する。
電源コードの保護接地導体⼜は外部配線の接地導体における電圧降下は、測定に含めない。
B.危険エネルギー
【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.1.1.5c)項、2.1.1.8項
1.危険エネルギーレベルの決定
(1)次の操作を行った時に2V以上あるとき、その出⼒電⼒は危険エネルギーレベルにあると判定する。
但し、過電流保護デバイスの作動及びその他の理由で出⼒電⼒が240VAを60秒間維持できなかった場合を除く
・通常動作状態で動作させ、対象部分に可変抵抗器を接続し、240VAが取り出せるように調整する。
・240VAを60秒間維持するように、必要なときは更に調整する。
(2)コンデンサにかかる電圧Uが2V以上で、かつ、次式で算出したコンデンサ蓄積エネルギーEが20J以上の場合、
その蓄積エネルギーは、危険エネルギーレベルにあると判定する。
E =0.5CU 2×106 ここに、 E: コンデンサの蓄積エネルギー(J)
C: コンデンサの静電容量(μF)
U: コンデンサの測定電圧(V)
2.直流主電源の危険エネルギーの決定
(1)直流主電源に接続したコンデンサ
通常動作状態で試験し、電圧Uが2V以上、かつ、蓄積エネルギーEが20J以上の場合、危険エネルギーレベルが
存在すると判定する。
【測定内容】
直流主電源を切り離してから2秒後にコンデンサ両端の電圧(U)を測定する。
蓄積エネルギーは、次式で算出する。
E =0.5CU 2×106 ここに E: コンデンサの蓄積エネルギー(J)
C: コンデンサの蓄積静電容量(μF)
U: コンデンサの測定電圧(V)
(2)直流主電源に接続する内部電池
直流主電源を切り離し、かつ、直流主電源が通常接続される⼊⼒端⼦に可変抵抗器を接続して試験を⾏い、
電圧Uが2V以上であるときは、出⼒電⼒は危険エネルギーレベルにあると判定する。
【測定方法】
・供試機器は、内部電池で動作する。
・可変抵抗器は、240VAが取り出せるように調整する。
・240VAを60秒間維持するように、必要なときは更に調整する。
過電流保護デバイスの作動及び何らかの理由で出⼒電⼒が240VAを60秒間維持できなかった場合を除き
出⼒電⼒が危険エネルギーレベルにある場合、可変抵抗器を切り離して供試機器を直流主電源で動作させた時、
電源切断から2秒後の⼊⼒端⼦のエネルギーレベルは、危険エネルギーレベルにならないこと
C.電気絶縁の湿度処理
【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.9.2項
1.適用
次の技術基準で要求される場合に行う。
2.9.1、2.10.8.3、2.10.10⼜は2.10.11
2.湿度処理条件
(1)相対湿度(93±3)%の空気を含んだ恒温槽⼜は室内で継続して48時間⾏う。
(2)サンプルを置く場所の空気温度は、結露が⽣じない20〜30℃の任意の値とし、
変動を±2℃以内に保つ。
(3)処理中、コンポーネント⼜は部分組⽴品には通電しない。
(4)製造業者が同意する場合、湿度処理継続時間を⻑くしてもよい。
(5)湿度処理前に、サンプルは、t℃~(t+4)℃間の温度にする。
D.事務⽤電気機器の通常負荷状態
【適用規格】JIS C6950-1:2016 附属書L L.1項、L.2項、L.3項、L.4項、L.5項、L.6項、L.7項
1.タイプライタ
(1)定常状態に達するまで無負荷で動作させる。
(2)⼿動キー式は、定常状態に達するまで、スペースキーを含めて60字打つごとに⾏を移動させ、
1分間に200字の割合で機器を操作する
(3)⾃動式タイプライタは、取扱説明書で推奨している最⼤のタイプ速度で操作する。
2.加算機及びキャッシュレジスタ
(1)4桁の数字を⼊れるか⼜はセットし、定常状態に達するまで、1分間に24回の割合でリピートキー⼜は
操作レバーを押してを操作する
*機器に最も重い負荷がかかるように4桁の数字を選ぶ。
(2)1売上毎に開く引出しをもつキャッシュレジスタは、1分間に15回の割合で定常状態に達するまで機器を動作させる。
1回の動作が終わるごとに引出しを閉める。
(3)加算機⼜はキャッシュレジスタは、操作者が動作させるのに必要な数字をセット⼜は挿⼊する操作を⾏い、引き続き、
毎回操作レバー、リピートキー類を押す操作を1回の動作とする。
3.電動消しゴム
無負荷で1時間連続動作を⾏う。
4.鉛筆削り機
次の時間割合で、5本の新しい鉛筆を各々8 回ずつ削る。新しい鉛筆でない場合、削る前に必ず先端を折る。
