家庭用機器 (IEC-J60335-1) |
1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC
情報機器 (IEC-J60950-1) |
1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC
AV機器 (IEC-J60065) |
A.一般要求事項
【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.10.3.1項
1.機器に流⼊する過渡電圧を含む過電圧及び機器内で発⽣するピーク電圧で空間距離が絶縁破壊しない⼨法であること。
2.海抜2000m以下で動作する機器は、次のとおりとする。
・ピーク動作電圧を⽤いる場合 : 過電圧カテゴリⅠ・Ⅱに対する空間距離に関する要求事項
・要求耐電圧を⽤いる場合 : 過電圧カテゴリⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳに対する附属書Gの要求事項
3.海抜2000mを超える場所で動作する機器の最⼩空間距離は、次の通りとする。
・JIS C60664-1の表A.2の値を乗じる。
・JIS C60664-1の表A.2の最も近い2点間で線形内挿法を⽤いてもよい。(最⼩空間距離は、0.1mm単位で切り上げる)
4.最⼩空間距離は、次を満足すること。危険電圧が加わる部分と⾮導電性エンクロージャの境界表⾯間には適⽤しない。
(1)床置形機器エンクロージャ⼜は卓上形機器の垂直でない上⾯のアクセス可能導電部と危険電圧が加わる部分間の
強化絶縁となる空隙に対しては、10mm
(2)タイプAプラグ接続形機器のエンクロージャで、アクセス可能な接地導電部と危険電圧が加わる部分間の
基礎絶縁となる空隙に対しては、2mm
5.サーモスタット、温度過昇防⽌器、過負荷保護デバイス、マイクロギャップ構造のスイッチ⼜は同等構造品の接点間距離が
変化する空隙には、規定の最⼩空間距離は適⽤しない。但し、「接点及び関連回路の分離距離」による要合を除く。
6.インタロックスイッチの接点間の空隙は「接点及び関連回路の分離距離」、
遮断スイッチの接点間の空隙は「遮断デバイス」を参照する。
7.コネクタ境界表⾯~コネクタ内の危険電圧に接続される導電部間の空間距離は、強化絶縁の要求事項に適合すること。
但し、次の全てを満たすコネクタは、基礎絶縁の要求事項に適合で良い
・機器に固定されている
・機器の外部エンクロージャ内側に配置されている。
・使⽤者が交換可能な部分組⽴品で、通常動作時に正しい位置にあることが必要なものを外した後に限って
アクセス可能である。
8.機器に固定しないコネクタを含めコネクタ内の全ての他の空間距離は、1次回路⼜は二次回路の空間距離の最⼩値に
適合すること。但し、次のコネクタは除く
・JIS C8285、IEC 60309規格群、JIS C8283規格群若、 IEC 60320規格群、 JIS C8303適合コネクタ
・上記同等以上の性能をもつコネクタでJIS C8283規格群、JIS C8303、IEC 60309-2⼨法規定に合致するもの
(例)技術基準の解釈の別表第四適合コネクタ
9.1次回路⼜は二次回路の空間距離の適否は、次の条件を適用し、附属書Fを考慮した測定で判定する。
(1)可動部は最も不利な位置に置く。
(2)⼀般⽤⾮着脱式電源コードを⽤いる機器は、次の状態で測定する。
・空間距離は「端子に接続する導体寸法」の最⼤断⾯積の電源導体を接続した状態
・導体を接続しない状態
(3)エンクロージャのスロット・開⼝部⼜はアクセス可能なコネクタ開⼝部を通して、
絶縁材のエンクロージャ境界表⾯からの空間距離を測定する場合、アクセス可能な表⾯で、それほどの⼒を
加えることなくテストフィンガーで触れることができる箇所は、全て⾦属泊で覆われているかのように導電性とみなす
(図:エンクロージャの開⼝部を通しての測定)
接触点Bは、絶縁材料のエンクロージャ境界面から内部導電部までの空間距離及び沿面距離の測定に用いる
