技術基準:J60335-1(家庭用機器) 電源接続
家庭用機器 
(IEC-J60335-1)

1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC

情報機器
(IEC-J60950-1)

1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC

AV機器
(IEC-J60065)

1.表示・説明書

2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC
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はじめに
  ここでは、電源接続について、次の内容で紹介します。
    1.固定配線に高級接続する機器の電源接続電線
    2.その他の機器の電源接続
    3.電源コード
    4.電源コードの取付
    5.電源コード引込部
    5.電源コード止め
    6.電源コードの押し込み試験


電源接続線

A.固定配線に恒久接続する機器の電源接続

  【適用規則】H27版:25.3項、25.4項、25.5項  3版H14:25.3項

1.次のいずれかの接続手段で主電源へ接続されていること。
  (1)可とうコードを接続するための一組の端子部 (コード止めも備えていること)
  (2)直付電源コード
      電源端子に10A以上流れる電源接続用口出し線(より線に限る)が有る場合は、次のいずれかに適合していること
        ・機器内又は機器に取り付けられた適切な仕切空間に納まっていること
        ・先端に棒状の端子をかしめてあり、差込接続器に接続できること
  (3)適切な仕切空間に納めた一組の電源接続用口出し線
  (4)26.6項規定の公称断面積をもつ固定配線用電線を接続するための一組の端子部
  (5)適切な電線・電線管接続を可能にする一組の端子部及び電線入口、電線管入口、ノックアウト又はグランド

2.次のいずれかを持つ場合は、機器を固定後に電源導体の接続ができること。
  (1)26.6項規定の公称断面積をもつ固定配線用電線を接続するための一組の端子部
  (2)適切な電線・電線管接続を可能にする一組の端子部及び電線入口、電線管入口、ノックアウト又はグランド
  (3)一部が取外せる固定型機器は、取外し・再組立時に次のことを満足すること。
      ・容易にできること。
      ・間違って組立られないこと
      ・配線に損傷が生じ無いこと
      ・電線端子又は絶縁物が損傷する恐れがある外力が加わらないこと。

3.定格電流が16A以下の機器のケーブル及び電線管入口は、次を満足すること。

表 ケーブル及び電線管の直径
芯線の数
(接地線を含む)
最大全径寸法(mm)
ケーブル 電線管
13.0 16.0
14.0 16.0
14.5 20.0
15.5 20.0

  (1)表:ケーブル及び電線管の直径規定の最大外径寸法を
       もつケーブル又は電線管であること。
  (2)別表第二附表第一及び附表第五の寸法に適合すること
  (3)電線管入口、ケーブル入口及びノックアウトは、
     電線管又は電線接続後、空間距離及び沿面距離
     規定値未満にならないこと

4.電源コードで給電される固定配線に恒久的に接続する多相機器の
  電源コードY形取付けであること




B.その他の機器の電源接続

  【適用規則】H27版:22.2項、22.4項、24.3項、25.1項、25.2項   3版H14:22.2項、22.4項、24.3項、25.2項

1.固定配線に恒久的に接続しない機器は、次のいずれか手段で電源接続されること。
   ・差込プラグ付電源コード
   ・機器に要求されるものと同等の耐湿性をもつ機器用インレット
   ・コンセントに直接差し込む電源刃

2.据置型機器は、次のいずれかの手段で、電源から全極遮断できること。
   ・プラグ付電源コード
   ・スイッチ(電源端子に直接接続し、過電圧カテゴリⅢの条件下で完全遮断できる全極分離接点をもっているもの)
   ・取扱説明書・据付説明書への固定配線に遮断装置を設けなければならない旨の記載
   ・機器用インレット

3.恒久接続する単相クラス0Ⅰ機器及び単相クラスⅠ機器で、電熱素子を電源から遮断する単極スイッチ及び単極保護装置は、
  相導体に接続されていること。

4.複数の電源をもつ据置型以外の機器は、主電源への複数の接続手段を持たないこと。

5.液体加熱機器及び過度の振動を発生する機器は、コンセントに直接差し込む電源刃があること





電源コード

A.電源コード

  【適用規則】H27版:25.9項、25.10項、25.11項、25.12項、25.20項  
        3版H14:25.9項、25.10項、25.11項、25.12項、25.20項


1.電源コードは、機器の尖った部分・尖った角に接触しないこと

2.クラスⅠ機器電源コードは、次を満足すること
  (1)緑/黄色の配色被覆をもつ電線を含んでいること。
  (2)機器の接地端子及び固定配線に恒久的に接続しない機器は、この被覆電線が差込プラグの接地極に接続されていること

