家庭用機器 (IEC-J60335-1) |
1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC
情報機器 (IEC-J60950-1) |
1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC
AV機器 (IEC-J60065) |
ここでは、使用部品に要求されている事項について説明します。
1.使用部品全般に関する要求事項
2.電気部品に関する要求事項
3.難燃性部品に関する要求事項
使用部品全般に関する要求事項 |
A.一般事項
【適用規格】JIS C6065:2019 8.1項、8.3項、9.1.1.3項、14.6.1項
1.ラッカー、溶剤ベースのエナメル、普通紙、未処理の繊維、酸化フィルム⼜はビーズだけで覆った導電部は裸とみなす。
2.危険な活電部の絶縁に使用する材料は、吸⽔性が無いこと。疑義がある場合は、次の試験を行う
(1)JIS C2140箇条9に従い、温度40±2℃及び相対湿度90〜95%で、4⽇間(96時間)前処理を行う
(2)前処理後1分以内に10.4項の耐電圧試験を行い適合すること。(10.3項の湿度処理は不要)
3.保護デバイスは、次を満足すること。
(1)定格値に従っていること
(2)保護デバイス等が開放状態になったときに、その両端にかかる電圧に対して、箇条13(空間距離及び沿面距離)規定の
基礎絶縁に適合すること
B.部品確認方法
【適用規格】なし
1.部品単体の要求事項を部品単体試験によって確認するのではなく、安全規格の要求事項に適合している認定部品であるかを
仕様書等で確認することが必要です。具体的には、次のような内容を確認します。
(1)使用している部品の名称
(2)部品のメーカー名
(3)部品の形名
(4)適合安全規格基準
(5)認定検査機関の適合マークの表示の有無
2.特に重要な部品は、安全重要部品(クリティカルコンポーネント)として明確に管理することが必要です。
電気部品に関する要求事項 |
A.主電源可とうコード
【適用規格】JIS C6065:2019 16.1項、16.2項
1.主電源可とうコードは、次のものが使用されていること。
(1)次のいずれかに適合するシース付きのものであること。
・合成ゴムコード:JIS C 3663の規格群
・PVC製 :JIS C 3662の規格群
(2)上記コードと同等以上の電気機械的特性及び⽕災に対する安全特性をもつ可とうコード
(別表第⼀に適合するシース付き電源コード)を⽤いてもよい。
2.クラスⅠ機器の⾮着脱式可とうコード等は、次を満足すること。
(1)緑及び⻩の芯線を備え、機器の保護接地端⼦に接続されていること
(2)主電源プラグ付きは、更に、主電源プラグの保護接地接点にも接続されていること。
3.クラス0Ⅰ機器の主電源プラグの先に付ける接地⽤⼝出し線は、緑及び⻩の線で⻑さは10cm以上あること
機器の定格電流(A) a) | 公称断面積(mm2) |
6以下 | 0.75 |
6を超え10以下 | 1 |
10を超え16以下 | 1.5 |
4.電源供給コードの導体が、JIS C 3662又は3663の
規格群に適合する場合、右表規定の公称断⾯積以上で
あること。
その他の基準に適合する電源供給コードの導体は、
関連する配線規定に適合すること。
(例)別表第⼀に適合するシース付き電源コードは、 別表第四の1(共通の事項)の a)定格消費電流には、他の機器に主電源電力を供給するための
(3)(部品及び附属品)イ(ハ)に適合する場合 コンセントから取り出せる電流を含む
この細分箇条の要求事項に適合するとみなされている
B.相互接続用可とうコード
【適用規格】JIS C6065:2019 16.3項、16.4項
1.A項(主電源可とうコード)に適合しない可とうコードで、機器の相互接続に⽤い、危険な活電導体を含むものは、
次を満足すること。
(1)耐電圧試験
・⻑さ約1mのサンプルで、絶縁等級に応じて10.4.2項規定の耐電圧試験を行う。
・個々の導体絶縁に対して試験する。
・付加絶縁(例:⼀群の導体の回りのスリーブ)
スリーブに差し込んだ導体とスリーブにしっかり巻き付けた長さ100mm以上の⾦属はく間で試験する。
