ここでは、可触部の保護について、次の5つを説明します。
1.標準試験指 (テストフィンガー)
2.テストピン
3.テストプローブ
4.可動部(運動部)の保護
5.シャープエッジ
【適用規格】H27版:8.1.1項、8.1.5項、8.2項、22.34項、附属書B:8.2追加
3版H14:8.1.1項、8.1.5項、8.2項、22.34項、附属書B:B8.2項
1.試験条件
(1)着脱できる部分を取り外す。但し、次の部分は取り外さない。
・工具を用いずに着脱することができる 「ねじ込み式ヒューズリンク」、「ねじ込み式小形回路遮断器」
・差込プラグ又は全極遮断スイッチで、電源から切り離せる機器の着脱可能なカバー内側にある電球
但し、電球の挿入・取外し時に、電球口金の充電部への接触保護が確実であること
(2)床上で用いる質量が40kgを超える機器は傾けない
(3)埋込形機器及び固定形機器は、設置後のみ適用する。
(4)E14ランプホルダは、IEC60061-3のスタンダードシート(7006-31)規定のゲージを使用する
(5)JIS C0922:検査プローブB(関節付きテストフィンガー)を使用する
2.試験方法
(1)機器のあらゆる位置に、1N以下の力で検査プローブBを押し当てる。
(2)開口部から可能な深さまで検査プローブBを挿入する。回転させたり、間接の角度を変え、あらゆる方向に行う。
(3)検査プローブBが開口から入らない場合は、検査プローブBを真っ直ぐにした状態で、20Nまで力を加えて行う
3.判定基準
(1)次の部分に接触しないこと
・自己硬化性の樹脂を除く封止コンパウンド、ラッカ、エナメル、紙、綿、酸化皮膜、ビーズだけで保護した充電部
・裸の充電部
(2)ランプホルダは、次のとおりとする
・E11、E12、E17、E26、E39ランプホルダ : 電球口金を完全に挿入したときの周囲の充電部に接触しないこと
・E14 ランプホルダ : 電球口金挿入中に充電するとき、充電部に接触しないこと
(3)埋込形機器、固定形機器及び個別ユニットで出荷する機器は、設置・組立前の段階で、基礎絶縁で保護されていない
部分に接触しないこと。但し電源端子を除く
(4)クラスⅡ機器及びクラスⅡ構造は、二重絶縁又は強化絶縁で保護されていない部分に接触しないこと
(5)使用者が交換できる電池収納部の内面と充電部との間に基礎絶縁があること。
電池無しで動作することができる場合は、二重絶縁又は強化絶縁(クラス0 機器は基礎絶縁)があること
(6)操作用ノブ、ハンドル、レバー類のシャフトは、工具を用いたときにだけ取外せる部分も取り外した後、
充電部に触れないこと。
【適用規格】H27版:8.1.2項 3版H14:8.1.2項
1.試験箇所 (対象・非対象箇所)
(1)クラス0 機器、クラスⅡ機器又はクラスⅡ構造の開口部
(2)エナメル・ラッカ等非導電性塗膜をもつ接地した金属製外郭の開口部
(3)電球口金用の開口、出力コンセント(アウトレットを除く)及びコードセットのコネクタ充電部は対象外とする
2.試験条件
(1)JIS C 0922 の検査プローブ13 (テストピン)を使用する
3.試験方法
試験箇所に、1N以下の力でテストピンを当てる
4.判定基準
充電部に触れないこと
【適用規格】H27版:8.1.3項 3版H14:8.1.3項
1.試験箇所
(1)クラスⅡ以外の機器で、1回のスイッチ操作で全極を電源から遮断できる可視赤熱電熱素子の充電部
(電源回路にスイッチがない機器で、コンセントから差込みプラグを引き抜くことは1回のスイッチ操作とみなす)
(2)カバー等を取り外さなくても、電熱素子に接触していることが、機器外側から明白にわかる電熱素子支持部
2.試験条件
(1)JIS C 0922の検査プローブ41を使用する
3.試験方法
試験箇所にテストプローブを、1N以下の力で押し当てる
4.判定基準
充電部に触れないこと
【適用規格】H27版:20.2項 3版H14:20.2項
1.試験箇所 (対象・非対象)
(1)機器の可動部(運動部)を対象とする
(2)動作機能を果たすために露出する必要のある部分は対象外とする。
(例)ミシンの針、電気掃除機の回転ブラシ、電気ナイフの刃、フッドミキサー
2.試験条件
(1)JIS C 0922 の検査プローブB(関節付きテストフィンガー)と類似の検査プローブ(非円形面の代わりに直径が
50mmの円形停止面をもつもの)を使用する
(2)ベルトの張り具合を変えるような動きをする装置は、調整範囲内で最も不利となる位置に調整する。
必要に応じてベルトを取外す。
3.試験方法
検査プローブを5N以下の力で各部に押し当てる
4.判定基準
(1)通常使用時に危険な可動部(運動部)に触れないこと。
(2)保護枠、ガード類は次を満足すること。
・着脱できない部分であること
検査プローブでインタロックを解除し開けられる外郭は着脱できる部分とみなす
・外郭の強度試験で破壊しないこと。
(3)自己復帰型温度過昇防止装置・過負荷保護装置が偶然に動作したときに、危険を引き起こす引き金とならないこと。
(例)フードミキサー、絞り機
【適用規格】H27版:20.14項 3版H14:20.14項
1.通常使用時及びユーザー保守時に、次のような部分に接触しないこと。
(1)傷害のおそれがある凹凸のある角又は鋭い角
(2)セルフタッピンねじその他の締付け具類のとがった先端