3.接地線を付属するクラス0Ⅰ機器は、接地端子に接続する電線は緑/黄色の配色被覆をもつ電線であること

4.ばね端子を除き、接触圧力が加わる場合、次を満足すること
  (1)電源コード導体は、半田で束ねていないこと。但し、より線先端の半田仕上は除く。
  (2)締付ねじのみで固定されていないこと

5.電源コードを外郭の一部に成型する(埋め込む)場合、電源コードの絶縁が損傷しないこと。

6.Y形Z 形取付機器の電源コード絶縁体は、電源コードのシースなどで可触金属部から次の絶縁が確保されていること。
  但し、シースがない平形コードを用いる機器(クラス0機器)を除く。
  (1)クラス0クラス0Ⅰ及びクラスⅠ機器基礎絶縁
  (2)クラスⅡ機器
付加絶縁


B.電源コードの取り付け

  【適用規則】H27版:25.5項、25.6項、25.21項   3版H14:H27版:25.5項、25.6項、25.21項 

1.次のいずれかの方法で機器に取り付けられていること。
  (1)X形取付
      ・平形平行金糸コードは、特別に製作されたもの以外は、X形取付に使用されていないこと
      ・外部に接地端子があるクラス0Ⅰ機器の接地線は、電気工事者が接続するものを除きX形取付とみなす
  (2)Y形取付
  (3)Z形取付( 第2 部の個別規格で認めている場合のみ)

2.対象・非対象事例
  (1)電源コードと一体になっていない接地用電線は、電源コードとみなさない。
  (2)接地用電線を引き出したクラス0Ⅰ機器の接地用電線にも適用する

3.電源プラグに複数の可とうコードが取り付けられていないこと

4.X形取付機器・固定配線に接続する機器で、26.6項規定の公称断面積をもつ電線又は可とうコード取付後、次を満足すること
  但し、次の機器は除く
    ・器体内部から接地用口出し線を引き出すクラス0Ⅰ機器の構造
    ・外部に接地端子を備えるクラス0Ⅰ機器の構造

  (1)カバー取付前に、電源電線が正しい位置にあり、正しく接続されているかを調べられること。
  (2)導体又はその絶縁物を損傷することなく、カバー取付ができること。
  (3)可搬形機器の絶縁を施していない導体端末部は次を満足すること。
      ・端子から外れたときに、可触金属部に接触しないこと
      ・固定ねじ・ナットを順次緩め、端子近傍で導体に対しあらゆる方向に2Nの力を加えた後、可触金属部に
       接触しないこと。
       但し、ピラー端子で、端子から30mm以下のところで電源コードをコード止めなどで固定する場合を除く




C.電源コード引込部

  【適用規則】H27版:25.13項、附属書B:25.13項追加  3版H14:25.13項、25.13.1項、25.13.2項、附属書 B25.13.2項

1.コード引込部の開口は、電源コードの被覆・シースに損傷の危険がない構造であること。
  (1)コードリールなどのように開口部が面取りしてあり、電源コードにストレスを与えないこと
  (2)上記(1)項以外で開口部の外郭が絶縁材料でない場合は、29.3項:付加絶縁に適合する「着脱できない裏打ち」、
     「着脱できないブッシング」であること
  (3)コード引込口のブッシングは、着脱できる部品でないこと。
  (4)電源コード導体~機器外郭間の絶縁は、導体の絶縁物と次のもので構成されていること
(3版H14のみ適用)
      ・クラス0機器  1以上の独立した絶縁
      ・その他の機器  2以上の独立した絶縁
  (5)独立した絶縁は、次のいずれかで構成されていること 
(3版H14のみ適用)
      ・ 別表第一又はIEC60227・IEC60245に適合するコードのシース同等以上の電源コードのシース
      ・29.2項:付加絶縁に適合する絶縁物製の裏打ち又はブッシング
  (6)安全超低電圧の相互接続コードには適用しない。
(3版H14のみ適用)

2.クラス0機器を除き、電源コードにシースがない場合は、更に同様の追加ブッシング又は裏打ちがあること。

3.機器内部の充電池を電源とする機器及び分離可能な電源ユニットで、クラスⅢ機器又は充電部を含まないクラスⅢ構造
  相互接続コードには、追加の裏打ち又はブッシングは必要ない。



D.電源コード止め

  
【適用規則】H27版:22.15項、25.15項、25.16項、25.18項、25.19項   
        3版H14:22.15項、25.15項、25.16項、25.18項、25.19項


