技術基準:J60065(AV機器) 絶縁構造
家庭用機器 
(IEC-J60335-1)

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情報機器
(IEC-J60950-1)

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AV機器
(IEC-J60065)

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はじめに

   ここでは、絶縁構造が個別に要求されている事項について説明します。


絶縁構造が個別に要求されている事項

A.クラスⅡ機器の要求事項
   
【適用規格】JIS C6065:2019 8.10項
1.次の部分間は、⼆重絶縁されていること。
  ・可触部~主電源に導電的に接続した電線の導体間
  ・可触導電部に接続した電線の導体~主電源に導電的に接続した部分間

2.各絶縁は、次を満足すること。
 (1)基礎絶縁⼜は付加絶縁のいずれかは、8.9項(絶縁物の厚み)に適合すること。
    その他の絶縁は、10.4項(絶縁抵抗及び絶縁耐圧)規定の基礎絶縁又は付加絶縁に適合すること。
 (2)別々に試験できない2層構成の二重絶縁は、10.4項(絶縁抵抗及び絶縁耐圧)規定の強化絶縁に適合すること。
    試験電圧は次の箇所に印加する。
    ・電線の絶縁に強固に巻き付けた長さ10cmの⾦属箔と導体間に印加する。
    ・絶縁スリーブは、1スリーブに強固に密着して差し込んだ⾦属棒とスリーブに強固に巻付けた長さ10cmの⾦属箔との間


B.可触導電部の絶縁
   【適用規格】JIS C6065:2019 8.4項、8.5項、8.6項
1.クラスⅠ機器クラス0Ⅰ機器
 (1)⼆重絶縁⼜は強化絶縁部分を除き、可触導電部分は、基礎絶縁危険な活電部から分離されていること。
 (2)可触導電部及び保護接地極(コンセントを持つクラスⅠ機器のみ)を確実に接続する保護接地端⼦⼜は接点を
    持っていること。但し、危険な活電部から次の方法で保護されている部分を除く
  .  ・⼆重絶縁⼜は強化絶縁で絶縁した部分
     ・保護接地端⼦に確実に接続した導電物(変圧器の⼀次巻線~⼆次巻線間の⾦属遮蔽物、⾦属シャーシ等)で
      保護した部分

2.クラスⅡ機器
 (1)⼆重絶縁⼜は強化絶縁危険な活電から分離されていること
    8.3項に適合しない⽊製エンクロージャは、10.4項規定の耐電圧試験に適合する場合、付加絶縁として認める。

3.次のことを考慮すること
 (1)電池交換時にカバーを外すことで可触部となる電池収納部内部も適用する。
 (2)次の場合を除き、触れることができない端子であっても可触部とみなす
    (除外)・5.3b)の図記号(IEC 60417-5036(2002-10))が表⽰された端⼦
       ・機器を主電源に接続するための端⼦
       ・他の機器に電⼒を供給するための端子


C.プリント配線板
 
  【適用規格】JIS C6065:2019 13.5.1項、13.5.2項 JIS C6950-1:2016 2.10.6.4項、表2R
1.IEC 60249-2規格群に規定する引離し強度及び剝離強度に適合するプリント配線板上の導体間の最⼩空間沿⾯距離は、
  次を満足すること。
   (1)⽚側が主電源に導電的に接続した場合であっても図10に規定する値とする。
   (2)過熱に関する場合だけ導体間に対して適⽤(11.2参照)し、組み込んだ部品⼜は関連する半田付け部には適⽤しない
   (3)JIS C 60664-3規定に適合するコーティングを除き、ラッカー⼜は類似のコーティングは測定するときには無視する

2.JIS C 60664-3規定のタイプ2コーティングを施したプリント配線板は、次を満足すること。
 (1)導体間の絶縁は、JIS C 60664-3規定に適合すること。
    ・タイプ2コーティングは、基礎絶縁だけに適⽤する。
    ・コーティングの下には空間沿⾯距離は存在しない。
 (2)多層プリント配線板は、JIS C 6950-1の2.10.6.4(プリント配線板の異なる表⾯上の導体間の絶縁)及び
    表2R(プリント配線板における絶縁)を参照する。
     【参照:JIS C6950-1 2.10.6.4項】
        多層プリント配線板異なる表⾯上の導電部分間の付加絶縁⼜は強化絶縁は、次のいずれかでなければならない。
          ・0.4mm以上の厚さをもつ。
          ・「表:プリント配線板における絶縁」の仕様のうちの⼀つに適合し、関連した試験に合格する。
        機能絶縁及び基礎絶縁に対応する要求事項はない。

