家庭用機器 (IEC-J60335-1) |
1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC
情報機器 (IEC-J60950-1) |
1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC
AV機器 (IEC-J60065) |
ここでは、沿面距離について、次の内容で説明します。
1.沿面距離全般
2.絶縁の種類
(1)基礎絶縁
(2)付加絶縁
(3)強化絶縁
(4)機能絶縁
沿面距離全般 |
A.共通事項
【適用規格】H27版:29.2項 3版H14:規定なし
1.材料グループ及び汚損度を考慮し、その動作電圧に対応した規定値以上になること。
2.中性極に接続する部分の動作電圧は、相に接続した部分と同じであり、基礎絶縁の動作電圧とする
3.汚損度は、以下のとおりとする。
(1)基本的には汚損度2を適用する。
(2)絶縁保護に対する予防措置がある場合、汚損度1を適用する。
(3)導電性の汚れを伴う絶縁は、汚損度3を適用する。
B.測定条件
【適用規格】 H27版:29.2項 3版H14:規定なし
1.締めた時に様々な向きにできる六角ナットのような部分及び可動部は、最も不利な位置にする
2.電熱素子を除く裸導体及び可触表面に空間距離を減少させるように、JIS C0922の検査プローブBで力を加える
・裸導体:2N、可触表面:30N
3.材料グループと比較トラッキング指数は、次のとおりとする。
(1)JIS C 60664-1 の4.8.1.3 に従い、材料をCTI値によって4種類のグループに分類する。
材料グループⅠ : 600 ≦ CTI
材料グループⅡ : 400 ≦ CTI < 600
材料グループⅢa : 175 ≦ CTI < 400
材料グループⅢb : 100 ≦ CTI < 175
(2)CTI値が不明の場合は、附属書Nに従った保証トラッキング指数試験を、規定のCTI値で行う。
4.二重絶縁システムでは、基礎絶縁及び付加絶縁の両方の動作電圧は、完全な二重絶縁システムを横断する動作電圧とする。
基礎絶縁及び付加絶縁の厚さ及び誘電率に従って分割する必要はない。
絶縁の種類 |
A.基礎絶縁
【適用規格】H27版:29.2.1項 3版H14:規定なし
1.次を満足すること
(1)表:基礎絶縁の最小沿面距離の規定値以上であること。
(2)動作電圧の周波数が30kHzを超える場合、JIS C60664-4表2が表:基礎絶縁の最小沿面距離の数値を超える場合は、
表:基礎絶縁の最小沿面距離の数値に代えて用いること
2.表:基礎絶縁の最小空間距離の最小距離以上であること。
但し、14項の試験を特別な空間距離を判定するために行った場合の汚損度1の絶縁は、表:最小空間距離を適用しない
沿面距離 (単位:mm) | |||||||
汚損度 | 1 | 2 | 3 | ||||
動作電圧 (V) | 材料グループ | 材料グループ | |||||
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | ||
50以下 | 0.18 | 0.6 | 0.85 | 1.2 | 1.5 | 1.7 | 1.9 |
125 | 0.28 | 0.75 | 1.05 | 1.5 | 1.9 | 2.1 | 2.4 |
250 | 0.56 | 1.25 | 1.8 | 2.5 | 3.2 | 3.6 | 4.0 |
400 | 1.0 | 2.0 | 2.8 | 4.0 | 5.0 | 5.6 | 6.3 |
500 | 1.3 | 2.5 | 3.6 | 5.0 | 6.3 | 7.1 | 8.0 |
630を超え800以下 | 1.8 | 3.2 | 4.5 | 6.3 | 8.0 | 9.0 | 10.0 |
800を超え1000以下 | 2.4 | 4.0 | 5.6 | 8.0 | 10.0 | 11.0 | 12.5 |
動作電圧1000Vを超える場合は、掲載していません
