技術基準:J60335-1(家庭用機器) 使用部品
家庭用機器 
(IEC-J60335-1)

1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC

情報機器
(IEC-J60950-1)

1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC

AV機器
(IEC-J60065)

1.表示・説明書

2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC
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はじめに

   ここでは、次の3つに分けて説明します。
     1.使用部品全般
     2.電気部品 (電源コード、電源プラグ、スイッチ、コンデンサなど)
     3.機構部品・副資材

使用部品全般

A.一般要求事項

  【適用規則】H27版:22.21項、22.22項、22.23項、22.41項、24.1項  
        3版H14:22.21項、22.22項、22.23項、22.41項、24.1項

1.合理的に適用できる限り関連規格の安全性要求事項に適合すること
  但し、PSE認定部品で、部品定格表示に従って用いている場合は除く。

2.木材、綿、絹、紙などの繊維性又は吸湿性材料は、含浸を施さない限り絶縁物として使用しないこと。
  (1)材料の繊維相互間を適切な絶縁体で実質的に満たしている絶縁物は含浸が有るものと見なす
  (2)電熱素子の電気絶縁に用いる酸化マグネシウムや鉱物セラミックファイバは除く。

3.以下のものが使用されていないこと。
  (1)アスベスト
  (2)ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含んだ油
  (3)水銀を含む部品 (ランプを除く)




B.部品確認方法

  【適用規則】 無し

1.部品単体の試験を行い適合性を確認するのではなく、部品規格に適合している認定部品を使用し、その仕様書等を確認し、
  設計上で規格へ適合していることを確認する方法が一般的です。具体的には、次のような内容を確認します。
  (1)使用している部品の名称
  (2)部品のメーカー名
  (3)部品の形名
  (4)適合安全規格基準
  (5)認定検査機関の適合マークの表示の有無

2.特に重要な部品は、安全重要部品(クリティカルコンポーネント)として明確に管理することが必要です。




電気部品

A.電源コード

  【適用規則】 H27版:25.7項、25.8項   3版H14:25.7項、25.8項

1-1.次のいずれかがが使われていること (H27版)

表 電源コードの種類 (H27版要求事項)
コードの種類 概要
ゴム被覆 ・オーディナリーゴムシース付コードと同等以上の特性であること
・屋外用機器、相当量の紫外線にさらされやすい機器に使用されていないこと
ポリクロロプレン被覆 オーディナリークロロプレン、その他の合成エラストマーシース付コードと同等以上の特性であること
架橋ポリ塩化ビニル被覆 高可とう性架橋塩化ビニル(XLPVC)絶縁シースコードと同等以上の特性であること。
ポリ塩化ビニル被覆 平常温度上昇試験中に温度上昇が75Kを超える金属部分に接触する場合は使用しない
・質量が3kg以下の機器:ライトビニルシースコードと同等以上の特性であること。
・その他の機器:オーディナリービニルシースコードと同等以上の特性であること
耐熱ポリ塩化ビニル被覆 ・特別に用意されたコード以外、X形取付に使用していないこと。
・質量が3 kg以下の機器:ライトビニルシースコードと同等以上の特性であること。
・その他の機器:オーディナリービニルシースコードと同等以上の特性であること
別表第一に適合したコード シースが無い平形コードはクラス0機器以外の機器、床上専用クラス0機器に使用しないこと。



















1-2.次のものよりグレードの低いものでないこと。 編組コード・平形平行金糸コードは、個別規格で認めている場合は
   使用できる。 
(3版H14)
   (1)編組コード
   (2)一般用強化ゴム絶縁コード
   (3)平形平行金糸コード(コード分類 60227 IEC 41)
   (4)質量が3㎏以下の機器:軽ポリ塩化ビニル絶縁コード
      質量が3㎏を超える機器:一般用ポリ塩化ビニル絶縁コード
   (5)塩化ビニル被覆コード:平常温度上昇試験で外部金属部の温度上昇が 75K超える機器には使用していないこと。
                 但し、通常使用時に、電源コードが上記温度に達する金属部に触れる恐れがない場合は
                 使用できる
   (6)耐熱温度が上記温度を超える電源コードY型取付又はZ型取付によりコードを取付けてあること
   (7)別表第一に適合したコード:シースの無い平形コードを床上専用機器及びクラス0機器以外の機器に使用しないこと

2.別表第一に適合したコード以外の電源コードの導体は、表11規定以上の公称断面積をもつこと。
3.接地用口出し線のある2ピン差込プラグを用いたクラス0Ⅰ機器は、電源コードの要求事項を適用する。  
  その他のクラス0Ⅰ機器の接地線は、電気設備技術基準解釈第17 条第4 項に従ったものであること