図 エンクロージャの開口部を通しての測定
B.一次回路、二次回路の空間距離、起動パルスを持つ回路の空間距離
【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.10.3.3項、2.10.3.4項、2.10.3.5項
1.⼀次回路内、⼀次回路~⼤地間、⼀次回路~⼆次回路間の絶縁は、次の通りとする。
(1)実効値300V(ピーク420V)を超えない交流主電源
a)ピーク動作電圧が交流主電源電圧のピーク値を超えない場合、
最⼩空間距離は、「表:一次回路内、一次回路~二次回路間の最小空間距離」による。
b)ピーク動作電圧が交流主電源電圧のピーク値を超える場合、最⼩空間距離は、次に規定する⼆つの値の和とする。
・「表:一次回路内、一次回路~二次回路間の最小空間距離」に基づく最⼩空間距離
・「表:一次回路の加算空間距離」に基づく加算空間距離
(2)実効値300V(ピーク420V)を超える交流主電源
最⼩空間距離は、「表:一次回路内、一次回路~二次回路間の最小空間距離」による。
ピーク動作電圧 (次の値以下) V |
主電源過渡電圧 c) | ||||||||||||||
1500V | 2500V | 4000V | |||||||||||||
汚損度1・2 b) | 汚損度3 | 汚損度1・2 b) | 汚損度3 | 汚損度1・2・3 b) | |||||||||||
F | B/S | R | F | B/S | R | F | B/S | R | F | B/S | R | F | B/S | R | |
71 a) | 0.4 | 1.0 (0.5) |
2.0 (1.0) |
0.8 | 1.3 (0.8) |
2.6 (1.6) |
1.0 | 2.0 (1.5) |
4.0 (3.0) |
1.3 | 2.0 (1.5) |
4.0 (3.0) |
2.0 | 3.2 (3.0) |
6.4 (6.0) |
210 a) | 0.5 | 1.0 (0.5) |
2.0 (1.0) |
0.8 | 1.3 (0.8) |
2.6 (1.6) |
1.4 | 2.0 (1.5) |
4.0 (3.0) |
1.5 | 2.0 (1.5) |
4.0 (3.0) |
2.0 | 3.2 (3.0) |
6.4 (6.0) |
420 a) | F:1.5、B/S:2.0 (1.5)、R:4.0 (3.0) | 2.5 | 3.2 (3.0) |
6.4 (6.0) |
|||||||||||
840 | F:3.0、B/S:3.2 (3.0)、R:6.4 (6.0) |
この表中の値は、基礎絶縁(B)、付加絶縁(S)、強化絶縁(R)及び「故障状態での機能絶縁」で要求される
空間(沿面)距離は、機能絶縁(F)を適用する。
括弧内は、R.2に示す例と同じ保証レベル以上の品質管理プログラムに従って製造している場合に限り、基礎絶縁、
付加絶縁又は強化絶縁に適用する。二重絶縁及び強化絶縁に対しては、耐電圧のルーチン試験を行い、
合格しなければならない。
ピーク動作電圧が交流主電源のピーク電圧値を超える場合、最も近い2点間で線形内挿法を用いてもよい。
この場合、算出した最小空間距離は0.1mm単位で切り上げる。
注a)ピーク動作電圧が交流主電源のピーク電圧値を超える場合、交流主電源のピーク電圧値は、
この表を適用し、加算空間距離は、「表:一次回路の加算空間距離」を適用する。
b)汚損度1は、「汚損度 1 環境及び絶縁コンパウンドについての試験」に合格することを要求しない
c)主電源過渡電圧と交流主電源電圧との関係は、表「交流主電源過渡電圧」による。
主電源過渡電圧 | ||||||
1500V | 2500V | |||||
汚損度1・2 | 汚損度3 | 機能絶縁 基礎絶縁 付加絶縁 |
強化絶縁 | 汚損度1・2・3 | 機能絶縁 基礎絶縁 付加絶縁 |
強化絶縁 |
ピーク動作電圧 (次の値以下) V |
ピーク動作電圧 (次の値以下) V |
