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A.部品確認方法
【適用規格】JIS C6950-1:2016 1.4.15項
1.部品単体の要求事項を部品単体試験で確認するのではなく、安全規格の要求事項に適合している認定部品であるかを
仕様書等で確認することが必要です。具体的には、次のような内容を確認します。
(1)使用している部品の名称
(2)部品のメーカー名
(3)部品の形名
(4)適合安全規格基準
(5)認定検査機関の適合マークの表示の有無
2.特に重要な部品は、安全重要部品(クリティカルコンポーネント)として明確に管理することが必要です
B.一般要求事項
【適用規格】JIS C6950-1:2016 1.5.1項、1.5.2項
1.安全性に関係がある部品は、次のいずれかとする。
(1)この規格の要求事項に適合すること
(2)関連するJIS・IEC規格の要求事項に適合するか⼜は同等以上の性能があること
技術基準の解釈に適合する部品は、同等以上の性能をもつとみなす
(3)IEC62368-1適合コンポーネント及び部分組⽴品は、規格対象範囲とする機器の⼀部として認める。
但し、最終製品内で適切に使用されていること。
(4)JIS C8283-1⼜はIEC 60320-1規定の機器⽤インレットに嵌合するコネクタは、JIS C8283-1⼜はIEC 60320-1の
該当コネクタの⼨法に合致すること。
(5)JIS C8286適合コードセットは、この要求事項を満⾜するとみなす。
JIS C8283-1⼜はIEC60320-1規定の機器⽤インレットに嵌合する電源コードセットは、JIS C8286適合品を⽤いる
こと
2.部品規格を使用する場合、部品評価は、次の通りとする。
(1)部品定格に従って正しく適⽤し、使用されていること。
(2)機器の⼀部として、この規格の該当する試験を⾏う。但し、その試験が部品規格に含まれる場合は除く。
(3)部品規格に適合することが証明されていない場合、機器の⼀部として、該当する試験及び機器内で⽣じる状態で
部品規格の該当する試験を⾏う。
(4)部品定格を満足しない使われ方をしている部品は、機器内で⽣じる状態でその部品を試験する。
・試験サンプル数は、該当する部品規格既定のサンプル数とする。
・定格電圧が125V以下・定格電流が10Aを超える機器に、JIS C8283-1スタンダードシートC14の
機器⽤インレット(定格電流10A)を⽤いる場合は、「電源コードセットの安全注意文」も参照する。
C.絶縁物
【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.9.1項、3.1.5項、4.3.9項
1.天然ゴム、吸湿性材料及び⽯綿(アスベスト)を含む材料は、絶縁物として使用されていないこと。
2.ドライブベルト及び連結器は、不適切に交換されるリスクがない特別な設計を除き、電気絶縁を確保するものとはみなさない
3.ビーズ及びセラミック絶縁物は次のとおりとする。
(1)導体上のビーズ・類似のセラミック絶縁物
・危険が⽣じるような場所に移動しないように固定⼜は保持されていること。
・とがった縁・⾓に接触しないこと。
(2)ビーズが⾦属製可とう電線管内にある場合、通常使⽤時に、危険が⽣じないように、次のいずれかの処置がされている
こと
・電線管を取り付けるか、固定する
・絶縁スリーブの中に収められている。
(3)これらの絶縁物・電線管に10Nの⼒を加えて確認する。
4.油、グリース類にさらされている内部配線、巻線、整流⼦、スリップリング類、絶縁物全般の絶縁は、劣化しない適切な
特性をもつこと
D.じんあい、粉末、液体及び気体
【適用規格】JIS C6950-1:2016 4.3.10項
1.対象機器
・じんあい(例:紙粉)を⽣じる機器
・粉末、液体、気体を⽤いる機器
2.要求事項
(1)通常の動作、貯蔵、充塡、空状態で、濃縮、蒸発、漏れ、こぼれ、腐⾷等で、物質が危険な濃度に達しにくく、
危険が起こりにくい構造であること
(2)沿⾯距離、空間距離の規定値を下回らないこと。
(3)適用する試験
・補充中に液体がこぼれることで、電気的絶縁を害する恐れがある場合:次に示す試験
・可燃性液体:可燃性液体の試験
3.試験方法
(1)設置指⽰書に基づいて使用状態にする。(通電はしない)
(2)液体容器に、製造業者指定の液体を⼀杯に⼊れる
(3)容器容量の15%に等しい量を、ゆっくりと1分間かけて注⼊する。
(4)次の場合は、引き続き容器容量に等しい量の液体をゆっくりと1分間かけて注⼊する。
・250mLを超えない容量の液体容器の場合
・排出部分が備わっていない容器で液体が⼀杯か否かが外から分からない場合
(5)液体がこぼれる可能性がある部分の全ての絶縁に対して、「耐電圧試験」を⾏う
4.判定基準
・「耐電圧試験」に合格すること
・危険が⽣じる液体の痕跡が無いこと。
E.可燃性液体
【適用規格】JIS C6950-1:2016 4.3.12項
1.可燃性液体を⽤いる場合、次のとおりとする。
(1)液体は密閉形の容器に保管されていること。但し、機器動作に必要な量の液体は除く。
(2)機器に蓄えられる可燃性液体の最⼤量は、通常5L以下であること。
但し、液体の消費が8時間動作に対し5Lを超える場合、蓄える量は8時間動作に必要な値まで増やしてもよい。
(3)潤滑(油圧システム)で⽤いる油等の液体は、次のとおりとする。摩擦点に⽤いる潤滑油は除く。
・引⽕点が149℃以上あること
・液体の容器は、密封構造であること
・潤滑(油圧システム)は、液体の膨張を可能にする仕組みをもち、放圧のための⼿段が組み込まれていること。
(4)印刷インク等の補充可能な液体は、引⽕点が60℃以上で、噴霧化を引き起こすだけの圧⼒下に置かないこと。
(5)液体噴霧⼜は可燃性蒸気と空気との混合の可能性で、爆発・⽕災の恐れが無いことを⽬視検査で確認できる場合は、
次の液体を使用できる。
・引火点が60℃未満の補充可能な可燃性液体
・噴霧化を引き起こすだけの圧⼒の下に置く補充可能な可燃性液体
(6)通常動作状態で、次の濃度にならないこと
・混合が発⽕源の近傍で起こる場合:爆発限界濃度の1/4を超える濃度
・混合が発火源の近傍で起こらない場合:爆発限界濃度の1/2を超える濃度
2.液体取扱いシステムは、「衝撃試験」の試験条件下で、⽕災・爆発リスクが減少するように、適切に格納されていること。
3.試験方法
(1)「平常温度上昇測定」に従って温度が安定するまで機器を動作させる。
(2)取扱説明書に従って、通常の⽅法で機器を動作させる。
(3)電気的コンポーネントの近傍及び機器の周囲で雰囲気サンプルを採取して、存在する可燃性蒸気の濃度を測定する。
(4)雰囲気サンプルは、4分間隔で採取する。4回分のサンプルは通常動作中に採取する
(5)7回分のサンプルを機器が停⽌した後で採取する。
*機器停⽌後、可燃性蒸気の濃度が⾼くなるときは、濃度が低くなっていくことが分かるまで4分間隔でサンプルを
採取し続ける。
*ファンのいずれかが回転しないなどの機器の異常動作が起きる可能性がある場合は、その状態を模擬して試験する。
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