絶縁特性がA項:主電源可とうコードに適合する電源供給コードを機器内部で⽤いる場合、
外部電源供給コードの延⻑や別ケーブルであっても、シースは適切な付加絶縁と判断する。
可とうケーブル コードの直径 (mm) |
おもりの重量 (kg) |
プーリの直径 (mm) |
6以下 | 1.0 | 60 |
6を超え12以下 | 1.5 | 120 |
12を超え20以下 | 2.0 | 180 |
(2)曲げ等の機械的ストレス試験
・右表を適⽤することを除き、JIS C 3662-2の3.1
(可とう性試験)規定の試験を行う。
・キャリヤは、15000回往復させる(30000回動作)
・導体間の電圧Uは、10.4項規定の試験電圧で、
耐電圧試験に耐えること
2.機器相互間接続⽤可とうコードの導体は、
通常動作状態及び故障状態で、絶縁部の温度上昇が、「表:機器の各部の許容温度上昇」規定の該当欄の値を超えないこと
C.スイッチ、電圧切替器、ネジ端子、ヒューズホルダ
【適用規格】JIS C6065:2019 7.2項
1.対象機器
通常動作状態で定常電流が0.2Aを超える機器
2.関連する IEC規格、IEC規格に整合したJIS規格、箇条14⼜は箇条15で使⽤に適合する部品を使用すること。
D.抵抗器、コンデンサ、RCユニット
【適用規格】JIS C6065:2019 8.5項、8.7項、8.20項、14.2項
1.次の絶縁を橋絡している抵抗器、コンデンサ及びRCユニットは、14.3.2a)項の要求事項(Y2・Y4コンデンサ)に適合し、
エンクロージャ内に配置されていること
(1)基礎絶縁、二重絶縁又は強化絶縁を橋絡している抵抗器。
(2)危険な活電部~保護接地端⼦に接続した可触導電部間の基礎絶縁を橋絡しているコンデンサ又はRCユニット
(3)同一定格(仕様)を2個直列に使用し、二重絶縁又は強化絶縁を橋絡しているコンデンサ又はRCユニット
2.次の絶縁を橋絡しているコンデンサ及びRCユニットは、14.3.2b)項の要求事項(Y1・Y2コンデンサ)に適合し、
エンクロージャ内に配置されていこと
(1)二重絶縁又は強化絶縁
3.主電源に導電的に接続したスイッチの接点ギャップを橋絡する抵抗器、コンデンサ⼜はRCユニットは、本要求事項⼜は
14.3.3項(コンデンサ・RCユニット)に適合すること。
4.危険な活電部と可触導電部間に接続した抵抗器の終端間の空間・沿面距離は、箇条13(空間距離及び沿面距離)の
強化絶縁に適合すること
E.コンデンサ、RCユニット
【適用規格】JIS C6065:2019 14.3.2項、14.3.3項、14.3.4項、14.3.6項
1.コンデンサ等は、次の条件で使用されていること。
(1)サブクラスY1、Y2は、定格主電源電圧が⼤地⼜は中点に対して150Vを超え250V以下の機器に使用されていること。
(2)サブクラスY4は、定格主電源電圧が⼤地⼜は中点に対して150V以下の機器だけに使用されていること。
(3)サブクラスX1は、公称電圧が⼤地⼜は中点に対して150Vを超え250V以下の主電源に接続する恒久接続機器に
使用されていること。
(4)サブクラスX2は、その他の⽤途に⽤いてもよい。
(5)サブクラスX1⼜はX2の代わりに、サブクラスY2を⽤いてもよい。
(6)150V以下で⽤いる場合、サブクラスX2の代わりにサブクラスY4を⽤いてもよい。
2.次の箇所に使用するコンデンサ等は、指定のサブクラスのものを使用すること。
(1)主電源に直接接続した終端をもつコンデンサ等は、サブクラスX1⼜はX2であること。
(2)主電源周波数の出⼒をもつ変圧器⼆次側巻線間に使用するコンデンサ等は、短絡時の過熱に関する要求事項に
適合しなくなる場合、サブクラスX2であること
(3)短絡・切断により、故障状態下での感電の危険に対する要求事項に適合しなくなるコンデンサ等は
サブクラスYであること。
3.耐燃性カテゴリ(JIS C5101-1 4.38)は、次のとおりとする。
(1)短絡時の短絡回路に流れる電流が0.2Aを超える回路に⽤いる体積が1750mm3を超えるコンデンサ等は、
耐炎性カテゴリB以上であること。
潜在的発火源の開路電圧 交流(ピーク)又は直流 (V) |
潜在的発火源の下方又は横方向にあるコンデンサ又はRCユニット迄の距離が下欄の値未満 a) (mm) |