表 プリント配線板における絶縁
絶縁の仕様 形式試験 a) 対電圧用のルーチン試験 c)
プリプレグを含む2 層のシート状材料b) 適用しない 適用
プリプレグを含む3 層以上のシート状材料b) 適用しない 適用しない
金属基板上にセラミックコーティングし、
500℃以上で硬化処理した絶縁システム
適用しない 適用
金属基板上にセラミック以外で2 層以上コーティングし、
500℃未満で硬化処理した絶縁システム
適用 適用









            注記1:プリプレグは、ガラスクロスを部分的に樹脂で硬化処理した層を指す用語である。
            注記2:セラミックの定義は、IEV 212-05-24を参照する。
            注a):2.10.8.2の熱処理に続く、5.2.2の耐電圧試験。
             b):層は硬化処理の前に数える。
             c):耐電圧試験は、完成したプリント配線板に対して行う。


D.継ぎ目の絶縁

   【適用規格】JIS C6065:2019 13.6項
1.接合していない継ぎ⽬に沿った導電部間の距離は、次を満足すること。
 (1)空間距離・沿⾯距離の規定を満足すること。
 (2)次項の試験に適合する信頼性がある接合した継ぎ⽬は、次のとおりとする。
     ・空間沿⾯距離は存在せず、材料は、互いに接合しているとみなす。
     ・8.8項(耐圧試験、絶縁物の厚み薄いシート状の絶縁物)のみ適⽤する。
     ・巻線⽤エナメル電線がある場合、エナメル電線は、⾮絶縁線に置き換える。

2.試験方法 (サンプル数3:機器、部品⼜は部分組⽴品)
 (1)サンプルは、次に⽰す温度サイクルを10回⾏う。
     X±2 ℃で 68 時間(X:平常温度上昇試験で測定した最⾼温度に10K加えた温度。ただし、85℃以上)
     25±2 ℃で 1 時間
     0±2 ℃で 2 時間
     25±2 ℃で 1 時間
    *⼀つのサンプルは、最終温度サイクルの68時間温度処理後に、10.4規定の耐電圧試験を直ちに⾏う
     但し、試験電圧は、10.4規定値の1.6 倍とし、10.3の湿度処理は⾏わない。
 (2)全ての温度サイクルが終了後、残り⼆つのサンプルは、10.4規定の耐電圧試験を⾏う。
    但し、試験電圧は10.4既定の1.6倍とする。


E.包囲した部分、密封した部分
   【適用規格】JIS C6065:2019 13.7項
1.対象箇所
   主電源に導電的に接続しておらず、ほこり及び湿気が侵⼊しないように包囲、封⼊⼜は密封した機器、部分組⽴品⼜は部品
    (例)密封した⾦属製の箱、接着剤で封⽌したプラスチック製の箱、
       ディップコート⼜はプリント配線板で⽤いるJIS C 60664-3規定のタイプ1コーティングで封⼊した部品

2.次を満足すること。
 (1)最⼩空間距離及び沿⾯距離は、表:最小沿面距離を満足すること。
 (2)次の試験に適合すること。(サンプル数:3個)
    ・次の温度サイクルを10回⾏う
      Y±2 ℃で 68 時間 
        (Yは、平常温度上昇試験で測定した最⾼温度とする。
            変圧器はの場合は、平常温度上相試験で測定した最⾼巻線温度に10Kを加えた温度とする。
            85℃以上とする)
      25±2 ℃で 1 時間
      0±2 ℃で 2 時間
      25±2 ℃で 1 時間
    ・10.4規定の耐電圧試験を⾏い、すべて合格すること


F.薄いシート材
   【適用規格】JIS C6065:2019 8.8項、8.21項
1.機器内部で使用される薄いシート状の絶縁厚みは、次のいずれかを満足すること。
  ・基礎絶縁⼜は付加絶縁を2層以上で構成し、それぞれが10.4規定の基礎絶縁⼜は付加絶縁に適合すること。
  ・基礎絶縁⼜は付加絶縁を3層で構成し、あらゆる2層の組合せが10.4規定の基礎絶縁⼜は付加絶縁に適合すること。
  ・強化絶縁を2層以上で構成し、それぞれが10.4規定の強化絶縁に適合すること。
  ・強化絶縁を3層で構成し、あらゆる2層の組合せが10.4規定の強化絶縁に適合すること。