ピーク動作電圧 (次の値以下) V |
||||
210 (210) | 210 (210) | 0.0 | 0.0 | 420 (420) | 0.0 | 0.0 |
298 (288) | 294 (293) | 0.1 | 0.2 | 493 (497) | 0.1 | 0.2 |
386 (366) | 379 (376) | 0.2 | 0.4 | 567 (575) | 0.2 | 0.4 |
474 (444) | 463 (459) | 0.3 | 0.6 | 640 (652) | 0.3 | 0.6 |
562 (522) | 547 (541) | 0.4 | 0.8 | 713 (729) | 0.4 | 0.8 |
650 (600) | 632 (624) | 0.5 | 1.0 | 787 (807) | 0.5 | 1.0 |
738 (638) | 715 (707) | 0.6 | 1.2 | 860 (884) | 0.6 | 1.2 |
826 (756) | 800 (790) | 0.7 | 1.4 | 933 (961) | 0.7 | 1.4 |
914 (839) | 885 (873) | 0.8 | 1.6 | 1006 (1039) | 0.8 | 1.6 |
括弧内の値は、次の場合に用いる。
・「表:一次回路内、一次回路~二次回路間の最小空間距離」の括弧内の値を用いる場合
・ 「故障状態での機能絶縁」で要求される機能絶縁の場合
ピーク動作電圧範囲を超える電圧値は線形外挿法、ピーク動作電圧範囲内の電圧値は、
最も近い2点間で線形内挿法を用いてよい。追加の最小空間距離は0.1mm単位で切り上げる。
注a) 「故障状態での機能絶縁」で要求されない限り、機能絶縁に対する最小空間距離はない。
b) 汚損度1に対しては、「汚損度 1 環境及び絶縁コンパウンドについての試験」に合格することを要求しない
c) 主電源過渡電圧と交流主電源との関係は、表「交流主電源過渡電圧」による。
交流主電源電圧a)(次の値以下) (実効値) V |
主電源過渡電圧 b) (ピーク値)V |
|
過電圧カテゴリ Ⅰ | 過電圧カテゴリ Ⅱ | |
50 | 330 | 500 |
100 | 500 | 800 |
150 c) | 800 | 1500 |
300 d) | 1500 | 2500 |
600 e) | 2500 | 4000 |
・日本では、公称交流主電源電圧100Vに対する主電源過渡電圧の値は、
交流主電源電圧150Vの行を適用する
注a)中性線がない三相3線式に接続する機器の交流主電源電圧は相導体間電圧である。
中性線がある他の全ての場合は、相導体-中性線間電圧である。
b)主電源過渡電圧は常に表内の値の一つであり、補間してはいけない。
c)120/208V及び120/240Vを含む。
d)230/400V及び277/480Vを含む。
e)400/690Vを含む
2.⼆次回路の最⼩空間距離は、「表:二次回路の最小空間距離(抜粋)」で決定する。
(1)「表:二次回路の最小空間距離(抜粋)」で⽤いるピーク動作電圧は、次のいずれかの値とする。
・正弦波電圧のピーク値
・⾮正弦波電圧の測定したピーク値
(2)「表:二次回路の最小空間距離(抜粋)」で⽤いる最⼤過渡過電圧は、次のいずれか⾼い⽅の値とする。
・「交流主電源からの過渡電圧」⼜は「直流主電源からの過渡電圧」に従って決定した主電源からの最⼤過渡電圧
・「ネットワーク線及びケーブル分配システムからの過渡電圧」に従って決定したネットワーク線からの
最⼤過渡電圧
ピーク 動作電圧 (次の値 以下) V |
二次回路の最大過渡過電圧(ピーク) | |||||||||||||||||
71以下 | 71を超え800以下 | 800以下 | 800を超え1500以下 | 1500を超え2500以下 | ||||||||||||||
汚損度1・2 | 汚損度1・2 | 汚損度3 | 汚損度1・2 | 汚損度3 | 汚損度1・2・3 | |||||||||||||