潜在的発火源の上方にあるコンデンサ又はRCユニット迄の距離が下欄の値未満 a) (mm) |
JIS C5101に基づく 耐炎性カテゴリ |
50を超え4000以下 | 13 | 50 | B |
4000を超え | 20.3項による |
(2)潜在的発⽕源と体積が1750mm3を
超えるコンデンサ等との距離が
右表規定値の場合、規定の
耐炎性カテゴリ以上であること
・潜在的発⽕源から20.2.5規定の バリアで遮蔽する場合、
耐炎性の要求事項は適⽤しない
・⾦属製ケースをもつ
コンデンサ等は、適⽤しない。 a)図13参照
・ケース上の薄いコーティング・チューブは無視する。
F.高電圧部品
【適用規格】JIS C6065:2019 14.5.1項、14.5.2項、14.5.3項
1.対象部品
20.2.4項(プリント配線板)規定のカバーをしていない次の部品を対象とする
・4kV(ピーク)を超える電圧で動作する部品
・過電圧防⽌のために設けた放電ギャップ
2.次のいずれかを満足すること。
・V-1に適合すること
・本項目に適合すること。
3.試験条件
(1)変圧器及び高電圧マルチプライヤの試験数は3個、その他は1個とする
(2)4項記載の前処理ができないように設計されている変圧器は、5項:燃焼性試験のみを行う。
(3)⾼電圧マルチプライヤが短絡電流25mAを得ることができないように設計されている場合は、マルチプライヤの設計上
⼜は特定機器でのその使⽤状態のいずれかで決まる最⼤到達電流値に相当する前処理電流を⽤いる。
(4)高電圧組立品、その他の高電圧部品は、5項:燃焼性試験のみを行う
4.前処理
(1)変圧器
・最初に10Wの電⼒(直流⼜は主電源周波数の交流)を⾼電圧巻線に加え2分間保持し、その後2分間隔で
10Wずつ40Wまで増加させる。(合計8分間)
・巻線の切断又は保護カバーに視認できる割れ⽬が発⽣した場合は直ちに終了する。
(2)⾼電圧マルチプライヤ
・出⼒回路を短絡し、短絡回路の初期電流が25±5mAになるように、適切な高電圧変圧器からの入力電圧を調節し、
30分間保持する
・回路の切断又は保護カバーに視認できる割れ⽬が発⽣した場合は直ちに終了する。
5.燃焼性試験
G.1.2項規定の燃焼性試験を⾏う
G.サーマルカットアウト
【適用規格】JIS C6065:2019 14.6.2.2項
1.次のいずれか⼀つに適合すること。
(1)部品単体として試験する場合、IEC 60730規格群に適合すること。
(2)機器の⼀部として試験する場合、次の全てに適合すること。サンプル数は3個とする。
・IEC 60730-1規定のマイクロ断路をもち、IEC 60730-1の13.2規定の耐電圧試験に耐えること。
・機器の故障が継続した場合、接点の開放を妨げないトリップフリー機構をもつこと。
・周囲温度35℃で通常動作させたときの部品周囲温度で、300時間エージングする。
・関連する故障状態を発⽣させて、部品単体のサーマルカットアウトの試験を規定する2項規定のサイクル数の
⾃動動作を⾏う。
判定基準は、次のとおりとする。
・試験中に持続するアークが発⽣しないこと。
・試験後、この規格に不適合となる損傷がないこと。
特に外郭の劣化、空間・沿面距離の減少、電気的接続⼜は機械的固定の緩みが起きないこと
2.部品単体として試験する場合は、次のとおりとする。
(1)サーマルカットアウトには、次を適⽤する。
・タイプ2作動(IEC 60730-1の6.4.2(タイプ2作動)参照)である。
・少なくともマイクロ断路(タイプ2.B)(IEC 60730-1の6.4.3.2及び 6.9.2参照)をもつ。
・故障が継続した場合、接点の開放を妨げないトリップフリー機構(タイプ2.E)(IEC 60730-1の6.4.3.5 参照)を
もつ。
・⾃動作動のサイクルは、次のサイクル数以上であること
・機器がスイッチオフ時に、スイッチオフしない回路に⽤いる⾃動復帰形は3000 サイクル
(IEC 60730-1の6.11.8参照)
・機器と共にスイッチオフする回路に⽤いる⾃動復帰形、機器外部から⼿で復帰する⾮⾃動復帰形は300サイクル
(IEC 60730-1の6.11.10参照)