動作電圧が50V以下の場合のみ、汚損度3の材料グループIIIbを許容する。
50V~630V以下の規定されていない動作電圧の沿面距離は、内挿法で決定してもよい。
*1:ラッカ塗料を施した巻線導体は裸導体とみなす。
但し、二重絶縁を構成する基礎絶縁を除いて、沿面距離は表:最小空間距離の規定値より
大きくする必要はない。
*2:ガラス、磁器及びトラッキングを起こさない無機材料の沿面距離は、関連する空間距離より
大きくする必要はない。
*3:絶縁変圧器の2次側の回路を除いて、動作電圧は機器の定格電圧以上とみなせる。
B.付加絶縁
【適用規格】H27版:29.2.2項 3版H14:規定なし
1.次のいずれかを満足すること
(1)表:基礎絶縁の最小沿面距離の基礎絶縁の規定値以上であること
(2)周波数が30kHzを超える場合、JIS C 60664-4表2の基礎絶縁の規定値以上であること。
但し、表:基礎絶縁の最小沿面距離の*2は適用しない。
C.強化絶縁
【適用規格】H27版:29.2.3項 3版H14:規定なし
1.次のいずれかを満足すること。
(1)表:基礎絶縁の最小沿面距離の基礎絶縁の規定値の2倍以上であること
(2)周波数が30kHzを超える場合、JIS C 60664-4表2 の基礎絶縁の規定値の2倍以上であること。
但し、表:基礎絶縁の最小沿面距離の*2は適用しない。
D.機能絶縁
【適用規格】H27版:29.2.4項 3版H14:規定なし
1.次を満足すること
(1)表:機能絶縁の最小沿面距離の規定値以上であること。
沿面距離 (単位:mm) | |||||||
汚損度 | 1 | 2 | 3 | ||||
動作電圧 (V) | 材料グループ | 材料グループ | |||||
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | ||
10以下 | 0.08 | 0.4 | 0.4 | 0.4 | 1.0 | 1.0 | 1.0 |
50 | 0.16 | 0.56 | 0.8 | 1.1 | 1.4 | 1.6 | 1.8 |
125 | 0.25 | 0.71 | 1.0 | 1.4 | 1.8 | 2.0 | 2.2 |
250 | 0.42 | 1.0 | 1.4 | 2.0 | 2.5 | 2.8 | 3.2 |
400 | 0.75 | 1.6 | 2.2 | 3.2 | 4.0 | 4.5 | 5.0 |
500 | 1.0 | 2.0 | 2.8 | 4.0 | 5.0 | 5.6 | 6.3 |
630を超え800以下 | 1.8 | 3.2 | 4.5 | 6.3 | 8.0 | 9.0 | 10.0 |
800を超え1000以下 | 2.4 | 4.0 | 5.6 | 8.0 | 10.0 | 11.0 | 12.5 |
動作電圧1000Vを超える場合は、掲載していません。
動作電圧が50V以下の場合のみ、汚損度3の材料グループIIIbを許容する。
380~415Vの範囲の定格電圧をもつ機器の相間動作電圧は、400V欄を用いる
*1 PTC電熱素子
動作電圧250V未満の汚損度1及び2のPTC材料表面の沿面距離は、該当する空間距離より
大きくする必要がない。但し、端子間沿面距離は、この表の規定値とする。
*2 ガラス、磁器及びトラッキングを起こさない無機材料の沿面距離は、該当する空間距離より
大きくする必要がない。
*3 汚損度1及び2状態のプリント回路板のトラックは、JIS C60664-1表F.4に規定する数値を適用する
動作電圧100V以下は、100Vの規定値を下回ってはならない。
*4 10V~630V以下の規定されていない動作電圧の沿面距離は、内挿法によって決定してもよい。
(2)周波数が30kHzを超える場合、JIS C 60664-4表2が表:機能絶縁の最小沿面距離の数値を超える場合は、
表:機能絶縁の最小沿面距離の数値に代えて用いること
2.機能絶縁短絡時に、19項(異常試験)に適合する場合は、最小沿面距離は適用しない。