技術基準:J60950-1(情報機器) 異常状態の共通試験条件及び判定基準
家庭用機器 
(IEC-J60335-1)

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情報機器
(IEC-J60950-1)

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AV機器
(IEC-J60065)

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A.想定する故障状態

1.疑似故障及び異常状態(単一故障)
    【適用規格】JIS C6950-1:2016 1.4.14項

 
 (1)次のような箇所を、⼀つずつ故障状態⼜は異常動作状態にする。
     (a)半導体デバイス及びコンデンサの短絡・開放
     (b)間⽋的な通電を意図して設計した抵抗器において連続的通電を引き起こす故障
     (c)過剰電⼒消費の原因となる集積回路の内部的故障
     (d)⼀次回路の通電部分と次の部分間の基礎絶縁の⽋陥
          ・アクセス可能な導電部
          ・接地した導電性遮蔽物(変圧器の絶縁
          ・SELV回路の部分
          ・制限電流回路の部分
     (e)機能絶縁の⽋陥は、「機能絶縁の短絡」c)項で要求する場合だけ模擬する。

  (2)直接的結果として発⽣した故障は、その擬似故障⼜は異常動作状態の⼀部であるとみなす。

  (3)部品、サプライ品、消耗材、媒体及び記録材が試験結果に影響を及ぼす可能性がある場合は、これらを取り付ける。

2.故障状態の模擬
    【適用規格】JIS C6950-1:2016 5.3.7項

  (1)「モーター」「変圧器」「電気機械的コンポーネント」及び「音響増幅器を内蔵する機器」に規定するもの以外の
     コンポーネント及び回路は、次の故障状態を模擬する。
      (a)⼀次回路内のコンポーネントの短絡開放
      (b)故障で付加絶縁強化絶縁)に悪影響を及ぼすおそれがあるコンポーネントの短絡開放
      (c)コンポーネントが材料の要求事項に適合しない場合は、これら全てのコンポーネントの短絡開放⼜は過負荷
             過負荷:通常負荷と短絡に⾄るまでの最⼤電流状態との間のあらゆる状態。
      (d)機器から電⼒を取り出す端⼦及びコネクタに最も不利となる負荷インピーダンスを接続することで起こる故障
         但し、主電源供給⽤コンセントを除く。
      (e)「疑似故障及び異常状態(単一故障)」のその他の単⼀故障

  (2)同じ内部回路に複数のアウトレットがある場合は、代表し1個のアウトレットだけに試験を⾏う。

  (3)電源コード、機器⽤カプラ、EMCフィルタ⽤コンポーネント、スイッチ及びこれらの相互接続配線等主電源と関連した
     ⼀次回路のコンポーネントが機能絶縁の故障状態の沿面距離規定又は耐電圧試験に適合する場合、故障状態の模擬は
     ⾏わない。

2.過負荷及び異常動作に対する保護
    【適用規格】JIS C6950-1:2016 5.3.1項

  (1)コンポーネント(部分組⽴品)が囲われていて、短絡開放試験を⾏うことが実際的でないか、
     機器を破損せずに試験を⾏うことが困難な場合、特別な接続リード線を備えたサンプル部品で試験を⾏ってもよい。

  (2)試験を⾏うことが困難か、実際的でない場合は、全体としてのコンポーネント(部分組⽴品)がこれらの試験に
     適合すること

  (3)保護カバーをもつ機器は、通常のアイドリング状態でカバーを所定の位置に取り付けたまま、定常状態に達するまで
     試験を⾏う。


B.判定基準
   
【適用規格】JIS C6950-1:2016 5.3.4項、5.3.7項、5.3.9.1項、5.3.9.2項

1.「モーター」「変圧器」「電気機械的コンポーネント」及び「音響増幅器を内蔵する機器」に規定するもの以外の
  コンポーネント及び回路は、次の通りとする。
     ・「異常動作及び故障状態での適否の基準」に適合すること。
     ・試験中のコンポーネントに電源を供給する変圧器の温度は、変圧器巻線の温度限度値を超えないこと。
      但し、交換が必要な変圧器は、変圧器巻線の温度限度に規定する緩和事項を考慮する。

2.異常動作及び故障状態での適否の基準
  (1)「機能絶縁の短絡試験」「電気機械的コンポーネント」「故障状態の模擬」「無⼈使⽤を意図する機器」及び
     「変圧器の過負荷試験」の試験中、次の事象が⽣じないこと。
      (a)発⽕した場合でも、機器から外に延焼しない。
      (b)機器から溶融⾦属が出ない。
      (c)エンクロージャは、次に適合しなくなるようような変形が生じないこと
           ・「可触部に関する一般要求事項」・「試験指に関する要求事項」
           ・「保護接地」
           ・「空間距離」
           ・「危険な可動部に対する一般要求事項」

  (2)材料の要求事項に適合しないコンポーネントの短絡開放⼜は過負荷試験(「故障渋滞の模擬」c)項)を⾏った場合、
     次のとおりとする。
      (a)熱可塑性以外の絶縁材料の温度は、表「過負荷時の温度限度値」を超えないこと。

表:過負荷時の温度限度値
絶縁クラス 105(A) 120(E) 130(B) 155(F) 180(H) 200(N) 220(R) 250
最高温度(℃) 150 165 175 200 225 245 265 295





      (b)絶縁不良が⽣じた場合、危険電圧が加わる部分⼜は危険エネルギーレベル部分にアクセスできないときは、
         300℃まで認める。
         ガラス⼜はセラミック絶縁は、より⾼い温度を認める

  (3)「機能絶縁の短絡試験」c)項「電気機械的コンポーネント」、「故障状態の模擬」「無⼈使⽤を意図する機器」
     及び「変圧器の過負荷試験」の試験後、次の部分に対して「耐電圧試験」を⾏い適合すること。
       ・強化絶縁
       ・⼆重絶縁を構成する基礎絶縁⼜は付加絶縁
       ・⼀次回路と保護接地端⼦との間の基礎絶縁

  (4)次のいずれかが当てはまる場合に限り、試験後、「耐電圧試験」を⾏い適合すること。
       ・空間距離⼜は沿⾯距離が 空間距離・沿⾯距離及び絶縁物を通しての距離の要求事項に規定値未満になった場合
       ・⽬視で確認できる絶縁の損傷が⽣じた場合
       ・該当する絶縁を⽬視検査することができない場合

3.機能絶縁の沿⾯距離(空間距離)は、次のいずれかに適合すること。
  ⼆次回路と機能上の接地を⾏うアクセスできない導電部分間の沿⾯距離空間距離)は、次のいずれかに適合すること。

   a) 機能絶縁に関する沿⾯距離空間距離)に適合する。
   b) 機能絶縁に関する「耐電圧試験」に適合すること。
   c) 短絡で次のことを引き起こす恐れがある場合は短絡した時に、「異常動作の要求事項」に適合すること。
      ・⽕災リスクを引き起こす材料の過熱。但し、過熱の恐れがある材料がV-1材の場合を除く。
      ・感電リスクを引き起こす基礎絶縁付加絶縁⼜は強化絶縁の熱的損傷



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