1.可とうコード用巻付けフック類は、滑らかで十分な面取りがされていること

2.電源コード付機器、可とうコードで固定配線に恒久的に接続する機器は、次を満足すること
   【適用外】
     ・機器内部から引き出されているクラス0Ⅰ機器の接地用口出し線
     ・外部に接地端子を備えるクラス0Ⅰ機器の接地線
  (1)コード止めをもっていること
  (2)コード止めは、端子部で導体にねじれを含む張力が加わらず、導体の絶縁物を摩耗させないこと
 
3.コード止めは、次を満足すること
  (1)工具を用いたときにだけ、触れることができること
  (2)工具を用いたときにだけ、コードを取り付けることができること

4.X型取付機器のコード止めは次を満足すること。
  (1)コード交換が容易にできること。
  (2)張力及びねじれ防止方法が明確であること。
  (3)接続可能な各種電源コードに対して適切であること。(特別に製作したコードを除く)
  (4)コード止め締付ねじに触れることができる場合、コードがねじに接触しないこと。
     (付加絶縁で可触金属部から絶縁してあるものを除く)
  (5)直接接触する金属ねじでコードを締め付けないこと。
  (6)コード止めの1か所以上を機器に確実に固定すること。(特別に製作したコードの一部であるものを除く)
     (例1) コード止めを確実に取付けた埋込みボルトにナットを締め加圧する1 個以上の締付固定具は、
         締付固定具を植込みボルトから取外せても、確実に固定しているとみなす
     (例2) 別々のナット又1 個以上のねじをねじ止めする締付固定具を加圧する場合、確実に固定しているとみなさない
         但し、締付固定具の1 本が機器に固定してあるか又は機器外面が絶縁物製で、締付固定具の一つであることが
         明らかな形状は、確実に固定しているとみなす。
  (7)コード交換時に動かす必要があるねじは、他部品の取付けと兼用しないこと。但し、次の場合を除く
     ・ねじ取外し後又は部品を間違った位置に取付けた時に、動作しなくなる等明らかに不完全であることが分かる場合。
     ・ねじ締付部分が、コード交換時に、工具を用いずに取外すことができない場合。
  (8)クラス0クラス0Ⅰ及びクラスⅠ機器のコード止めは、絶縁物製又は絶縁裏打ちが施されていること。
     但し、コードに絶縁不良が生じても可触金属部が充電部にならない場合を除く。
  (9)クラスⅡ機器で、絶縁物製又は金属製コード止めは、付加絶縁で可触金属部から絶縁されていること
  (10)可搬形機器は、次を満足すること
       ・グランドをコード止めとして使用しないこと。
       ・コードに結び目を作ったり、ひもで結んだりしないこと




E.電源コードの押し込み試験

  【適用規則】H27版:25.15項、25.16項、25.17項   3版H14:25.15項、25.16項、25.17項

1.試験対象
表 電源コード押込み試験の引張力・トルク
機器の重量
(kg)
引張力
(N)
トルク
(Nm)
1以下のもの 30 0.1
1を超え4以下のもの 60 0.25
4を超えるもの 100 0.35
  (1)電源コード付機器
  (2)可とうコードで固定配線に接続したままの機器
  (3)X形Y形Z 形取付機器

2.試験条件
  (1)引張力、トルクは表:電源コード押込み試験の引張力・トルクに従う
  (2)X形取付機器は次のとおりとする。
      ・表13規定の最小公称断面積をもつコードのうち、
       使用できる最もグレードが低いもの、次にグレードが高いものを使用する
       但し、特別に製作したコードを取り付ける機器は、指定コードを用いる
      ・導体を端子に引き込み、位置が容易に変わらない強さで端子ねじを締め付けた後、
       28.1項:ネジ接続規定の3分の2のトルクで、コード止めの締付けねじを締め付ける。
      ・コードに直接接触する絶縁物製ねじは、表:試験用ねじ及びナットに加えるトルクⅠ欄規定の3分の2のトルクで
       締め付ける。ねじ頭の溝長さは、ねじの公称直径とする
  (3)Y形Z 形取付機器は、機器に取り付けたコードを用いる

3.試験方法
  (1)コード止めから約20mm箇所に印をつける
  (2)規定引張力を急に加えないように注意しながら、最も不利となる方向に1秒間加える。
  (3)25回繰り返し行う。
  (4)コード(自動式巻取り機構を除く)のできるだけ機器に近いところに、規定トルクを1分間加える。
  (5)規定引張力を再度加えたときの印の変位量を測定する

4.判定基準
  (1)コードが損傷せず、端子に明らかに試験用張力が伝わらないこと
  (2)長さ方向に2mmを超える変位がないこと。
  (3)導体は、端子内で1mmを超えて動かないこと
  (4)X形取付機器で、ラビリンス(迷路)をバイパスできる形状のものは、その形状が破壊しないこと


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