技術基準:J60950-1(情報機器) 制限電流回路・有限電源の要求事項
家庭用機器 
(IEC-J60335-1)

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(IEC-J60950-1)

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1.制限電流回路の一般要求事項
   
 【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.4.1項

  (1)通常動作状態及び単⼀故障時に、「制限電流回路の限度値」の要求事項を満足すること。

  (2)「制限電流回路から他の回路への接続」で許容する場合を除き、制限電流回路のアクセス可能な部分を
     他の回路から分離する場合、「SELV回路の要求事項」に従うこと。

  (3)アクセス可能な導電部⼜は他から⼆重絶縁⼜は強化絶縁で分離した回路で、⼀つ⼜は⼀群の抵抗器で橋絡する場合、
     制限電流回路として扱う。(「交流主電源と他回路間を⼆重絶縁・強化絶縁で橋絡する抵抗器」参照)

  (4)制限電流回路は、⼀次回路⼜は⼆次回路のいずれから電源供給を受けてもよい。


2.制限電流回路の限度値
   
 【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.4.2項

  (1)漏洩電流の規制値
     a)1kHz以下の周波数
        制限電流回路内の2点間⼜は制限電流回路内の1点と接地端⼦間に接続した抵抗器(無誘導性2000Ω±10%)を
        通して流れる定常電流値は、ピーク0.7mA⼜は直流2mAを超えないこと。

     b)1kHzを超える周波数
       周波数(kHz)に0.7mAを乗じた値⼜はピーク70mAのいずれか⼩さい⽅の値を超えないこと。

  (2)代替法
      抵抗器(無誘導性2000Ω±10%)の代わりに附属書D規定の測定器を⽤いる
      a)図D.1を⽤いる場合、電圧U2を測定し、500で除して電流を求める。
          計算値は、ピーク0.7mAを超えないこと。
         *制限電流回路の⽚側を保護接地に導電的に接続している場合、測定端⼦Bは接地側に接続することが
          望ましい。

      b)図D.2を⽤いる場合は、電流は、ピーク0.7mAを超えないこと。

      c)ピーク⼜は直流450V以下の部分の回路静電容量は、0.1μFを超えないこと。

      d)Uがピーク⼜は直流450Vを超えるが、ピーク⼜は直流15kV以下の部分の回路静電容量は45/UnFを超えない         キロボルト(kV)で表し、45/Uの限度値は、有効蓄積電荷45μCに相当する。

      e)電圧Uがピーク⼜は直流15kVを超える部分の回路静電容量は700U2 /nF以下であること。
        キロボルト(kV)で表し、700/U2の限度値は、有効エネルギー350mJに相当する。


3.制限電流回路から他の回路への接続
 
   【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.4.3項

  (1)他回路から電源供給を受けたり、他回路に接続する場合、次の全状態で、「制限電流回路の限度値」を満⾜すること。
      ・通常動作状態
      ・制限電流回路内のいかなるコンポーネント又は絶縁の単⼀故障
      ・制限電流回路が接続される回路のコンポーネント又は絶縁の単⼀故障

  (2)制限電流回路を⼀つ以上の回路に接続する場合、「制限電流回路の一般要求事項」に適合する部分が制限電流回路
     なる


4.有限電源
 
   【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.5項

  (1)有限電源は、次のいずれかに適合すること。
      a)電源固有の特性で、出⼒を表「過電流保護デバイスを備えていない電源の限度値」に適合するように
        制限すること。

      b)線形⼜は⾮線形インピーダンスで、表「過電流保護デバイスを備えていない電源の限度値」に適合するように
        出⼒を制限する。
        正の温度係数をもつデバイス(PTC デバイス)を⽤いる場合、次のいずれかであること。
          ・JIS C9730-1の箇条15、箇条17、J.15及びJ.17に規定する試験に合格する。
          ・JIS C9730-1のタイプ2.AL作動のデバイスの要求事項に適合する。

      c)レギュレーティング回路内⼜はIC電流制限器内で回路の開放・短絡を模擬する・模擬しないのいずれの場合も、        レギュレーティング回路⼜はIC電流制限器が表「過電流保護デバイスを備えていない電源の限度値」
        適合するように出⼒を制限すること。

        IC電流制限器が附属書CC「IC電流制限器の評価」規定の適切な試験プログラムに適合する場合、
        ⼊⼒~出⼒間の単⼀故障は適⽤しない。

      d)過電流保護デバイスを⽤い、出⼒を表「過電流保護デバイスを備えた電源の限度値」に適合する値に制限する
        過電流保護デバイスを⽤いる場合、その保護デバイスは、次のいずれかであること
          ・ヒューズ
          ・調節不可能で⾃動復帰しない電気機械式デバイス

表:過電流保護デバイスを備えた電源の限度値
出力電圧(Uoc)V  *a 出力電流(Isc)A
*b *d
皮相電力(S)VA
*c *d
過電流保護デバイスの定格電流 A
*e
交流 直流
20以下 20以下 1000/Uoc以下 250以下 5.0以下
20を超え30以下 20を超え30以下 100/Uoc以下
30を超え60以下 100/Uoc以下








           *a Uoc:・負荷回路全てを切り離した状態で、「試験電圧」に従って測定した出力電圧。
                ・実質上正弦波といえる交流及びリップルなしの直流である。
                ・非正弦波の交流及びリップルのピーク値が10%よりも大きい直流の場合、
                 ピーク電圧は42.4Vを超えてはならない。
           *b Isc:短絡を含むあらゆる非容量性負荷を用い、負荷を接続してから60秒後に測定した最大出力電流
           *c S :あらゆる非容量性負荷を用い、負荷を接続してから60秒後に測定した最大出力。
           *d 測定中、電流制限インピーダンスはそのまま残置するが、過電流保護デバイスはバイパスする。
           *e 過電流保護デバイスの定格電流は、表記載の定格電流値の210%に等しい電流で、
             120秒以内に回路を遮断するヒューズ及びサーキットブレーカに基づいて決める。

  (2)交流主電源で動作する有限電源⼜は負荷に供給しながら交流主電源で充電を⾏う電池駆動の有限電源は、
     絶縁変圧器が組み込まれていること。

  (3)⽬視検査、測定及び適切な場合は電池製造業者のデータ評価で判定する。

  (4)表「過電流保護デバイスを備えていない電源の限度値」及び表「過電流保護デバイスを備えた電源の限度値」
     従って、出⼒電圧Uoc及び出⼒電流Iscの測定をする場合、電池は⼗分に充電すること。

     表「過電流保護デバイスを備えていない電源の限度値」及び表「過電流保護デバイスを備えた電源の限度値」
     ⾮容量性負荷は、Isc⼜は⽪相電⼒Sが最⼤測定値になるように調整する。
     上記のIsc⼜はSの最⼤測定値のもとで、(1)c)項に従って要求されるレギュレーティング回路内で模擬した故障を
     適⽤する。



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