削り時間: 新しい鉛筆に対して4秒、継続する削りに対して2秒
削りの間隔: 6秒
鉛筆の間隔: 60秒
5.謄写機及び複写機
(1)定常状態に達するまで、最⾼速度で連続動作を⾏う。
(2)設計と相反しない場合は、500枚謄写するたびに3分間の休⽌時間を設けてもよい。
6.電動ファイルシステム機器
(1)内容物を⼀様でなく配列させて、不均衡な負荷状態になるようにして機器を動作させる。
(2)動作中、不均衡な負荷を毎回最⼤負荷がかかる通路の全運搬距離の約1/3だけ移動させる。
(3)定常状態に達するまで、15秒毎にこの動作を繰り返す。
(4)内容物を⼀様でなく配列させるために、次のようにして模擬してもよい。
・垂直運搬は、隙間が⽣じないように、ファイルする⾯積の3/8の部分に許容負荷の3/8の負荷をかける。
この負荷を⽤いて全運搬距離を運搬させる。温度が⼀定になるまで、10秒間隔でこの運搬作業を繰り返す。
・⽔平運搬⼜は循環式運搬のような上記と異なる運搬は、全負荷を全運搬⼯程にわたって移動させる。
温度が⼀定になるまで、15秒間隔で、この運搬作業を繰り返す。
7.その他の事務⽤電気機器
取扱説明書記載の最も不利となる⽅法で機器を動作させる。
AV機器の標準試験条件 (IEC-J60065) |
A.全般
【適用規格】JIS C6065:2019 1.1.3項、4.2.6項、4.2.10項、4.2.10.1項、4.2.10.2項、附属書L:L4.2.14項、L4.2.15項
1.温帯気候の規定を適⽤する。
2.モーター駆動機器の負荷状態は、⼿による停⽌も含めて意図した使⽤時に起きる状態とする。
3.アンテナ位置制御装置
(1)制御装置及び電源装置と組み合わせて、アンテナ位置制御装置を次の要領で試験する。
・⽚端から他端への連続 4回動作、その後、15分間の休⽌時間
・動作及び休⽌時間は、関連する試験に必要な回数を繰り返す。
・温度測定は次のとおりとする。
・4時間を限度に動作及び休⽌時間を温度が安定するまで繰り返す。
・最後に動作した後の15分間の休⽌時間は適⽤しない。
(2)モータ駆動システムをもたない電源供給装置及び制御器で構成する衛星アンテナ位置調整装置は、
電源供給装置に表⽰した出⼒定格に従った負荷をかけ、5分間オン及び15分間オフの周期で動作させる。
4.写真用エレクトロフラッシュ装置
(1)定格電圧でエージングを次のとおり行う。
・主電源で動作する装置:フラッシュ無しで4時間スイッチをオンにする。
・電池(充電式電池)だけで電源を供給する場合、30秒間スイッチをオンにする。
⼗分放電した充電式電池を専⽤充電器で4時間接続する。
(2)エージング直後に、できる限り速く、連続した多くのフラッシュを閃光させる。但し、最⼤40回とする。
せん光タイミングは、次のとおりとする。
・表⽰器に従う
・表⽰器がない場合、フラッシュ⽤コンデンサの測定電圧が最⼤ピーク電圧の85%になったときとする。
B.試験環境
【適用規格】JIS C6065:2019 4.1.3項、4.1.4項4.2.13項
1.特に規定のない限り、以下の試験環境で行う。
周囲温度:15〜35 ℃
相対湿度:最⼤75%
1.機器の設置状態は、特に規定のない限り、次のとおりとする。
(1)通気⼝は塞がず、機器の使⽤⽬的に合うあらゆる位置(置き⽅)で⾏う。
(2)製造業者が供給しない組⽴品を後から取付けることができる機器は、取扱説明書、特に機器の適正な換気に関する
指⽰に従って試験を⾏う。
(3)オープンベンチで試験を⾏う場合、機器は、「表:機器の各部の許容温度上昇」にも適合すること
2.温度測定は、次の状態で行う。
(1)取扱説明書に基づく位置に機器を置いて試験を⾏う。
(2)取扱説明書に指⽰がない場合、機器を⽊製試験箱に⼊れ、試験箱前⾯の開⼝部の縁から5cm奥に置き、試験箱内で
機器上⾯及び両側⾯を1cm空け、機器の背⾯を5cm空けた状態で試験を⾏う。
3.着脱できる脚⼜はスタンドを随意に⽤いることができる機器は、取り付けた状態か⼜は取り付けない状態で試験する。
C.電源設定
【適用規格】JIS C6065:2019 4.2.2項、4.2.4項、4.2.7項、4.2.8項、4.2.11項、4.2.12項
以下の条件の最も不利な組み合わせを通常動作状態とする
1.電源電圧
(1)電池駆動機器を除き、定格電圧の0.9倍⼜は1.1倍の供給電圧に接続する。
(2)電池駆動機器は、満充電した充電電池⼜は新品の乾電池を⽤いる。
(3)電圧切換器の調整が不要な定格電圧範囲をもつ機器は、次の通り尾する。