・⾮⾃動復帰形で、機器外部から⼿で復帰できないものは、30サイクル(IEC 60730-1の6.11.11参照)
・⻑時間(IEC 60730-1の6.14.2参照)の電気的ストレスが絶縁部にかかるよう設計したものとして試験する
・10000時間(IEC 60730-1の6.16.3 参照)以上の意図した使⽤に対するエージング要求事項に適合する。
・10.4規定の耐電圧に適合する。ただし、接点遮断間は除く。
終端部と接点の接続リード線間は、IEC 60730-1の13.2規定に適合すること。
(2)次の特性は、通常動作状態及び故障状態の下での機器の使⽤に対して適切であること
・定格(IEC 60730-1の箇条5(定格)参照)
・電源の種類(IEC 60730-1の6.1(電源の性質による分類)参照)
・制御される負荷のタイプ(IEC 60730-1の6.2(制御装置の各回路によって制御される負荷の種類による分類)参照)
・固体物質及びほこりの侵⼊に対する外郭による保護等級(IEC 60730-1の6.5.1参照)
・⽔の有害な浸⼊に対する外郭による保護等級(IEC 60730-1の6.5.2参照)
・適する汚損の状態(IEC 60730-1の6.5.3参照)
・最⾼周囲温度の限度値(IEC 60730-1の6.7(スイッチヘッドの周囲温度限度値による分類)参照)
H.温度ヒューズ
【適用規格】JIS C6065:2019 14.6.2.3項
1.次のいずれか⼀つに適合すること。
(1)部品単体として試験する場合、IEC 60691:2002⼜はJIS C 6691に適合するか、同等以上の特性をもつこと。
・別表第三及び別表第⼗⼆に適合する温度ヒューズは、同等以上の特性をもつとみなす
・温度ヒューズの特性は、通常動作状態及び故障状態の下で適切であること
・温度ヒューズの耐電圧は、10.4項規定に適合すること。但し、切断部(接続部)間は除く。
終端部と接点の接続リード線間は、JIS C 6691の10.3(耐電圧)に適合することでもよい。
(2)機器の⼀部として試験する場合、次の全てに適合すること。
【試験方法】
・周囲温度35℃で、機器を通常動作させたときの温度ヒューズの周囲温度で、300時間エージングする。
・温度ヒューズ動作の原因となる機器の故障状態を起こさせる。
【判定基準】
・試験中、持続性があるアークが発⽣せず、この規格に不適合となる損傷がないこと
・遮断した部分間の2倍の電圧に耐え、かつ、絶縁抵抗は、遮断した部分間の電圧の2倍で測定したとき0.2MΩ以上で
あること。
【試験条件】
・試験は3回⾏う。
・各試験ごとに、温度ヒューズは部分的⼜は完全に交換する。
交換できない場合、温度ヒューズを含む完全な構成部分(例:変圧器)を交換する
I.熱遮断装置
【適用規格】JIS C6065:2019 14.6.2.4項
1.対象部品
半田付けで復帰することを意図した熱遮断装置 (例:外部から電⼒形の抵抗に組み付けたサーマルリリース)
2.試験条件
(1)14.6.2.3b)項規定(温度ヒューズ)の試験を行う。
(2)動作後に遮断装置を交換せず、取扱説明書に従って復帰するか指⽰がない場合は、Sn60Pb40の標準のすず・鉛半田で
半田付けする
J.ヒューズ、ヒューズホルダー
【適用規格】JIS C6065:2019 14.6.3.1項、14.6.3.2項、14.6.3.3項、14.6.3.4項
1.主電源に直接接続した部分にあるヒューズは、JIS C 6575の規格群に適合するか⼜は同等以上の特性をもつこと
(別表第三に適合するヒューズは、同等以上の特性をもつとみなされている)
2.ヒューズホルダ⼜はヒューズ近傍に、次の順に表示があること。
(1)相対的溶断時間-電流特性を⽰す記号 F:速断形 T:タイムラグ形 ○A:A種 ○B:B種。
(2)定格電流。1A未満はミリアンペア、1A以上アンペアで表示する
(3)遮断容量を⽰す記号 L:低遮断容量 E:中遮断容量 H:⾼遮断容量
(例)T315L、T315mAL F1.25H、F1.25AH
(4)誤って、より低い定格電圧のヒューズを装着する可能性がある場合、ヒューズの電圧定格。
3.どのヒューズホルダに対する表⽰か明白な場合、機器内⼜は機器上のどこに表⽰があってもよい。
