操作者アクセスエリアにある部分 | 最高温度 Tmax(℃) | ||
金属 | ガラス 磁器 ガラス質剤 |
プラスチック ゴム |
|
短時間だけ保持又は接触するハンドル、ノブ、クリップなど | 60 | 70 | 85 |
通常使用時に連続的に使用するハンドル、ノブ、クリップなど | 55 | 65 | 75 |
接触することができる機器の外部表面 a) | 70 | 80 | 95 |
接触することができる機器の内部部品 c) | 70 | 80 | 95 |
部分 | 最高温度 Tmax(℃) |
絶縁(巻線絶縁を含む) | |
耐熱クラス105の材料(A) | 100 a)、b)、c) |
耐熱クラス120の材料(E) | 115 a)、b)、c) |
耐熱クラス130の材料(B) | 120 a)、b)、c) |
耐熱クラス155の材料(F) | 140 a)、b)、c) |
耐熱クラス180の材料(H) | 165 a)、b)、c) |
耐熱クラス200の材料(N) | 180 a)、b)、c) |
耐熱クラス220の材料(R) | 200 a)、b)、c) |
耐熱クラス250の材料 | 225 a)、b) |
内部配線及び電源コードを含む外部配線のゴム絶縁又はPVC絶縁 | |
温度表示が無いもの | 75 d) |
温度表示付きのもの | 温度表示の値 |
その他の熱可塑性絶縁 | e)参照 |
端子(据置型機器の外部接地導体接地用端子を含む 但し、非着脱式電源コードを備えた機器を除く) |
85 |
可燃性の液体に接する部分 | 「可燃性液体」参照 |
コンポーネント | 「一般要求事項」参照 |
家庭用機器 (IEC-J60335-1) |
1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC
情報機器 (IEC-J60950-1) |
1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC
AV機器 (IEC-J60065) |
A.測定条件
【適用規格】JIS C6950-1:2016 1.4.12項、1.4.12.1項、1.4.12.2項、1.4.12.3項、1.4.13項
1.全ての温度値は、摂⽒温度(℃)で⽰し、⽤いる記号は次の通りとする。
T :規定試験条件で測定した該当部分の温度
Tmax :適否判定の基準として規定する最⾼温度
Tamb :試験中の周囲温度
Tma :製造業者が指定する最⾼周囲温度⼜は25 ℃のいずれか⾼い⽅の温度
2.加熱・冷却度合いが温度に依存する機器(例:⾼い温度ではより⾼速回転するファンを内蔵する機器)の温度測定は、
次の通りとする。
(1)製造業者が指定する動作範囲の中で最も不利な周囲温度で⾏う。但し、TはTmaxを超えないこと。
(2)異なるTambで、複数回の試験を行う必要があるか考慮すること。
3.加熱・冷却度合いが周囲温度に依存しない機器は、次のいずれかで行う。
(1)製造業者が指定する動作範囲の中で最も不利な周囲温度で⾏う
(2)製造業者が指定する動作範囲の中でTambを適切に選ぶ。但し、T は(mTax+Tamb-Tma)を超えないこと。
試験中は、TambはTmaを超えないこと。
4.測定⽅法は、次のとおりとする、
(1)巻線温度は、熱電対法⼜は「抵抗法」で測定する。
(2)巻線以外は、熱電対法で測定する。
(3)温度平衡に⼤きな影響を与えることなく、適否判定上⽀障がない精度が得られる場合、他の適切な温度測定法を
⽤いてもよい。
(4)温度センサは、試験箇所の温度への影響が最⼩となるように選定及び取付けを⾏う。
B.測定方法及び判定基準
【適用規格】JIS C6950-1:2016 4.5.1項、4.5.2項、4.5.3項、4.5.4項、4.5.5項
1.個別条件
(1)⾳声増幅器はJIS C6065「オーディオ増幅器の設定」に基づいて動作させる