【参考:別表第一に適合したコード】
  (1)周囲温度が30℃の許容電流は次による。
     1) コードの許容電流は表11A による。
     2) キャブタイヤケーブル(電気絶縁物の使用温度の上限値が60 ℃のもの)の許容電流は、表11B による。
     3) 絶縁電線(電気絶縁物の使用温度の上限値が60 ℃のもの)の許容電流は表11C による。
     4) 2)・3)において電気絶縁物の使用温度の上限値が60℃以外のものの許容電流は、電気絶縁物の使用温度の
      上限値に応じた表11D の許容電流補正係数を許容電流に乗じた値とする。
      なお、許容電流の値は、小数第1 位を7 捨8 入して求める。
  (2)周囲温度が40 ℃の許容電流は、電気絶縁物の使用温度の上限値に応じた表11E の許容電流補正係数を許容電流に
     乗じた値とする。なお、許容電流の値は、小数第1 位を7 捨8 入して求める。
  (3)電線管工事で配線される絶縁電線の許容電流は、表11F の許容電流補正係数を許容電流に乗じた値とする。
     なお、許容電流の値は、小数第1 位を7 捨8 入して求める。
  (4)コード及びキャブタイヤケーブルで、表11A・表11B にない断面積の場合の許容電流は、各断面積の許容電流の値を
     直線で結ぶ内挿法によって求めた値とする。




B.スイッチ

  【適用規則】H27版:24.1.3項  3版H14:24.1.1項、24.1.3項

1.JIS C 4526-1に適合すること。

2.リレー又は接触器を動作させるスイッチ(システム)は、JIS C 4526-1:7.1.4項の開閉試験で異常がないこと。
  動作サイクル回数は10,000回以上とする。

3.JIS C 9730-2-10に適合するモータ起動リレーを作動するためだけに働き、そのモータ起動リレーがJIS C9730-1:6.10項、
  6.11項に基づき10 000 回以上の動作サイクル回数に適合している場合は、適用除外する

4.次を満足すること 
(3版:H14のみ適用)
  (1)関連規格への適合が不明なスイッチは、附属書 S に適合すること。
  (2)IEC 61058-1 17.2.7:開閉試験の試験回数は、10,000回とする。
     但し、インターロックがないスイッチは、100 回とする。
  (3)次のスイッチには、IEC 61058-1:17項の試験は行わない。
      ・無負荷で操作できる工具無しで操作出来ないスイッチ
      ・負荷がかかった状態では操作できないようにインターロックされる手で操作するスイッチ




C.コンデンサ

  【適用規則】H27版:22.37項、22.38項、24.1.1項、24.5項、24.8項  3版H14:22.37項、22.38項、24.1.1項、24.5項

1.モータ補助巻線に用いるコンデンサ
  (1)定格電圧、定格静電容量が表示されていること
  (2)モータ巻線と直列接続したコンデンサは、最小負荷状態で定格電圧の1.1倍で運転した時のキャパシタ両端の電圧が、
     キャパシタ定格電圧の1.1倍以下であること

2.モータ運転用コンデンサで、モータ巻線に恒久的に直列接続されたものは、次のいずれかの要求事項に適合すること。
  (1)IEC 60252-1:P2相当のコンデンサ
  (2)JIS C 4908に適合した保安装置内蔵コンデンサ又は保安機構付コンデンサ
  (3)コンデンサ故障による炎や溶融物の放出を防ぐ金属又はセラミック外郭で覆われたコンデンサ外郭は、
     コンデンサからモータへの配線接続用引込口又は引出口をもっていてもよい。
     コンデンサ外面から50mm以内に非金属部があっても、ケースは炎又は溶融物の拡散を防ぐことができるとみなす。
  (4)コンデンサ外面から近傍の非金属部までの離隔距離が50mmを超える。
  (5)コンデンサ外面から50mm以内にある非金属部が、附属書E のニードルフレーム試験に耐える。
  (6)コンデンサ外面から50mm以内にある非金属部が、難燃性V-1以上であること

3.クラスⅡ機器のコンデンサは、次を満足すること。但し、保護インピーダンスの要求事項に適合するコンデンサは除く。
  (1)充電部~可触金属部間に接続していないこと。
  (2)金属製ケースの場合、付加絶縁で可触金属部から絶縁されていること

4.温度過昇防止装置の接点相互間には、コンデンサが接続されていないこと

5.電源電圧が継続的に印加される無線妨害波抑制用・電圧分圧用コンデンサ(ラインアクロスコンデンサ)は、
  JISC5101-14又はXコンデンサの規格を満足すること。
  但しコンデンサを大地に接続し、全極遮断形スイッチで電源から遮断されるものを除く。



