図 バッフル構造

図 エンクロージャの開口

図:ルーバの例

図:真上からアクセスできないようにする開⼝の断⾯の例
A:その下に防⽕⽤エンクロージャを必要とするコンポーネントの部分、
  例えば、そこから燃焼小片が落下するおそれがあるコンポーネント又は部分組立品の
  開口の下の部分。
  コンポーネント又は部分組立品自体に防⽕⽤エンクロージャがない場合、
  保護を必要とする面積は、コンポーネント又は部分組立品が占める全面積となる。

B: 防⽕⽤エンクロージャの最も下にある点の水平面上に垂直に投影したAの輪郭。

C: Bと同一面上に輪郭Dを描いた傾斜線。
  輪郭Bの外周をたどっていくと、この線は、Aの開口の外周のあらゆる点で、
  垂直に対して5°で投影した線となり、水平面上で描いた面積が最大になるような
  位置関係になっている。

D: 防⽕⽤エンクロージャの底面の最小輪郭。
  5°の角度で描いた線で囲まれた防⽕⽤エンクロージャの側面の部分もまた、
  防⽕⽤エンクロージャの底面の部分とみなす。

図 部分的に囲ったコンポーネント⼜は部分組⽴品の防⽕⽤エンクロージャの底
技術基準:J60950-1(情報機器) 構造:エンクロージャ・その他の構造に関する要求事項
家庭用機器 
(IEC-J60335-1)

1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC

情報機器
(IEC-J60950-1)

1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC

AV機器
(IEC-J60065)

1.表示・説明書

2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC
Copy Right KOUKUSU Quality & Analysis All Right Reserved
A.一般要求事項
     【適用規格】JIS C6950-1:2016 4.3.1項、4.3.2項、4.3.3項

1.縁・角が、操作者に危険が⽣じる恐れがある場合、丸め・⾯取り処理が施されていること。
  但し、機器の適切な機能を果たす上で必要な縁・⾓には適⽤しない。

2.ハンドル、ノブ、グリップ、レバー類
  (1)緩むことで危険が⽣じる恐れがある場合は、次のとおりとする。
      ・通常使⽤時に緩まない⽅法で確実に固定されていること。
      ・⾃⼰硬化性樹脂以外の封⽌コンパウンド類は、緩み⽌めとして使用しないこと。
      ・スイッチ等のコンポーネント位置を表⽰するために、ハンドル、ノブ類を⽤いる場合は、
       危険を招くような誤った位置に取付けられないこと

  (2)試験条件
      ・通常使⽤時に軸⽅向の引張⼒が加わらないような形状の部品。
         電気コンポーネント操作⽤  15N
         その他           20N

      ・軸⽅向の引張⼒が加わるような形状の部品
         電気コンポーネント操作⽤  30N
         その他           50N

  (3)試験方法
       ハンドル、ノブ、グリップ⼜はレバーを取り外すように軸⽅向の⼒を、1分間加える

3.手で調整するコントロールデバイス(例:異なる交流主電源の電圧選択用デバイス)が、間違った設定又は
  不注意で危険が⽣じる恐れがある場合、⼯具の使⽤を必要とすること


B.エンクロージャの開口
     【適用規格】JIS C6950-1:2016 4.6.1項、4.6.2項、4.6.4項、4.6.4.1項、4.6.4.2項、4.6.4.3項

1.上⾯及び側⾯開⼝
  (1)試験条件
      ・複数の設置⽅向で⽤いる機器は、それぞれの適切な設置⽅向に適⽤する。
      ・可搬形機器エンクロージャを除く

  (2)異物が開⼝から侵⼊し、裸の導電部分に接触し、危険が⽣じない構造であること。
      ・操作者が開けたり外すことができる扉、パネル、カバー等の背後の開⼝は、この要求事項に適合しなくてもよい。
      ・カバーを閉じた状態⼜は所定位置で、この要求事項に適合すること。

  (3)図「部分的に囲ったコンポーネント⼜は部分組⽴品の防⽕⽤エンクロージャの底⾯」の5°の投影部分に該当する
     防⽕⽤エンクロージャ側⾯部は、防⽕⽤エンクロージャ底⾯開⼝の規定も適⽤する。
             



