(2)温度が安定するまで、機器⼜は機器の部品を「試験電圧」に基づいて通常負荷で動作させる。
(3)機器に適⽤する試験条件が保たれる場合は、コンポーネント及びその他の部分を独⽴して試験してもよい。
(4)組込形機器、ラック取付形機器⼜は⼤きな機器に組み込む機器は、設置指⽰書の範囲で最も不利な条件で試験する。
(5)絶縁不良で危険が生じるおそれがある電気的絶縁部の温度は、絶縁部表⾯上の熱源に近い点を測定する
(表「材料およびコンポーネントの温度限度」注a)を参照)
(6)測定中の機器の状態は、次のとおりとする。
・温度過昇防⽌器及び過電流保護デバイスが、作動してはならない。
・機器の通常動作を停⽌させないように組み込まれたサーモスタットは、作動してもよい。
・温度制限器は、作動してもよい。
・封⽌⽤コンパウンドがある場合は、流出してはならない。
2.判定条件
(1)材料・コンポーネントの温度は、表「材料及びコンポーネントの温度限度」の値を超えないこと
(2)操作者アクセスエリアにあるアクセス可能な部分の温度は、表「接触温度限度」の値を超えないこと。
(3)アクセス制限場所に設置する機器は、表「接触温度限度」を適⽤する。
但し、明らかにヒートシンクとして設計された外部⾦属部品や、⽬視できる警告をもつ外部⾦属部品は、
90℃の温度を許容する。
3.異常発⽣熱に対する耐性
(1)危険電圧部分を直接取り付ける熱可塑性樹脂部品は、JIS C60695-10-2:ボールプレッシャー試験に適合すること。
(2)試験条件
・恒温槽の中で⾏い、その温度は[(T-Tamb+Tma+15)±2]℃とする。
・⼀次回路内の危険電圧部分を⽀持する熱可塑性部品は、125 ℃以上の温度で試験する。
注a) 巻線温度を熱電対で測定する場合、
表から10℃減じた値を適用する。
ただし、次の場合を除く。
・モータ
・熱電対埋込みの巻線
b) 適正な最高温度を決定するために、
材料データを考慮する
注記:材料データがない場合、
別表第四 1(1)ロ(ハ)は、
該当材料の最高温度とみなす
c) 耐熱クラス105~220に対して
JIS C4003で割り付けられている指定文字
A~Rを括弧書きで示す。
d) 表示が無い電線は、電線リール表示又は
電線製造業者の指示する温度定格とする
e) 熱可塑性材は、ボールプレッシャー試験に
合格すること
注a) 次の部分は、100℃までの温度を許容する
・外部表面上で全て50mm以下の寸法で
通常使用時に人が触れる恐れのない部分 ・意図する機能のために熱が必要な機器
(例:文書ラミネート加工機)の一部で
状態が使用者に明白である場合は、
高温部近傍の目立つ位置に、
次の警告表示があること
・ 図記号 [IEC 60417-5041]
・ 次の文言又はこれと同等の文言
警告:高温面 触らないこと
b) 適正な最高温度を決定するために、
材料データを考慮する
c) 次の条件を満たす場合、限度値を超える
温度になってもよい。
・当該部分に不用意に接触する恐れがない
・当該部分に、高温警告表示があること
図記号 [IEC 60417-5041]でも良い
C.巻線の温度上昇
【適用規格】JIS C6950-1:2016 附属書E
1.次の式で、巻線の温度上昇値を算出する。
Δt=(R2-R1)/R1×(234.5+t1)ー(t2-t1) (銅線の場合)
Δt=(R2-R1)/R1×(234.5+t1)ー(t2-t1) (アルミニウム線の場合)
ここに、 Δt: 温度上昇値(K)
R1: 試験開始時の巻線抵抗値( Ω)
R2: 試験終了時の巻線抵抗値( Ω)
t1: 試験開始時の室温(℃)
t2: 試験終了時の室温(℃)
2.試験開始時の巻線温度は、室温と同じにする。
3.巻線抵抗の測定は、スイッチを切った直後のできるだけ短時間に行う。
時間対抵抗値曲線を描いて、スイッチを切った瞬間の抵抗値を推測する。
4.抵抗法で算出した巻線温度値を表「材料及びコンポーネントの温度限度」の温度限界値と⽐較するときは、
計算した温度上昇値に25℃を加える