2.分離できない薄いシート材は、次のいずれかを満足すること
  ・JIS C 61558-1の26.3[絶縁物を通しての距離]
  ・次項の試験

3.強化絶縁を形成する分離できない3層以上の薄いシート材の絶縁性適合確認試験
 (1)試験条件
    ・サンプル数:3個 (1回に1個のサンプルを用い、合計3回の試験を行う)
    ・耐電圧試験の電圧値は、以下のいずれか高い方の電圧とする
      ・「表5:耐電圧試験の試験電圧及び絶縁抵抗値」規定の強化絶縁に対する試験電圧の1.5倍
      ・5kV

 (2)試験手順
    ①サンプルを、図15に⽰すようにマンドレル(図14)に取り付ける。
    ②適切な取付具を⽤い、サンプルの⾃由端に150±10Nの下向きの⼒を加える(図16)。
    ③マンドレルを、次の⼿順で⼿で緩やかに回転させる。
      ・初期位置(図15)から最終位置(図16)まで回転させた後、反転させて初期位置に戻す。2回繰り返す。
      ・初期位置から最終位置まで回転させて⽌める。
     *マンドレル固定部分⼜は取付具部分で破損した場合は、新たなサンプルで繰り返す。
    ④厚さ0.035±0.005mmで、⻑さ200mm以上の⾦属箔をサンプル表⾯に沿って置き、マンドレルの両側につるす
     (図16)
     サンプルに接する⾦属はく表⾯は、導電性のものを⽤い、酸化していたり⼜は他の⽅法で絶縁しない。
     ⾦属はくは、サンプルの両端から18mm以上となる位置(図17)とする。
    ⑤適切な取付具を⽤いて同じ質量のおもりを⾦属はくの両端(図16)に付けて、⾦属はくを締め付ける。
    ⑥マンドレルが最終位置になって60秒以内に、その状態のままでマンドレルと⾦属はく間に10.4.2規定の耐電圧試験を
     行う。
 (3)判定基準
    ・マンドレルで回転中にマンドレル固定部分又は取付具部分以外の部分で破損する場合
    ・耐電圧試験中にフラッシュオーバ⼜は絶縁破壊が発生する場合。(コロナ放電⼜は同種の現象は適合とする)


G.絶縁巻線(絶縁トランスなど)
   
【適用規格】JIS C6065:2019 8.16項
1.絶縁巻線の絶縁を、巻線部品内で基礎絶縁付加絶縁⼜は強化絶縁用として⽤いる場合、その絶縁線は附属書Hに
  適合すること。

2.導体に適⽤する構造層の最⼩数は、次を満足すること
    ・基礎絶縁:2層巻き⼜は1層の押出し層
    ・付加絶縁:2層巻き⼜は2層の押出し層
    ・強化絶縁:3層巻き⼜は3層の押出し層
  *2層以上の構造層が必要な場合、必要な全層数を1導体に対して施しても、2導体間で分担して施してもよい。

3.互いに隣接する絶縁巻線の絶縁は、各導体の絶縁が動作電圧に対する定格をもっている場合、⼆重絶縁で分離していると
  みなす。

4.同⼼円状に巻いた2層以上のテープで絶縁する場合、次を満足すること。
    ・層の重なり部分は、巻線部品製造中に重なり部分を連続して⼗分に確保すること
    ・巻いた状態で、層間の沿⾯距離が規定値未満の場合、テープ層はシールすること。

5.2つの巻線が巻線部品内部で接触し、45〜90°で交差し、巻線の張⼒を受ける場合、機械的ストレスに対して、
  次のいずれかで保護されていること。
    ・絶縁スリーブ又はシート材の形状内での物理的な分離されていること
    ・必要な絶縁層数の2倍で分離されていること。
    ・巻線部品が、H項:巻線部品のサイクル試験の要求事項を満足していること


H.巻線部品のサイクル試験
   【適用規格】JIS C6065:2019 8.17項
1.試験条件
 (1)サイクル試験の前後に測定を⾏う。
 (2)試験品は3個とする。
 (3)10回の試験サイクルを実施する。
 (4)耐電圧試験:試験電圧値は10.4の規定値の35%まで下げ、試験時間を2倍にする。