・定格電圧範囲の下限の0.9倍⼜は上限の1.1倍の供給電圧に接続する。
・さらに、表⽰した定格電圧範囲内のあらゆる公称電圧に接続する。
(4)機器に表⽰したあらゆる定格周波数を⽤いる。
(5)機器が⽤いるように設計した全ての種類の電源を⽤いる。
(6)機器の構造上防⽌していない場合、直流機器は、逆極性を含むあらゆる極性を⽤いる。
2.接地端子及び保護接地端子の接続
(1)単相電源は、試験で⽤いる分離電源のいずれの極に接続してもよい。
(2)単相以外の電源は、試験で⽤いる分離電源の中性線⼜はいずれの極に接続してもよい。
3.他の機器に電源を供給する機器は、定格電⼒を供給する負荷を接続した場合⼜は接続しない場合とする。
4.通常、機器の中で⽤いる電源装置は、取扱説明書に基づいて機器に組み込んで試験する。
5.指定する専⽤電源装置からだけ電源供給を受ける機器は、その専⽤電源装置と組み合わせて試験する。
(1)専⽤電源装置への供給電圧は、4.2.2項の規定に基づき決定する。
(2)専⽤電源装置に出⼒電圧設定装置がある場合、試験する機器の定格電圧に調節する。
6.⼀般⽤電源装置から電源供給を受ける機器は、次のとおりとする。
(1)その定格電圧に対応する「表:試験⽤電源」に規定する⼗分な電流容量をもつ試験⽤電源で試験を⾏う。
(2)「表:試験⽤電源」に規定する公称無負荷電圧値には、4.2.2項に規定する下限及び上限の条件を適⽤する。
D.コントロール設定
【適用規格】JIS C6065:2019 4.2.3項
1.⼿で調整するために使⽤者がアクセスできる制御器は、リモートコントロールを含み、あらゆる位置とする
2.ただし、ボリュームコントロール、トーンコントロール及び14.9項規定に適合する電圧切換器を除く。
3.コネクタ等で抜差しできるケーブル付きリモートコントロール装置は、接続した場合⼜は接続しない場合のいずれかとする。
4.⼿で開けることができるレーザシステム⽤のカバーは、完全に開けた状態、⼀部分開けた状態⼜は閉じたままの状態の
いずれかとする
E.オーディオ増幅器の設定
【適用規格】JIS C6065:2019 4.2.5項
1.トーンコントロールを中間の位置にして、4.1.6項規定の標準信号を⽤いて定格負荷インピーダンスにノンクリップ出⼒の
1/8が取り出せるように機器を動作させる。
(1)標準信号でノンクリップ出⼒が得られない場合、最⼤限取り出せる出⼒の1/8で動作させる。
(2)増幅器の機能に悪影響がない場合、1kHzの正弦波を各チャンネルに加えてもよい。
適⽤可能な場合、1kHz以外であっても、この機器の関連する部分についての上下それぞれマイナス3dBの応答点の
幾何平均に対応する周波数を⽤いてもよい。
正弦波で⾏った測定結果がこの規格に適合しない場合、ピンクノイズで測定する。
(3)ある部分⼜は出⼒端⼦の接点が危険な活電部かどうかを、9.1.1.2項及び11.1項の規定に従って判断する場合、
機器を1kHz⼜は適⽤できる場合は、その機器の増幅器の該当する部分の上下それぞれマイナス3dBの応答点の
幾何平均に対応する周波数の正弦波⼊⼒試験信号を⽤い、定格負荷インピーダンスにノンクリップ出⼒を
供給するのに⼗分な振幅で機器を動作させる。
開路出⼒電圧は、負荷を外した後に決定する。
2.出⼒回路に最も厳しい定格負荷インピーダンスを接続する。
3.調⾳発⽣器をもつオルガン、その他これに類する楽器であって、ペダルをもつものは、次のとおりとする。
(1)任意のペダル2個を⽤い、かつ、⼿で弾く鍵盤10鍵を同時に⽤いる。
この場合、⽤いることによって出⼒が増加する⾳栓、タブなどは全て動作させた状態とする。
(2)連続した調⾳を発⽣しない電⼦楽器内に⽤いるオーディオ増幅器の場合、信号⼊⼒端⼦⼜はこのオーディオ増幅器の
⼊⼒段の適切な箇所に、4.1.6項に規定する標準信号を加える。
4.その増幅器の意図した機能が⼆つのチャンネル間の位相差による場合、⼆つのチャンネルに加える信号の位相差を90°にする
5.各チャンネルを独⽴して動作させることができるマルチチャンネル増幅器を含む機器の場合は、次のとおりとする。
(1)各チャンネルは定格負荷インピーダンスにノンクリップ出⼒の1/8が取り出せるように出⼒レベルを調整し、
機器を動作させる
(2)幾つかのチャンネルが独⽴して動作させることができない場合は、調整できないチャンネルは定格負荷インピーダンス
によって動作させ、調整可能なチャンネルを定格負荷インピーダンスにノンクリップ出⼒の1/8 が取り出せるように
出⼒レベルを調整し、機器を動作させる。