D.その他の電気部品

  【適用規則】H27版:22.24項、22.25項、22.39項、24.1.2項、24.1.4項、24.1.5項、24.1.6項、24.1.8項、24.1.9項、24.4項、
            25.25項
       3版H14:22.24項、22.25項、22.39項、24.1.1項、24.4項、24.5項

1.ELV回路用及び電熱素子用端子として用いるプラグ・コンセントは、次のものと互換性がないこと。
  (1)JIS C 8303 又はIEC 60906-1 に適合するプラグ・コンセント
  (2)JIS C 8283-1 の標準シートに適合するコネクタ及び機器用インレット

2.相互接続コードに使用するプラグ及びコンセントその他の接続装置は、次のものと互換性がないこと。
  但し、電源を直接加えたときに、危険がない場合は除く
(3版H14のみ適用
  (1)IEC 60083 、 IEC 60906-1、 JIS C 8303 に適合するプラグ・コンセント
  (2)IEC 60320 の標準シートに適合するコネクター及び機器用インレット

3.コンセントに差し込む機器の電源刃の寸法は、次を満足すること。
  (1)関連するコンセントの寸法と合っていること。
  (2)別表第四6 (1) ニ (ホ) a に規定する該当する差込プラグの寸法に従っていること

4.カプラは、次を満足すること
  (1)機器用カプラ:JIS C 8283-1に適合すること。
  (2)IPX0より高いクラスの機器:JIS C 8283-2-3に適合すること。
  (3)相互接続カプラ:JIS C 8283-2-2に適合すること


5.電熱素子、電熱導体は、次を満足すること。
  (1)裸の電熱素子は、最も不利となる個所を切断し、力を加えず放置したときに、電熱導体が可触金属部に接触しないこと
  (2)垂れ下がった電熱導体が可触金属部に接触しないこと。
     (対策例)付加絶縁を使用する、電熱導体が垂れ下がらないように芯を使用する
  *適用除外:クラスⅢ機器及び充電部を含まないクラスⅢ構造を除く

6.ランプホルダは、次を満足すること
  (1)ランプ接続以外で通電しないこと
  (2)JIS C8324規定の蛍光灯ソケット(GX53を除く)は、蛍光ランプ接続以外で通電しないこと。
     但し、次のランプは除く。
      ・3.6.2項に定義する着脱できるものでなく、かつ、この規格に適合する場合
      ・そのランプが適切な規格に適合する場合
  (3)E10同等の小形ランプホルダは、JIS C 8280に適合すること。
     但し、JIS C 7709-1規定標準シート7004-22最新版に適合するE10口金ランプが入らなくてもよい。

7.モータ起動リレー以外の接触器及びリレーは、JIS C 9730-1 (箇条17)に適合すること

8.クラス0機器を除き、JIS C 61558-2-6又は附属書Gに適合すること。

9.温度ヒューズは、JIS C 6691に適合すること。

10.充電部をもち、機器を主給水管に接続するための外部ホースに組み込んでいる電磁弁は、IPX7 であること




機構部品・副資材


  【適用規則】H27版:22.9項、22.19項、22.20項、22.33項  3版H14:22.9項、22.19項、22.20項、22.33項

1.導電性の液体は次を満足すること
  (1)次の液体を対象とする。
     ・通常使用時に触れることができる又は触れるおそれがある導電性の液体
     ・接地していない可触金属部に接触する導電性の液体
  (2)要求事項
     ・充電部に直接接触していないこと。
     ・クラスⅡ構造は、次を満足すること
       ・基礎絶縁又は強化絶縁を3層以上で構成していない限り強化絶縁と直接接触しないこと。
       ・充電部と接触する導電性の液体は、強化絶縁を3層以上で構成していない限り強化絶縁と直接接触しないこと
     ・電極は、液体を加熱するために使用しないこと
     ・漏れ液で橋絡するおそれがある空気層は、二重絶縁を構成する基礎絶縁又は付加絶縁として使用しないこと。

2.絶縁部、内部配線、巻線、整流子、スリップリングなどの部分が、グリース、油類にされされないこと。
  但し、絶縁特性が損なわない場合は除く。

3.運転ベルトは、絶縁を維持するために用いないこと。
  但し、不適切な交換を防ぐ構造になっている場合は除く

4.充電部と断熱材とは直接接触しないこと。但し、断熱材が耐腐食性、耐吸湿性で不燃性である場合は除く
  (例)適合する断熱材   :ガラス繊維
     腐食性のある断熱材 :含浸を施していないスラグ繊維


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