技術基準:J60950-1(情報機器) TNV回路の要求事項
家庭用機器 
(IEC-J60335-1)

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3.電気性能
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(IEC-J60950-1)

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(IEC-J60065)

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1.TNV回路の電圧の限度値
    
【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.3.1項

単独TNV回路内のいずれか⼆つの導体間電圧、相互接続したTNV回路のいずれか⼆つの導体間電圧及びTNV回路
いずれかの導体と⼤地間の電圧は、次に適合すること。
  a)TNV-1 回路
      次の値を超えないこと。
        ・通常動作状態でのSELV回路に対する限度値
        ・機器内の単⼀故障時、抵抗器(5000Ω±2%)両端の測定値に対する
         図「単⼀故障が⽣じた後に許容される最⼤電圧の限度値」
             単⼀絶縁故障・コンポーネント故障での200ms経過後の限度値は、
             通常動作状態におけるTNV-2回路⼜はTNV-3回路に対する限度値である


















                     図:単⼀故障が⽣じた後に許容される最⼤電圧の限度値

 b)TNV-2回路及び TNV-3回路
     通常動作状態でのSELV回路に対する限度値、次の値を超えないこと。
      ・電話の呼出シグナルが存在する場合は、シグナルがM.2⼜はM.3のいずれかの基準に満⾜するときの電圧
      ・電話の呼出シグナルが存在しない場合は、次の両⽅の条件を満⾜する電圧
          ・通常動作状態で、交流電圧と直流電圧とを合成した値が次式を満たす。
             Uac/71 + Udc/120 ≤ 1
               ここに、 Uac: 交流電圧のピーク値(V) Udc: 直流電圧値(V)
                   Udcがゼロの場合、Uacはピーク71V以下となる。
                   Uacがゼロの場合、Udcは直流120V以下となる。
          ・ 機器内の単⼀故障時、抵抗器(5000Ω±2%)両端の測定値に対する
           図「単⼀故障が⽣じた後に許容される最⼤電圧の限度値」


2.TNV回路の一般要求事項
    
【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.3.2.1項

  (1)SELV回路TNV-1 回路及びアクセス可能な導電部は、単⼀故障時に次の両⽅の条件を満⾜するように、
     TNV-2回路及び TNV-3回路から分離されていること。
       a)TNV-1 回路の電圧は、図「単⼀故障が⽣じた後に許容される最⼤電圧の限度値」の限度値を超えない。
       b)SELV回路及びアクセス可能な導電部の電圧が通常動作状態でのTNV-2回路及びTNV-3回路の限度値
         超えない

  (2)製造業者の選択により、TNV-1 回路⼜はTNV-2回路を、TNV-3回路として取り扱うことができる。扱ってもよい。
     この場合、TNV-1 回路⼜はTNV-2回路は、TNV-3回路に関する全ての分離に関する要求事項に適合すること。


3.基礎絶縁による保護
    
【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.3.2.2項

  (1)ある部分を基礎絶縁で分離する場合は、TNV回路の一般要求事項に適合すること。

  (2)基礎絶縁耐電圧試験、⽬視検査、測定、必要な場合はコンポーネント及び基礎絶縁単⼀故障状態で判定する
     但し、通常動作状態でのTNV-2回路及びTNV-3回路の限度値を超えないことが回路図の検討結果より明らかな場合、
     コンポーネント及び基礎絶縁単⼀故障状態を模擬する必要はない。

  (3)「外部要因によって発⽣する動作電圧の試験」は要求しない。


4.接地による保護
    
【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.3.2.3項

  (1)SELV回路TNV-1回路⼜はアクセス可能な導電部をネットワーク線・ケーブル分配システムの保護接地の要求事項
     従って主保護接地端⼦に接続し、かつ、次のいずれかを適⽤する場合、TNV回路の一般要求事項に適合するとみなす
     次に従わない接地がある場合は、「他の構造による保護」に従うこと。
       a)プラグ接続形機器
          主保護接地端⼦がある場合、これに加えて独⽴した保護接地端⼦を取り付けること。
          設置指⽰書に、次の内容を記載すること。
             ”この独⽴した保護接地端⼦を恒久的に接地接続しなければならない”

       b)ネットワーク線⼜はケーブル分配システムにプラグ接続できるタイプBプラグ接続形機器
          機器本体及び設置指⽰書へ、次の内容を表示・記載すること
             ”電源コードを抜く前に、全てのネットワーク線及びケーブル分配システムのコネクタを外すこと”

       c)タイプAプラグ接続形機器
          上記b)項に加え、設置指⽰書に、次の内容を記載すること。
             ”サービス従事者によって設置され、保護接地コンタクトのあるコンセントに接続すること”

       d)恒久接続形機器
          追加の要求事項はない。

  (2)⽬視検査、試験、必要な場合はコンポーネント及び絶縁の単⼀故障状態で判定する

  (3)「TNV回路の一般要求事項」を満⾜しなければならない。

  (4)TNV-2回路又はTNV-3回路が、通常動作状態で外部で発⽣した信号・電⼒を受ける設計仕様の場合は、
     「外部要因によって発⽣する動作電圧の試験」を⾏う。
       ・試験中は、単⼀故障は模擬しない。
       ・試験前に、基礎絶縁の要求事項を満⾜しない絶縁は短絡する。
        但し、絶縁短絡しない⽅がより厳しい場合、短絡させない。