  (4)上記(3)項適用部分を除き、次のいずれかであること。            
      ・あらゆる⼨法が5mm以下の開⼝                        
      ・⻑さに関係なく、幅が1mm以下の開⼝     
      ・垂直⽅向の異物の混⼊を防⽌してある上⾯開口(図「真上からアクセスできないようにする開⼝の断⾯の例」)










      ・垂直⽅向から落下した外部の異物を外側にそらすような形のルーバを備えた側⾯開⼝(図「ルーバの例」)














      ・図「エンクロージャの開⼝」に⽰す上⾯⼜は側⾯の開⼝で垂直部分⼜は開⼝の⼤きさLまでで、
       次のような裸の導電部の上になく、5°の範囲で仕切られた範囲の体積Vの中にない開⼝
         ・ 危険電圧箇所
         ・ 2.1.1.5に規定するエネルギーによる危険を⽣じる箇所



























                    A: エンクロージャの開口
                    B: 開口の外測の端の垂直投影
                    C: 開口の端から5°の角度でBからEの距離までの投影傾斜
                    D:エンクロージャの側面壁と同じ面で垂直に投影した線
                    E: 開口の外側の端(B)及び傾斜線(C)の投影(寸法Lを超えない)
                    L: エンクロージャの側面開口の最大寸法
                   ○V : 危険電圧が加わる裸の部分又はエネルギーによる危険が存在しないエリア

2.底面開口
  (1)試験条件
      ・複数の設置⽅向で⽤いる機器は、
       それぞれの適切な設置⽅向に適⽤する。

      ・可搬形機器防⽕⽤エンクロージャを除く

      ・アクセス制限場所だけで使用し、
       コンクリート床⼜は他の⾮可燃性表⾯に
       据え付ける据置形機器
       次の内容が表示されている場合は除く。
         コンクリート⼜は他の⾮可燃性表⾯だけへの
         据付けに適している。

  (2)次の構造をしていること。
表 防⽕⽤エンクロージャの⾦属底⾯開⼝の⼨法及び間隔
金属底面の
最小厚
(mm)
丸型開口 他の形の開口
開口の
最大直径
(mm)
開口中心間の
最小間隔
(mm)
最大面積
(mm2)
開口の境界間
最小距離
(mm)
0.66 1.1 1.7 1.1 0.56
0.66 1.2 2.3 1.2 1.1
0.76 1.1 1.7 1.1 0.55
0.76 1.2 2.3 1.2 1.1
0.81 1.9 3.1 2.9 1.1
0.89 1.9 3.1 2.9 1.2
0.91 1.6 2.7 2.1 1.1
0.91 2.0 3.1 3.1 1.2
1.0 1.6 2.7 2.1 1.1
1.0 2.0 3.0 3.2 1.0
     ・底⾯に開⼝がない防⽕⽤エンクロージャ

     ・防⽕⽤エンクロージャに適合する内部バリア、
      スクリーン類の下にある、あらゆる⼤きさの
      底⾯開⼝

     ・V-1材HF-1発泡材に適合する部品の
      下にあるか⼜は30秒間炎を当てる
      JIS C60695-11-5ニードルフレーム試験に
      適合する⼩さな部品の下にある底⾯で、
      各々の⼨法が40mm2以下の開⼝

     ・バッフル構造

     ・表「防火用エンクロージャの金属底面開口の
      寸法及び間隔」の各⾏の⼨法限度値を備えた
      防⽕⽤エンクロージャ⾦属底⾯

     ・編⽬の中⼼線間隔が2mm以下の公称開⼝で、線径0.45mm以上のメッシュをもつ⾦属製底⾯スクリーン

3.可搬形機器の開⼝
  (1)ペーパクリップ、ステープラ針等の⼩さな⾦属性物質が機器内部に⼊り、⽕災の危険になる裸の導電部を橋絡する
     可能性を最⼩限にするような構造であること。
       ・電⼒を制限している裸の導電部間は除く。
       ・コンフォーマル⼜は他のコーティングで覆った導電部は、裸の導電部とはみなさない。

  (2)全ての扉・カバーは、閉じるか⼜は所定位置にし、ディスクドライブ、電池等の周辺機器⼜は部分組⽴品は
     正しく取付けた状態とする

  (3)次の構造であること。
       ・⻑さに関係なく幅が1mm以下
       ・各開⼝の中⼼線間隔が2mm以下の公称開⼝で、線径0.45mm以上の⽷⼜は針⾦製メッシュ状のスクリーン
       ・内部バリア
       ・その他の同等な構造的な⼿段