2.試験サイクル
 (1)ヒートラン
     ・絶縁の形式(熱分類)に応じ、表4規定の時間及び温度の組合せで、加熱⽤キャビネット中に試料を放置する。
     ・同じ組合せで10回実施する。
     ・加熱⽤キャビネットの温度は、±3℃の許容差内に保持する。
     ・加熱試験後、試料は振動試験を⾏う前に周囲温度まで冷やしてもよい。
 (2)振動試験
     ・ 試料は、JIS C 60068-2-6に規定するとおり、ねじ、クランプ⼜は部品に巻き付けたストラップによって
      通常の使⽤位置で振動発⽣機に固定する。
     ・振動の⽅向は垂直とし、条件は、次による。
       持続時間:30分間、振幅:0.35mm、掃引周波数:10 Hz → 55 Hz → 10 Hz、掃引率:毎分約 1オクターブ
 (3)湿度処理
      ・試料は、10.3項に規定する湿度処理を2⽇間⾏う。

3.試験方法
 (1)試験前及び各サイクル後、絶縁抵抗測定及び耐電圧試験を⾏う。
 (2)主電源周波数だけで動作する変圧器に対しては、更に次の試験を⾏う。
    ・試験内容
       ⼀つの⼊⼒回路に定格周波数の2倍で、定格電圧の1.2倍以上の値の試験電圧を5分間印加する。
       より⾼い試験周波数を⽤いる場合、印加時間は、下記計算式の値とし、最低2分間とする
           定格周波数 ÷ 試験周波数 × 10 (分単位)
   ・試験条件
       変圧器には負荷を接続しない。ポリファイラ巻線がある場合、直列に接続しておく。
   ・判定基準
       以下の部分の絶縁破壊が無いこと
          巻線の各層間の絶縁、⼊出⼒回路間の絶縁、隣接する⼊⼒又は出⼒回路間の絶縁、
          巻線と全ての導電性コア間の絶縁

4.判定基準
 (1)無負荷電流⼜は無負荷⼊⼒電流の同相成分が、初期測定値より30%以上⼤きくなる場合、不合格とする。
 (2)10サイクル全て終了後、⼀つ以上の試料が不合格になった場合、不適合とする。


I.インダクタ巻線
   【適用規格】JIS C6065:2019 14.4.1項、14.4.2項、14.4.3項
1.次のいずれかに適合すること
 (1)JIS C 61558-1及びJIS C 61558-2に適合すること。
 (2)絶縁材料は、薄いシート状のものを除き20.2.5項に適合すること。

2.故障が起きると機器の安全性を損なうインダクタは、次のいずれかを表示をすること。
  ・製造業者名(コード番号)。
  ・商標及び形番(コード番号)
  ・カタログ番号

3.変圧器は、次に適合すること。
 (1)絶縁変圧器は、14.4.4、14.4.5.1⼜は14.4.5.2、14.4.6.1⼜は14.4.6.2
 (2)分離変圧器は、14.4.4、14.4.5.3、14.4.6.1⼜は14.4.6.2
    (例)固定⼦だけに電⼒を供給する誘導形モータ、消磁コイル、リレーのコイル、単巻変圧器などの
       他の巻線は、適⽤できる限り14.4.4.1、14.4.6.1及び 14.4.6.2に適合すること
 (3)スイッチモード電源(SMPS)⽤変圧器は、次を満足すること。
    ・JIS C 61558-1及びIEC 61558-2-16に適合すること
    ・(1)又は(2)に適合すること。


J.巻線構造
   【適用規格】JIS C6065:2019 14.4.4.1項、14.4.4.2項
1.全ての巻線の空間沿面距離は、箇条13に適合すること

2.接合していない押付け形の隔壁で構成する絶縁バリアを⽤いる場合は、次を満足すること。
 (1)沿面距離は、継ぎ⽬に沿って測定する。
 (2)継ぎ⽬を JIS C 2107、JIS C 2336、JIS C 2338⼜はIEC 60454規格群に適合する接着剤付きの
    固定テープで覆う場合、壁の各側⾯に対して⼀層のテープが必要となる。

3.⼊⼒巻線及び出⼒巻線は、次を満足すること。
 (1)電気的にお互いを分離していること。
 (2)巻線同⼠が直接⼜は導電物を介して間接的に接続する可能性がない構造であること
 (3)次の状態が発生しない構造であること。
    ・入力巻線、出⼒巻線⼜はこれらの不適切な変位
    ・内部電線⼜は外部接続⽤の電線の不適切な変位
    ・電線の切断⼜は接続の緩みが起きたときの巻線の⼀部⼜は内部電線の不適切な変位
    ・電線、ねじ、ワッシャ等が、緩んだり外れたりした場合の巻線の接続部を含む⼊⼒巻線と出⼒巻線との間の絶縁の橋絡

