技術基準:IEC-J60335-1(家庭用機器) 絶縁構造 全般
家庭用機器 
(IEC-J60335-1)

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情報機器
(IEC-J60950-1)

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AV機器
(IEC-J60065)

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はじめに

  ここでは、絶縁構造の共通事項として、次の内容について説明します
    1.一般条件
    2.個別に絶縁が指定されている個所と要求事項
    
3.ゴム及びセラミックの要求事項と絶縁劣化試 


一般条件

   【適用規格】H27版:22.45項、23.4項   3版H14:23.4項

1.空気を強化絶縁とする場合、外郭に加えられた外力による変形で空間距離が規定値未満にならないこと。
2.裸の内部配線は、通常使用時に、沿面空間)距離が規定値未満に減少しないこと
3.適用条件
  (1)コーティングを、次の目的で基板上に施す場合は附属書Jを適用する。
      ・ミクロ環境を保護するため(タイプ1保護)
      ・基礎絶縁とするため(タイプ2保護)
  (2)ミクロ環境は、タイプ1保護下で汚損度1とする。
  (3)タイプ2保護下では、保護を施す前の導体間の距離は、JIS C 60664-3 表1規定の数値以上であること。



個別に絶縁が指定されている個所と要求事項

  【適用規格】H27版:22.26項、22.27項、22.28項、22.29項、22.30項、22.31項、22.35項、22.36項
        3版H14:22.26項、22.27項、22.28項、22.29項、22.30項、22.31項、22.35項、22.36項、29.1項


1.次の箇所は、二重絶縁又は強化絶縁で絶縁されていること。
  (1)クラスⅢ構造をもつ機器のSELV動作部分~その他の充電部
  (2)保護インピーダンスを通して接続する部分 (クラス0機器を除く)
  (3)通常使用時にガス管・主給水管に接続するクラスⅡ機器の次の部分。
     ・ガス管に導電的に接続する金属部
     ・水に接触する金属部

2.固定配線に恒久的に接続するクラスⅡ機器は、次を満足すること。
  (1)設置後、充電部への接触に対する保護が十分維持できる構造であること。
  (2)金属電線管・金属被覆ケーブルが、充電部の接触に対する保護に影響を及ぼさないこと

3.クラスⅡ構造付加絶縁又は強化絶縁部で、スイッチ、Z 形取付機器以外の電源コード等の部品交換を含む保守点検作業後
  再組立を忘れる可能性がある部分は、次のいずれかを満足すること
   ・破壊しなければ、取外しができないように固定されていること
   ・間違った場所に再取り付けできない構造で、取付け忘れ時に運転できないか又は明らかに不完全であることが
    分かるようになっていること。


4.付加絶縁及び強化絶縁部で、電線、ねじ、ナット、ばね等が緩んだり、脱落したりした場合、充電部~可触部間の
  沿面空間)距離は、付加絶縁を満足すること。但し次の構造は除く。
  (1)緩み止め用座金を用いて、ねじ・ナットで固定し、保守点検作業時に取り外す必要のないねじ・ナットである場合
  (2)端子ねじが緩んだときに、短くて固い電線が所定の位置に留まっている場合
  (3)同時に緩むことが考えられない2 か所の独立した固定で保持している場合
  (4)半田付け接続による電線を、半田付けとは別に端子近傍で保持している場合
  (5)端子に接続した電線を端子近傍で別の手段で固定している場合
     (より線は、絶縁物と導体との両方を固定していること)

5.基礎絶縁部分で、電線を半田付けするときは、穴に通すか又はからげなどで機械的に接続すること。


クラスⅢ以外の構造で、通常使用時に保持・開閉操作を行うハンドル、レバー及びノブは、次を満足すること。
  (1)その基礎絶縁に不良が発生したときも、充電部にならないこと。
  (2)金属製で基礎絶縁に不良が生じたときに、シャフト又は固定具が充電部になるおそれがある場合は、次のいずれかを
     満足すること。
      ・付加絶縁の16.3項(耐電圧試験)を満足する絶縁物で十分覆うこと
      ・可触部分を付加絶縁でシャフト・固定具から分離していること
  (3)据置形機器で、電気部品に取り付けていないハンドル、レバー及びノブには適用しない。
     但し、以下の場合は適用する
      ・当該部分を接地端子・接地極に確実に接続していない場合
      ・接地した金属で充電部から分離していない場合

7.クラスⅢ以外の機器で、通常使用時に連続して手で保持するハンドルは、使用者の手が二重絶縁又は強化絶縁充電部から
  絶縁されていない金属部に触れるおそれがないこと


8.(3版:H14のみ適用する
  巻線とキャパシタを接続した点と基礎絶縁のみで充電部から絶縁した金属部との間で共振電圧が生じる場合、
  次を満足すること。 
  (1)沿面空間)距離は、共振で発生した電圧値に対して規定した値に適合すること。
  (2)強化絶縁は、その値に4㎜を加えた値を規定値とする




ゴム及びセラミックの要求事項と絶縁劣化試験

  【適用規格】H27版:22.32項   3版H14:22.32項

1.付加絶縁として用いる天然ゴム・合成ゴムは、次のいずれかを満足すること
  (1)耐劣化性があるもの
  (2)亀裂が生じても沿面距離が規定値未満に減少しない位置及び寸法であること

2.次の物は、付加絶縁又は強化絶縁として使用しないこと。
  (1)堅く焼結していない磁器材料類
  (2)ビーズ単独

3.電熱導体を埋め込んだ絶縁物は、基礎絶縁とみなし強化絶縁として使用しないこと
  (PTC電熱素子の電熱導体には適用しない)

4.ゴム耐劣化性試験
  (1)使用する酸素ボンベは次の内容を満足すること。
      ・有効容積は、試験品の体積の10 倍以上あること
      ・2.1MPa ± 0.07MPa の圧力にした純度97 %以上の酸素を満たすこと。
  (2)試験方法
      ・酸素ボンベを70 ℃±1℃にし、試験品を酸素ボンベの中に96時間つり下げる
      ・試験品を酸素ボンベから取出し、直射日光が当たらないようにして、16時間以上室温で放置する
      ・試験品の状態を目視検査する

5.セラミック材料の焼結試験
  (1)セラミック材料を破片に粉砕する。
  (2)変性アルコール100g当たり1gのフクシンを含む溶液に浸す。
  (3)この溶液を、15MPa以上の圧力で時間表示の試験持続時間とMPa表示の試験圧力の積が180以上になる時間維持する。
  (4)破片を溶液から取り出し、洗浄し、乾かし、さらに小さな破片に粉砕する。
  (5)新たに粉砕した表面を調べる

6.判定基準
  (1)ゴム耐劣化性試験:肉眼で見える亀裂が生じないこと
  (2)セラミック材料の焼結試験:肉眼で見える染料の痕跡がないこと



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