J60335-1：転倒角度測定及び落下試験

　　ここでは、次の２つの試験概要について説明します
　　　　１．転倒角度の測定
　　　　２．充電池内蔵機器・電源ユニットの落下試験

　　　【適用規格】H27版：20.1項　　3版H14：20.1項

１．対象機器
　　　固定形・手持形でない機器で、床上又は卓上で用いる機器

２．試験条件
　　（１）機器用インレットをもつ機器は、適切なコネクタ及び可とうコードを取り付ける。
　　（２）電源コードは、電源に接続せず、最も不利な状態にする。
　　（３）キャスタ類は機器が転がらないように固定する。
　　（４）ドアは開閉いずれか不利な状態とする
　　（５）使用者が液体を入れる機器は、空の状態を含め取扱説明書記載の指定液体容量の最も不利となる量の水を満たす

３．試験方法
　　（１）機器を試験台に乗せる
　　（２）機器背面側の試験台端を持ち上げ、水平に対し10度傾け、30秒保持する。
　　　　　この時の機器の状態を確認する。　（例）滑りだす。背面側が浮く
　　（３）残りの全ての方向（前・右・左の３方向）で、上記（２）項を繰り返す。
　　（４）更に全ての方向に対して、15度まで傾けて、状態が変わる角度を測定する。
　　（５）電熱素子の有る機器が15度以下で転倒した場合は、転倒状態で平常温度上昇試験を行い、各部の温度を測定する。

４．判定基準
　　（１）10度未満で転倒しないこと。
　　（２）平常温度上昇試験行った場合は、平常温度上昇試験に適合すること。
　　（３）滑る等の症状が発生した場合は、その影響度を考慮して判断する

充電池内蔵機器・電源ユニットの落下試験

　　　【適用規格】H27版：附属書B　21.B101項　　3版H14：附属書B　B21.101項

１．試験対象
　　　機器内部の充電池を電源とする機器及び分離可能な電源ユニットでコンセントに直接差し込むための電源刃をもつ機器

２．試験条件
　　（１）試験方法：JIS C 60068-2-31の自然落下試験－方法2（繰返し）
　　（２）落下回数
　　　　　・その部分の質量が250g以下の場合　：　100 回
　　　　　・その部分の質量が250gを超える場合：　　50 回
　　（３）落下高さは500 mm

３．判定基準
　　　試験後、8.1項（可触部の保護）、15.1.1項（防水試験）、16.3項（耐電圧試験）、29項（絶縁構造）の要求事項に
　　　適合すること

JIS C60068-2-31　自然落下試験ー方法２　概要

１．試験条件
　　（１）ケーブルが附属されている場合は、次のとおりとする。
　　　　　　・製品規格に使用するケーブルを規定する。
　　　　　　・製品規格に規定がない場合、ケーブル長さは100mmとする。
　　（２）試験サンプルが複数ある場合は、個別に試験を実施する。
　　（３）試験装置は、附属書Aによる。
　　（４）落下床面は、厚さ3mmの鋼板とし、厚さ10〜19mmの木板で裏打ちする。
　　（５）落下回数は、次の値から選択し製品規格に規定する。　　50、１00、200、500、1000（回）
　　（６）落下高さは、500mm又は1000mmとする。
　　（７）落下頻度は、毎分約10回とする。

２．試験方法
　　（１）供試品を試験装置に置き、規定の回数落下させる。
　　（２）供試品の機械的性能及び電気的性能に影響する場合、その変化を記録する。

３．最終測定
　　　製品規格に規定した基準に従い、外観、電気的性能及び機械的性能を調べる