4.JIS C 6575規格群と同等以上の特性をもつヒューズ(例:別表第三に適合するヒューズ)が、電流値及びA種⼜はB種の
溶断特性をもつ場合は、○A、○Bの記号が表示されていること。
5.同じ回路で並列に接続できるように設計したヒューズホルダが、⽤いられていないこと。
6.次の構造を満足すること。
(1)交換中に、危険な活電部へ⼿が接近できないこと。
(2)ねじ込み式⼜は差込み式⼩形カートリッジヒューズ⽤のヒューズホルダで、機器外部から⼿でキャップを取外して
交換できるものは
・ヒューズ挿⼊、取外し、取外し後の全てにおいて、危険な活電部に接触できないこと。
・ヒューズホルダのキャップがヒューズを固定する構造は、試験中ヒューズをキャップに取り付けておく。
・IEC 60127-6適合ヒューズホルダは、この要求事項に適合するとみなす。
K.その他の保護デバイス
【適用規格】JIS C6065:2019 14.6.4項、14.6.5項
1.PTCサーミスタは、次を満足すること。
(1)IEC 60730-1箇条15、箇条17、J.15及びJ.17規定⼜はIEC 60730-1タイプ2.ALのデバイスに適合すること。
(2)周囲温度25℃で、定格ゼロ電⼒抵抗に対して消費電⼒が15Wを超えるPTCサーミスタの充塡剤⼜はチューブは、
V1以上の燃焼性があること。
JIS C 60695-11-10⼜はG.1.2の規定に基づいて判定する。
2.ヒューズ抵抗器、JIS C 6575の規格群で標準化されていないヒューズ、⼩形のサーキットブレーカは次を満足すること。
(1)その他の保護デバイスは、⼗分な遮断容量を持つこと
(2)復帰できない保護デバイスは、正しく交換ができるように、近傍に適切な表⽰があること
(3)故障状態の下で3回試験を行い、不適合が発生しないこと(11.2項参照)。
L.手動式機械スイッチ
【適用規格】JIS C6065:2019 14.7.1項
1.対象スイッチ
・交流(実効値)⼜は直流0.2Aを超える電流を制御するもの
・開状態のスイッチ接点間の電圧が交流35V(ピーク)⼜は直流24Vを超えるもの
2.次のいずれかに適合すること。
(1)単独部品として試験するスイッチは、JIS C 4526-1に適合すること。
(2)機器の⼀部として試験するスイッチは、14.7.2、14.7.5、20.2.5及び以下の4項に適合すること。
3.単独部品として試験するスイッチの要求事項
(1)JIS C 4526-1の適用試験条件。
・動作サイクルは10000回(JIS C 4526-1の7.1.4.4参照)
・通常の汚損状態での使⽤に適する(JIS C 4526-1の7.1.6.2参照)
・ブラウン管テレビジョンに組込む交流⼜は直流の主電源スイッチは、接点の開閉速度は、操作の速度に依存しない。
・主電源スイッチは燃焼性分類V0⼜はG.1.1項規定に適合する。
(2)次の特性は、通常動作状態の下でのスイッチ機能に適切であること。
・定格(JIS C 4526-1の6(定格)参照)
・電源の種類(JIS C 4526-1の7.1.1(電源の種類による分類)参照)
・制御される負荷のタイプ(JIS C 4526-1の7.1.2(スイッチの各回路で制御する負荷の種類による分類)参照)
・周囲温度(JIS C 4526-1の7.1.3(周囲温度による分類)参照)
(3)他機器に電源供給する主電源コンセントを制御する主電源スイッチは、接続される負荷の合計定格電流及び
ピークサージ電流を考慮すること。
M.機器の一部として試験するスイッチ
【適用規格】JIS C6065:2019 14.7.1項、14.7.2項、14.7.3項、14.7.4項
1.機器の⼀部として試験するスイッチの要求事項。
(1)交流(実効値)⼜は直流0.2Aを超える電流を制御するスイッチで、開放状態でのスイッチ接点間電圧が
交流35V(ピーク)⼜は直流24Vを超えるものは、14.7.3及び14.7.4規定に適合すること。
(2)交流(実効値)⼜は直流0.2Aを超える電流を制御するスイッチで、開放状態でのスイッチ接点間電圧が
交流35V(ピーク)⼜は直流24V以下のものは、14.7.3規定に適合すること。
(3)交流(実効値)⼜は直流0.2A以下の電流を制御するスイッチで、開放状態でのスイッチ接点間電圧が交流35V(ピーク)
