ここでは、次の3つの試験について説明します。
1.外郭の強度試験
2.着脱部の強度試験
3.ハンドル・ノブ類の強度試験
【適用規格】H27版:21.1項 3版H14:21.1項
1.試験箇所の対象・非対象
(1)外郭の弱そうな全ての箇所
(2)通常使用時に損傷を受ける恐れがある機器内のランプ及びそのカバー
(3)外郭からの突出部分が10㎜以下の箇所、突出部分の表面積が4cm2以下の箇所にあるランプ・カバー類は非対象とする
2.試験条件
(1)試験装置
J60335-1(H14) :JIS C60068-2-75 6項規定の「ばね動作式衝撃試験機(スプリングハンマ)」
J60335-1(H27) :JIS C60068-2-75 5項規定の「振り子ハンマ衝撃試験機」
(2)衝撃の強さ:0.5J (振り子ハンマ衝撃試験機で、0.5Jに対する落下高さは200mm)
(3)可視赤熱電熱素子のガードにリリースコーンを当てる時、ハンマーヘッドが、ガードを通過して電熱素子を
叩かないように注意する
3.試験方法
機器をしっかり固定し、全ての試験箇所に、3回ずつ衝撃を加える
4.判定基準
(1)充電部の保護、耐湿性、絶縁構造等の要求事項を満足しない損傷が発生しないこと。
疑義がある場合は、付加絶縁又は強化絶縁について16.3項(耐電圧試験)を行う
(2)次の場合は不合格とはみなさない
・仕上げ材への損傷
・沿面(空間)距離が規定値以下にならないような小さな凹み
・充電部への接触保護、湿気に対する保護部に影響を与えない小さな破損
・肉眼で見えない亀裂
・繊維で強化した成形品類の表面の亀裂
・内部カバーで支持した装飾カバーの割れ。
但し、装飾カバーを取外した後、内部カバーが外郭の強度試験に耐えること。
【適用規格】H27版:22.11項 3版H14:22.11項
1.試験対象
取り外す恐れがある部分
2.試験条件
(1)室温で行う。
疑義がある場合は、巻線温度を含め内部温度が飽和するまでエージングを行った後でも行う。
(2)試験前に、設置・保守点検時に取外すおそれがある部分の取外し・取付け操作を10回行う。
(Z形取付機器を除き電源コードの交換を含む)
3.試験方法
3-1:カバー部又は弱くなる恐れの有る部分
(1)押込力の試験
最も不利となる方向に10秒間、JIS C0922検査プローブ11で、50Nの押込力を加える。
(2)引張力の試験
a.最も不利となる方向に吸引カップ等で引張力を加えている間に、開口又は継ぎ目部分にテストフィンガネイルを
10Nで押し込む。引張力は、次のとおりとする。
・指先が容易に滑らないような形状の部分 :50 N
・つまむ部分の突起が取外し方向に対して10mm未満のもの :30 N
b.10Nでテストフィンガネイルを横方向にスライドさせる。(ねじったり、てこのようにはしない)
3-2:軸方向の引張力が加わる恐れが無い形状部分
(1)開口又は継ぎ目部分からテストフィンガーネイルを10Nで押し込む
(2)ループを用い、30Nで取外し方向に10秒間引張る。
3-3:ねじり力が加わる恐れのある部分
次のトルクを、引張力又は押込力と同時に加える。
(ループでテストフィンガネイルを引っ張る場合も同様のトルクを加える)
・長い方の寸法が50mm以下の場合 2Nm
・長い方の寸法が50mmを超える場合 4Nm
但し、つまむ部分の突起が10mm未満の場合、加えるトルクは上記の50%に減らす。
4.判定基準
(1)確実に取りつけられ、機械的応力に耐えること。
(2)スナップイン装置は、その固定位置がはっきり分かること。
(3)設置・保守点検時に取外す恐れの有る部分に使用する固定用スナップイン装置は、信頼性があるこ
【適用規格】H27版:22.12項 3版H14:22.12項
1.試験対象
ハンドル、ノブ、グリップ、レバー類
2.試験条件
(1)印加する力は次のとおりとする。
・軸方向の引張力が加わるおそれがない場合 15 N
・軸方向の引張力が加わるおそれがある場合 30 N
3.試験方法
取り外すように軸方向に、1分間力を加える。
4.判定基準
(1)緩まないこと
(2)スイッチ類の位置を示すために使用しているものは、誤って固定できないこと。
(3)自己凝固性樹脂以外の封止コンパウンド類は、緩み止めとして使用しないこと。