F | B/S | R | F | B/S | R | F | B/S | R | F | B/S | R | F | B/S | R | F | B/S | R | |
71 | 0.2 | 0.4 (0.2) |
0.8 (0.4) |
0.2 | 0.7 (0.2) |
1.4 (0.4) |
0.8 | 1.3 (0.8) |
2.6 (1.6) |
0.5 | 1.0 (0.5) |
2.0 (1.0) |
0.8 | 1.3 (0.8) |
2.6 (1.6) |
1.5 | 2.0 (1.5) |
4.0 (3.0) |
140 | 0.2 | 0.7 (0.2) |
1.4 (0.4) |
0.2 | 0.7 (0.2) |
1.4 (0.4) |
0.8 | 1.3 (0.8) |
2.6 (1.6) |
0.5 | 1.0 (0.5) |
2.0 (1.0) |
0.8 | 1.3 (0.8) |
2.6 (1.6) |
1.5 | 2.0 (1.5) |
4.0 (3.0) |
210 | 0.2 | 0.7 (0.2) |
1.4 (0.4) |
0.2 | 0.9 (0.2) |
1.8 (0.4) |
0.8 | 1.3 (0.8) |
2.6 (1.6) |
0.5 | 1.0 (0.5) |
2.0 (1.0) |
0.8 | 1.3 (0.8) |
2.6 (1.6) |
1.5 | 2.0 (1.5) |
4.0 (3.0) |
280 | 0.2 | 1.1 (0.2) |
2.2 (0.4) |
F:0.8 B/S:1.4 (0.8) R:2.8 (1.6) | 1.5 | 2.0 (1.5) |
4.0 (3.0) |
|||||||||||
420 | 0.2 | 1.4 (0.2) |
2.8 (0.4) |
F:1.0 B/S:1.9 (1.0) R:3.8 (2.0) | 1.5 | 2.0 (1.5) |
4.0 (3.0) |
|||||||||||
700 | F及びB/S:2.5 R:5.0 | |||||||||||||||||
840 | F及びB/S:3.2 R:5.0 |
・この表中の値は、基礎絶縁(B)、付加絶縁(S)、強化絶縁(R)及び 「故障状態での機能絶縁」で
要求される場合は機能絶縁(F)を適用する。
・最も近い2点間で線形内挿法を用いる場合、最小空間距離は0.1mm単位で切り上げる。
・空間距離の経路の一部が材料グループⅠ以外の物質表面に沿っている場合、試験電圧(注c))は、
空隙及び材料グループⅠをまたがる部分だけに適用する。他の絶縁材表面に沿った経路部分はバイパスする。
・括弧内は、R.2に示す例と同じ保証レベル以上の品質管理プログラムに従って製造している場合に限り、
基礎絶縁、付加絶縁又は強化絶縁に適用する。二重絶縁及び強化絶縁に対しては、耐電圧のルーチン試験を行い
合格しなければならない。
注a)ピーク2500Vを超える過渡過電圧は、「表:一次回路内、一次回路~二次回路間の最小空間距離」又は
附属書Gで、最小空間距離を決定すること。
b)汚損度1の場合、「汚損度 1 環境及び絶縁コンパウンドについての試験」は必要ない。
c)次のいずれかの試験電圧を用いた耐電圧試験に合格する場合、
⼆次回路の1400Vを超えるピーク動作電圧に対する最小空間距離は5mmとする。
・実効値がピーク動作電圧の106%となる交流試験電圧(ピーク動作電圧の150%となる試験電圧ピーク値)
・ピーク動作電圧の150%に等しい直流試験電圧
3.放電ランプを点⽕させるための起動パルスを発⽣する回路が、制限電流回路でない場合、次のいずれかで決定する。
(1)附属書Gに従って最⼩空間距離を決定する。
(2)次のいずれかの⼿順で耐電圧試験を⾏う。試験中、ランプ端⼦は互いに短絡する。
・ピーク動作電圧の150%に等しい交流ピーク⼜は直流の試験電圧を⽤いる
・外部パルス発⽣器からピーク動作電圧の150%に等しい波⾼値のパルスを30回印加する。
パルス幅は、内部で発⽣する起動パルス幅以上でなければならない。