⼜は直流24Vを超えるものは、14.7.4規定に適合すること。
(4)主電源スイッチは、G.1.1項規定に適合すること。
2.JIS C 4526-1の13.1及び次の耐久試験に適合すること。(サンプル数は3個)
・JIS C 4526-1の17.1.2規定に従い、通常動作状態の電気的及び熱的条件の下で10000回の動作を⾏う。
但し、JIS C 4526-1の17.2.4(試験条件のタイプ(TC))規定の加速させた速度で⾏う増加電圧試験は⾏わない。
3.使⽤中に過度の温度に達しないような構造であること。
(1)接点・終端部の材料等は、酸化・その他の劣化がスイッチの動作及び性能に悪影響を及ぼさないこと。
(2)通常動作状態、JIS C 4526-1の16.2.2d)、l)、 m)項規定に従いオンの位置で判定する。
(3)主電源コンセントがある場合、14.7.5規定のピークサージ電流及び合計定格電流Iを考慮すること。
(4)終端部の温度上昇値は、55Kを超えないこと。
4.⼗分な耐電圧をもつこと
(1)事前の湿度処理を⾏わず、10.4規定の耐電圧試験に耐えること。
(2)試験電圧は、10.4規定値の75%の値とし、最⼩値は交流500V実効値(700Vピーク)とする。
(3)試験電圧の印加箇所は
・オン位置:試験電圧を危険な活電部と可触導電部⼜は可触導電部の接続部分間
多極スイッチの極間
・オフ位置:各接点ギャップ間
試験中、接点ギャップに並列接続した抵抗、コンデンサ及びRCユニットは取り外してもよい。
N.主電源スイッチの耐久試験
【適用規格】JIS C6065:2019 14.7.5項
1.試験条件
(1)JIS C 4526-1図10(定格10/100A 250V〜のスイッチの試験に⽤いる容量負荷試験回路の数値)を考慮し、
JIS C 4526-1図9a(交流回路⽤容量性負荷試験及び擬似⽩熱電球負荷試験⽤回路)に⽰す回路で構成する追加の負荷を
コンセントに接続する
スイッチで制御される コンセントの合計定格電流 (A) |
ピークサージ電流 (A) |
0.5以下 | 20 |
0.5を超え1.0以下 | 50 |
1.0を超え2.5以下 | 100 |
2.5を超え | 150 |
(2)追加する負荷については、次のとおりとする
・合計定格電流は、コンセントの表⽰(5.3c) 参照)に対応する。
・ピークサージ電流は、右表規定値とする
2.試験方法
14.7.3項、14.7.4項規定試験を、記載順に実施する
3.判定基準
試験後、この規格に不適合となる損傷がないこと。
特に、エンクロージャの劣化、空間・沿面距離の減少、電気的接続・機械的固定の緩みがないこと。
P.モーター
【適用規格】JIS C6065:2019 14.10.1項、14.10.2項、14.10.3項、14.10.4項
1.通常動作状態で、次の試験に適合すること。
(1)試験方法
a)定格電圧の1.1倍及び定格電圧の0.9倍に各48時間接続する。
短時間⼜は間⽋動作モータは、構造により制限している場合、動作時間に従った時間接続する。
短時間動作の場合、適切な冷却期間を置く。
b)定格電圧の1.1倍及び定格電圧の0.9倍で、それぞれモータを50回起動させる。
各接続時間は、起動からフルスピードになるまでの時間の10倍以上とする。但し10秒間以上とする
起動間隔は、接続時間の3倍以上とする。
複数の速度をもつ機器は、試験は最も厳しい速度で⾏う。
(2)判定基準
10.4規定の耐電圧に耐え、接続の緩みがなく、安全性を損なう劣化がないこと。
(3)適用条件
・ステータ(固定⼦)だけに電⼒を供給する誘導モータは、14.4.3項も参照する。
・進相コンデンサをもつモータ、三相モータ、直巻モータは、JIS C 6950-1のB.8(コンデンサをもつモータに対する
試験)、B.9(三相モータに対する試験)及びB.10(直巻モータに対する試験)規定の試験に適合すること。
2.次の要求事項を満足すること
(1)配線、巻線、整流⼦、スリップリング、絶縁などが、オイル、グリース等により悪影響を受けない構造であること。
(2)可動部は、使用中、けがなどの危険に対し⼗分な保護を備えるように配置されていること
保護エンクロジャ、ガードなどは、⼗分な機械的強度をもち、⼿で外せないこと