  (4)上記(3)項よりも⼤きな開⼝部は、次の試験を満足すること。
     (a)試験条件
         ・上記(3)項に適合しない全領域で13mm以内にある裸の導電部間で、直線的経路に沿った橋絡を
          模擬する故障試験を⾏う
         ・同時に接触する可能性がある裸の導電部間の橋絡を考慮する。

     (b)試験方法
         直径1mm、⻑さ13mm以下の真っ直ぐな⾦属物を特別な⼒を加えることなくあてる

     (c)判定基準
         ⾮⾦属材料が発⽕したり、溶融⾦属の放出がないこと

  (5)プラスチックバリア⼜はエンクロージャのメタライズした部分が、15VAを超える電⼒が取り出せる回路から
     13mm以内にある場合、次のいずれかに適合すること。
       ・取り出せる電⼒が「有限電源」に適合する場合、外部からの⾦属性物質は、上記(3)項に従って、
        侵⼊しないよう制限されていること
       ・裸の導電部とメタライズしたバリア・エンクロージャ間にバリアがあること。
       ・裸の導電部から13mm以内にあるエンクロージャ⼜はバリアの最も近いメタライズした部分と
        その裸の導電部間の直接の橋絡を模擬するための故障試験を行った時、メタライズしたバリア
        ⼜はエンクロージャが発⽕しないこと。

      *メタライズしたプラスチックバリア⼜はエンクロージャ
         導電性混合材料で作られたもの、電解めっき、真空蒸着、ペイントめっき、ホイルを裏打ちしたもの。


C.防⽕⽤エンクロージャ
     【適用規格】JIS C6950-1:2016 4.6.3項、4.7.2項、4.7.2.1項、4.7.2.2項

1.防⽕⽤エンクロージャの扉・カバー
    防⽕⽤エンクロージャの⼀部に、操作者アクセスエリアの開閉を⾏う扉・カバーがある場合は、
    次のいずれかに適合すること。
      ・扉・カバーは、インタロックの要求事項を満足すること。
      ・操作者が⽇常的に開ける扉・カバーは、次の両⽅に適合すること。
          ・操作者防⽕⽤エンクロージャの他の部分から扉・カバーを取り外すことができない。
          ・通常動作中に、扉・カバーが閉じたままにする手段がある。
      ・アクセサリの取付等操作者がまれに⽤いる扉・カバーは、取扱説明書に、正しい取外・取付⽅法の記載があること

2.防⽕⽤エンクロージャの条件
   故障状態で、発⽕する温度になる部分がある場合、防⽕⽤エンクロージャであること

3.防⽕⽤エンクロージャが必要な部分
   次の場合は、着⽕リスクがあるとみなし、防⽕⽤エンクロージャであること。
   但し、着荷及び炎の拡散リスクの減少対策を⽤いる場合⼜は防火用エンクロージャが不要な部分を除く
     ・⼀次回路のコンポーネント

     ・「有限電源」の限度を超える電源から電⼒を受ける⼆次回路のコンポーネント

     ・「有限電源」から電⼒を受けるが、V-1材の上にない⼆次回路のコンポーネント

     ・電源の内部コンポーネント⼜は「有限電源」の出⼒をもつ部分組⽴品で、過電流保護デバイス、
      インピーダンス制限、レギュレーティング回路及び配線を含む「有限電源」の出⼒規定に適合する点までのもの