5.他の構造による保護
    
【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.3.2.4項

  (1)「TNV回路の一般要求事項」の電圧限度値に適合することが確実なときは、以下のいずれかの構造でもよい。
        ・基礎絶縁
        ・接地
        ・「巻線コンポーネント内の溶剤ベースのエナメル線」に規定するような分離に頼らない他の構造

  (2)機器内で発⽣する可能性があるコンポーネント及び絶縁故障を模擬し、判定する。

  (3)「接地による保護」のa)~d)に従わない接地がある場合、供試機器を⼤地に接続せず、試験を⾏い、
     「TNV回路の一般要求事項」の電圧限度値に適合すること。

  (4)TNV-2回路又はTNV-3回路が、通常動作状態で外部で発⽣した信号・電⼒を受ける設計仕様の場合は、
     「外部要因によって発⽣する動作電圧の試験」を⾏う。
        ・試験中は、単⼀故障は模擬しない。
        ・試験前に、基礎絶縁の要求事項を満⾜しない絶縁は短絡する。
         但し、絶縁短絡しない⽅がより厳しい場合、短絡させない。


6.危険電圧からの分離
    
【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.3.3項

「TNV回路の他の回路への接続」適⽤を受ける場合を除き、TNV回路「危険電圧からの分離」規定の構造の⼀つ以上の⽅法で、危険電圧回路から分離されていること。


7.TNV回路の他の回路への接続
 
   【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.3.4項

  (1)「絶縁を橋絡する抵抗器」で許容する場合以外にも、TNV回路を機器内の⼀次回路(中性線を含む)から基礎絶縁
     分離されている場合は、他の回路に接続することができる。

  (2)TNV回路を⼀つ以上の他の回路に接続している場合、「電圧の限度値」に適合する部分がTNV回路となる。

  (3)次のいずれかで危険電圧回路から分離した⼆次回路から導電的に電源を得るTNV回路は、同じ⽅法で、
     その危険電圧回路から分離されているとみなす。
        ・⼆重絶縁⼜は強化絶縁
        ・基礎絶縁危険電圧回路から分離されている接地された導電性遮蔽物の使⽤

  (4)TNV回路危険電圧⼆次回路から作られ、その危険電圧⼆次回路が、⼀次回路から⼆重絶縁⼜は強化絶縁
     分離されている場合、単⼀故障状態で、 「電圧の限度値」を満⾜すること。
     危険電圧⼆次回路TNV回路間の分離を⾏う変圧器内部の絶縁が、基礎絶縁耐電圧試験に合格する場合に限り、
     単⼀故障を適⽤する⽬的で、その変圧器内部の絶縁の短絡を単⼀故障とみなす。

  (5)⽬視検査及び機器内の単⼀故障を模擬し判定する。
     故障の模擬は、TNV回路の2導体間⼜はTNV回路の導体と⼤地間に接続した抵抗器(5000Ω±2%)両端電圧が
     図「単⼀故障が⽣じた後に許容される最⼤電圧」の格⼦部分外に出ないこと。
     試験は、定常状態 が5秒以上継続するまで行う。


8.外部要因によって発⽣する動作電圧の試験
 
   【適用規格】JIS C6950-1:2016 2.3.5項

  (1)この試験は、「接地による保護」⼜は「他の構造による保護」に規定する場合に限定して⾏う。

  (2)次の条件を満足する試験電圧発⽣器を⽤いる。
       ・外部から受けるであろう通常動作電圧の予想最⾼電圧を発⽣させることができる
       ・50Hz⼜は60Hzで120±2Vを発⽣し、かつ、1200Ω±2%の内部インピーダンスを備えている

  (3)試験方法
      ・試験電圧発⽣器を、
         機器のネットワーク線端⼦間に接続する。
         他の⼀極は、機器の接地端⼦に接続する
      ・試験電圧は、最⻑30分間印加する。
      ・更なる劣化が⽣じないことが明白な場合、試験を終了してもよい
      ・機器のネットワーク線端⼦への接続を反転し、試験を繰り返す。

  (4)判定基準
      試験中、SELV回路TNV-1回路⼜はアクセス可能な導電部は、
     「SELV回路の通常動作状態での電圧の限度値」に適合すること。
     
                                                     図 試験発生器


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