Q.電池
【適用規格】JIS C6065:2019 14.11.1項、14.11.2項、14.11.3項、14.11.4項、14.11.5項
1.アルカリなどの密閉型⼩型⼆次電池(コイン(ボタン)電池を除く)は、次を満足すること。
(1)IEC 62133⼜はJIS C 8712に適合すること。
(2)取付状態は次を満足すること。
・可燃性ガスの滞留の危険がないこと
・電解液の漏出により絶縁を損なわないこと
2.使⽤者が機器内で充電できる充電可能な電池を、充電できない電池に交換できる場合、次を満足すること。
使⽤者が交換できない機器内部の電池(例:メモリ⽤の電池)には適用しない。
・充電可能な特殊電池パックの充電端⼦を別にすること
・電⼦的保護回路などの特別の⼿段を講じて充電できない電池に電流が流れないようにすること
3.通常動作及び故障状態で、次の値は、電池製造業者が⽰した許容値を超えないこと。
(1)充電電池:充電電流
(2)リチウム電池:放電電流:回路から取外し、電圧源に置き換えて測定する
逆電流:回路から取り外して短絡回路に置き換えて測定する
4.成形応⼒リリーフ
(1)対象電池:電解液の封⼊を熱可塑性樹脂材に依存するが、IEC 62133⼜はJIS C 8712の適⽤範囲ではない特殊電池
(2)70℃に保持した空気循環式の恒温槽に7時間⼊れた後、電池から電解液が漏れていないこと
5.落下試験
(1)対象電池:使⽤者サービスの対象だが、IEC 62133⼜はJIS C 8712の適⽤範囲ではない特殊電池
(2)サンプル3個をそれぞれ15.4.3項(強度試験)規定の硬板表⾯に1mの⾼さから1回落としたとき、電解液が
漏れないこと
R.オプトカプラ
【適用規格】JIS C6065:2019 14.12項
1.箇条8(感電保護に関する構造要求)に適合すること
2.外部の空間・沿面距離は、箇条13(空間距離及び絶縁距離)に適合すること。
3.内部を完全に満たす絶縁物の充塡材で構成する場合は、内部の空間・沿面距離は要求しない。
他の全てのオプトカプラは、内部の空間・沿面距離は、箇条13(空間距離及び絶縁距離)に適合すること。
4.次のいずれかを満⾜する場合、オプトカプラ内部を完全に満たす絶縁物の充塡材で構成する付加絶縁・強化絶縁の絶縁厚は、
要求しない
(1)次に合格する。
・13.6項(継ぎ目の絶縁)規定の形式試験及び⽬視検査基準
・10.4.2規定の試験電圧値で、附属書JA規定の製造時耐電圧試験(1秒間適⽤)
(2)IEC 60747-5-5に適合する。但し、IEC 60747-5-5の5.2.7規定の試験電圧は、10.4.2規定の試験電圧値以上とする。
・形式試験の電圧 Vini、 a
・1秒間のルーチン試験の電圧 Vini、 b
(3)13.8項(絶縁物で充填処理している部分)に適合する。
S.サージ抑制バリスタ
【適用規格】JIS C6065:2019 14.13項
1.IEC 61051-2に適合すること。
2.主電源接続部分と可触導電部⼜は接続部分間に、直接接続していないこと。但し、恒久接続機器の接地部分は除く。
(例)外部の空間・沿面距離の要求事項に適合するガス放電管を直列に接続する⽅法。
3.IEC 61051-2を引用時は次の条件とする。
(1)好ましい気候区分(IEC 61051-2の2.1.1参照)
最⾼下限温度:-10 ℃、最低上限温度:+85 ℃、気候試験の最短期間:21⽇間
(2)最⼤連続電圧(IEC 61051-2の2.1.2参照)
最⼤連続交流電圧の最⼩値は、機器定格電圧の1.2倍とする。
(3)電流パルス定格(IEC 61051-2の2.1.2参照)
電圧波形:1.2/50μsの電圧波形、電流波形: 8/20μsの6kV/3kAの組合せパルスに耐えること
(代替⽅法)
IEC 61051-2規定の表Iのグループ1の試験後、バリスタ電圧(IEC 61051-1 で定義)は、
製造業者指定電流で測定したときに、10%を超える変化がないこと
(4)⽕災の危険(IEC 61051-2の表 Iのグループ6参照)
コーティングは、V0以上であること。
(5)熱ストレス (公称主電源電圧が150V未満の機器)
・機器及び試験抵抗器を直列につなぎ、交流250Vの電源に接続する。