     ・アークを発⽣する部分に囲いを施していないコンポーネント
       (例)危険電圧危険エネルギーレベルの回路にある開放形スイッチ、リレーの接点、整流⼦など

     ・絶縁電線

4.防⽕⽤エンクロージャが不要な部分
   次の部分は、防⽕⽤エンクロージャは不要とする。
     ・モータ
     ・変圧器
     ・「異常状態」を満足する電気機械的コンポーネント
     ・PVC、TFE、PTFE、FEP、ポリクロロプレン⼜はポリイミドで絶縁したケーブル及び配線
     ・電源コード⼜は相互接続ケーブルの⼀部を構成するプラグ・コネクタ
     ・防⽕⽤エンクロージャ開⼝を埋める防火用エンクロージャの材料の要求事項に適合するコネクタを含む
      コンポーネント
     ・通常動作状態及び単⼀故障が⽣じた後に、15VA以下に制限された電源から電力を受ける⼆次回路のコネクタ
     ・「有限電源」から電⼒を受ける⼆次回路のコネクタ
     ・次に⽰す⼆次回路のその他のコンポーネント
        ・「有限電源」から電⼒を受け、V-1材の上にあるもの
        ・通常動作状態及び単⼀故障が生じた後に、15VA以下に制限した内部電源⼜は外部電源から電⼒を受ける
         次の部分の上にあるもの
             材料の主要な部分の最も薄い厚さが3mm未満の場合:HB75材
             材料の主要な部分の最も薄い厚さが3mm以上の場合:HB40材
        ・着荷及び炎の拡散リスクの減少対策に適合するもの
     ・使⽤者が動作させ続ける必要があり、⼿を放すことで全電⼒が機器(機器の⼀部)から取り除かれる
      モメンタリースイッチをもつもの

D.その他
 
   【適用規格】JIS C6950-1:2016 1.1.2項、4.6.5項、4.7.1項

1.構造⽬的の接着剤の試験方法
  (1)試験条件
       サンプルは、機器、バリア・スクリーンを取り付けたエンクロージャ部分サンプルのいずれかとする。

  (2)試験方法
      ・サンプルを次に規定するいずれかの温度・時間、恒温槽に⼊れ温度処理する。
       処理中、サンプルはバリア・スクリーンが下を向くように置く。
          100±2℃で1週間
          90±2℃で3週間
          82±2℃で8週間

      ・次の処理を順番に行う。
         ・恒温槽から取り出し、20〜30℃の任意の温度に1時間放置
         ・-40±2℃の冷凍庫に4時間放置
         ・冷凍庫から取り出し、20〜30℃の任意の温度に8時間放置
         ・相対湿度が91〜95%の恒湿槽中に72時間放置
         ・恒温槽から取り出し、20〜30℃の任意の温度に1時間放置
         ・温度処理で⽤いた温度の恒温槽の中に4時間放置
         ・恒温槽から取り出し、20〜30℃の任意の温度に8時間放置

      ・機械的強度の各試験を⾏う。

  (3)判定基準
        バリア・スクリーンが剝がれ落ちたり、部分的に剝がれたりしてはならない。

2.着⽕及び炎の拡散のリスクの減少
   材料、電線、巻線コンポーネント及び集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、抵抗器、コンデンサ等の
   電⼦コンポーネントに影響を及ぼす恐れのある着⽕及び炎の拡散が⽣じないように、次のいずれかの⽅法で
   保護されていること。

    (⽅法1)着⽕・炎の拡散の可能性を⼩さくするコンポーネント、電線、材料の使用、防⽕⽤エンクロージャを⽤いる。
           ・防火エンクロージャの条件及び防火用エンクロージャの材料に関する要求事項に適合すること。
           ・「故障状態の模擬」を適⽤する。但しc)項を除く

    (方法2)「故障状態の模擬」の全ての模擬故障試験を適⽤する。
          ・⽅法2だけを⽤いる場合は防⽕⽤エンクロージャは不要である。
          ・「故障状態の模擬」c)項を適⽤する場合、⼀次回路及び⼆次回路の全ての関連コンポーネントの
            試験を含むこと。

3.⽔の浸⼊防⽌の指針
  (1)⽔が浸⼊する可能性がある場所で⽤いる機器は、IPX0以外の適切な保護等級保護されていること。

  (2)JIS C0920に従った防水試験後
      ・濡れた状態で使用しない機器は、絶縁部に⽔が⼊った形跡がないこと
      ・排⽔⼝がある機器は、中に⼊った⽔がたまらず、かつ、適合性を損なうことなく排出できること
      ・排⽔⼝がない機器は、⽔がたまるおそれがないこと。

  (3)水の浸⼊に対する防⽌処置を施した部分は、⼯具を⽤いない限り取り外すことができないこと



【広告】
(株)ケイタスへのリンク

久米電気(株)へのリンク
電気用品安全法

家庭用品品質表示法

消費生活用製品安全法

総務省電波利用ホームページ

経産省 リサイクル関連
トップページ > 技術基準 > IEC-J60950 (情報機器) 構造の要求事項 >  エンクロージャ及びその他の構造に関する要求事項

PSEの手引き


トップページ法律(条文)電気用品の分類技術基準豆知識用語集その他/お問合せ