4.各巻線の最後の⼀巻きは、次を満足すること。
 (1)テープ、適切な接着剤のような信頼性がある⽅法で固定するか⼜は処理技術によって構造を維持されていること。
 (2)枠のないボビンを⽤いる場合、信頼できる⽅法で保持されていること。
 (3)各層の最終巻線部から突き出した適切な絶縁材料を挟み、更に次のいずれか⼀つの処理が施されていること。
    ・巻線を熱硬化⼜は常温硬化の材料で含浸し、層間の空隙を⼗分に埋め、最終巻線部を効果的に封じ込める。
    ・巻線を絶縁物で束ねる。
    ・巻線を、処理技術で固定する。(⼆つの独⽴した固定法が同時に緩むとは判断しない)
 (4)きょ⻭状のテープを⽤いる場合、ぎざぎざがある部分は、絶縁物とみなさない。


K.クラスⅡ構造の巻線
   【適用規格】JIS C6065:2019 14.4.5.1項、14.4.5.3項、14.4.6.1項
1.次の部分は、8.8項規定(耐圧試験、絶縁物の厚み薄いシート状の絶縁物)の⼆重絶縁⼜は強化絶縁であること。
  強化絶縁として⽤いるコイルフォーマ及び隔壁は、0.4mmの厚さの規定だけを適⽤する。
   (1)危険な活電巻線と可触導電部に接続する巻線間
   (2)可触導電部に接続することを意図していない介在導電部(例:鉄芯)が当該巻線相互間にある場合、
      介在導電部を通した巻線相互間
   (3)危険な活電巻線と鉄芯などの可触導電部に接続することを意図した部分との間

2.危険な活電巻線と可触部から付加絶縁だけで分離した部分に接続する巻線との間の分離は、
  8.8項規定(耐圧試験、絶縁物の厚み薄いシート状の絶縁物)の基礎絶縁で構成されていること


L.クラスⅠ構造の巻線
   【適用規格】JIS C6065:2019 14.4.5.2項、14.4.5.3項、14.4.6.2項
1.危険な活電巻線と可触導電部に接続する巻線間が、基礎絶縁と保護遮蔽物で構成している場合は、次の全てを満たすこと。
   (1)危険な活電巻線と保護遮蔽物間の絶縁は、危険な活電電圧に対する8.8項規定(耐圧試験、絶縁物の厚み
      薄いシート状の絶縁物)の基礎絶縁の⼨法に適合すること。
   (2)保護遮蔽物と危険でない活電巻線間の絶縁は、表5の2規定の耐電圧に適合すること。
   (3)絶縁不良により⼊⼒電圧が出⼒巻線に印加されないように、保護接地端⼦⼜は接点に接続できる保護遮蔽物を
      ⼊⼒巻線と出⼒巻線間に配置すること。
   (4)保護遮蔽物は、隣接するいずれか⼀つの巻線の全幅以上の⾦属はく⼜は巻線遮蔽物で構成すること。
      巻線遮蔽物は、巻線間に隙間が⽣じないようにしっかりと巻くこと。
   (5)巻線短絡による過熱防⽌のために、保護遮蔽物は、終端が互いに接触したり、同時に鉄芯に接触したりしないように
      配置すること
   (6)保護遮蔽物及びその引出線は、遮蔽物⼜は引出線が絶縁破壊する前にヒューズ⼜は遮断装置が確実に回路を
      開放するために⼗分な断⾯積をもつこと。
   (7)引出線は、半田付け、溶接、リベット⽌め⼜はクリンプ⽌め等で保護遮蔽物に接続すること。

2.危険な活電巻線と可触部から付加絶縁だけで分離した部分に接続する巻線との間の分離は、8.8項規定(耐圧試験、
  絶縁物の厚み薄いシート状の絶縁物)の基礎絶縁で構成されていること

3.次の絶縁は、8.8項規定(耐圧試験、絶縁物の厚み薄いシート状の絶縁物)の基礎絶縁で構成されていること
   (1)危険な活電巻線と可触導電部間
   (2)危険な活電巻線と鉄芯等の保護接地端⼦・接点に接続する可触導電部に接続することを意図した部分との間の絶縁
   (3)機能絶縁だけで危険な活電巻線から分離した鉄芯などの危険な活電部と保護接地端⼦・接点に接続することを
      意図した保護遮蔽物⼜は巻線ワイヤとの間の絶縁

4.保護接地端⼦⼜は接点に接続することを意図した巻線部品の巻線ワイヤは、当該巻線が絶縁破壊する前に、ヒューズ⼜は
  遮断装置が確実に回路を開放するだけの⼗分な導電容量があること


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