・各試験の直列抵抗値を2000Ω、500Ω、250Ω、50Ωとする
・4時間⼜はバリスタを通る回路がオープンするまで電源を供給する
(前の試験での損傷が修復できない場合、抵抗値ごとに別の機器を⽤いる)
・各試験終了後、箇条11に適合すること
T.主電源接続用プラグ、コンセント、カプラ、ソケット
【適用規格】JIS C6065:2019 15.1.1項
1.主電源プラグ、コンセント、機器用カプラ、相互接続用カプラは、関連JIS規定に適合するか⼜は同等以上の性能をもつこと
(別表第四に適合する電源プラグ⼜はコンセント)
・主電源プラグ・コンセント : JIS C 8282 の規格群
・機器⽤コネクタ : JIS C 8283-1 ⼜は JIS C 8283-2-3
・機器⽤インレット :JIS C 8283-1 ⼜は JIS C 8283-2-3
・相互接続カプラ⽤の機器⽤アウトレット :JIS C 8283-1
・相互接続カプラ⽤のプラグコネクタ :JIS C 8283-1
・電源コードセット及び相互接続コードセット:JIS C 8286
2.定格電流が16Aを超える機器⽤コネクタ(JIS C 8283-3規定の20A、125V定格のカプラを除く)⼜は相互接続カプラを
⽤いる場合は、次を満足すること。
(1)JIS C 8285規定に適合するか、同等以上の性能をもつこと。
(2)JIS C 8285以外の関連JIS規定の全てのスタンダードシートの接続部にかん合できない形状であること。
3.JIS C 8283-1に適合するC14・C18タイプの機器⽤インレットは、定格電圧が125V以下に限り、4.2規定の通常動作状態の
下でも、温度がJIS C 8283-1規定の制限値を超えない場合、15Aまで許容する
4.主電源コンセント及び相互接続用カプラは次を満足すること。
(1)クラスⅡ機器に使用する場合は、クラスⅡ機器だけが接続できる構造であること。
(2)クラス0Ⅰ機器には、設けられていないこと。
(3)クラスⅠ機器に付ける場合は、次を満足すること
・他のクラスⅡ機器だけが接続できるようになっていること
・保護接地端⼦又は接点に確実に接続した保護接地極を備えていること。
・同⼀機器にクラスⅠ機器⽤・クラスⅡ機器⽤のものを設けていてもよい。
5.主電源電⼒を他機器に供給するコンセントをもつ機器で、主電源に接続するための主電源プラグ⼜は機器⽤コネクタの
定格電流が16A未満の場合、主電源プラグ⼜は機器⽤インレットが過負荷にならないような⼿段が設けられていること
6.主電源電⼒を直接⼜は主電源スイッチを介して他機器に供給するコンセントの内部配線の導体は、
16.2項(主電源可とうコード)規定の公称断⾯積をもつこと。
但し、4.3.10規定条件を適⽤したときに箇条11項規定に適合する機器は除く。
U.主電源電⼒接続⽤以外のコネクタ
【適用規格】JIS C6065:2019 15.1.2項
難燃性部品に関する要求事項 |
潜在的発火源の 開路電圧 交流(ピーク)又は直流(V) |
4 kV 以下の電圧をもつ機器 | 4 kV を超える電圧をもつ機器 | ||||||
潜在的発火源と部品又は部分との間の 最小距離 (図13参照) |
距離が左側の欄で要求する最小距離未満の場合の JISC 60695-11-10による部品及び部分の燃焼性分類 | 潜在的発火源と非金属のバリアとの間の最小距離(上段)及び非金属のバリアの燃 焼 性 分 類(下段) | 潜在的発火源と部品又は部分との間の最小距離 (図13参照) |
距離が左側の欄で要求する最小距離未満の場合の JISC 60695-11-10による部品及び部分の燃焼性分類 | 潜在的発火源と非金属のバリアとの間の最小距離(上段)及び非金属のバリアの燃 焼 性 分 類(下段) | |||
下方又は側方 | 上方 | 下方又は 側方 |
上方 | |||||
50を超え 400以下 |
13mm | 50mm | HB-75 | 要求無し | 13mm | 50mm | V-1 | 5mm V-1 |
400を超え4000以下 | 13mm | 50mm | V-1 | 5mm V-1 |
20mm | 50mm | V-1 | 5mm V-0 |
4000を超え | ー | 20.3項参照 |