ここでは、次の試験概要について説明します
1.振動試験
2.衝撃に関連する試験
3.応力リリーフ試験
4.壁・天井取付強度試験
5.リモコンに関する試験
【適用規格】JIS C6065:2019 12.1.3項
1.対象機器
・オーディオ増幅器として使⽤される移動形機器、可搬形機器
・装飾部分を除き、少なくとも⼀つの⾯が⾦属エンクロージャである機器
2.試験条件
JIS C 60068-2-6規定の垂直掃引振動試験を⾏う。
持続時間:30分間、振幅:0.35mm、周波数範囲:10 Hz → 55 Hz → 10 Hz、掃引率:毎分約1オクターブ
3.試験方法
(1)製品の使⽤状態でストラップを巻き付けて振動発⽣機に固定する。
(2)規定条件の振動試験を行う
4.判定基準
(1)この規格に不適合となる損傷がないこと。
(2)接続・部品の緩みが安全性を損なう可能性がある場合、緩みがないこと
【適用規格】JIS C6065:2019 12.1.4項、12.7.3.5項、12.7.4項
A.衝撃試験1
1.試験条件
(1)試験箇所
・危険な可動部⼜は危険な活電部を保護する弱そうな箇所で、通気⼝部、引出した状態の引出し、ハンドル、レバー、 スイッチのノブなどのあらゆる表⾯
・エンクロージャ表面から5mm以上⾶び出すか⼜は各表⾯の投影⾯積が1cm2を超える窓、レンズ、信号ランプ
及びカバー
(2)運動エネルギーを0.5Jに調節したJIS C 60068-2-75規定のスプリングハンマを使用し衝撃を加える
(3)試験回数は、各箇所3回とする
2.試験方法
(1)強固な⽀持台にしっかり固定する
(2)スプリングハンマのリリースコーンで試験箇所に衝撃を加える
(4)10.4項規定の耐電圧試験を行う
3.判定基準
(1)この規格に不適合となる損傷がないこと。
(例)・危険な活電部が触れないこと。
・絶縁⽤バリアが、損傷を受けていないこと。
・衝撃を加えた部分に⽬で⾒えるクラックが⽣じていないこと
(仕上げ材の損傷、空間・沿⾯距離を規定値未満に減少させない⼩さなへこみ、⾁眼で⾒えないクラック、
繊維強化材の表⾯クラックなどは許容する)
(2)10.4項規定の耐電圧試験に適合すること
B.衝撃試験2
1.試験条件
(1)試験箇所:危険な活電部を保護するエンクロージャの通気⼝がなく、切れ⽬がない部分
(2)次表既定の衝撃を1回加える(図8参照)
表 機器のエンクロージャへの衝撃試験
エンクロージャの部分 |
衝撃 (J±1%) |
・可搬形機器
・テーブルトップ機器の上面、側面、背面及び前面 |
2 |
・固定取付機器の全外表面 |
2 |
・床置形機器の上面、側面、背面及び前面 |
3.5 |
(3)電池収納部の扉・カバーは、垂直⽅向から次の⼒で3回衝撃を加える。
・鑑賞⽤の眼鏡(例:3Dテレビジョン受信機):0.5 J(⾼さ102±10mm)
・その他:2 J(⾼さ408±10mm)
2.試験方法
(1)強固な⽀持台にしっかり固定する
(2)直径50±1mm、質量約500gの鋼球を、静⽌位置から垂直に⾃由落下させ、エンクロージャ表⾯に垂直に当てる。
(3)10.4項規定の耐電圧試験を行う
(4)電池収納部の扉・カバーの最も不利な場所に、
最も不利な⽅向にJIS C 0922の検査プローブ11(関節なしテストフィンガ)で、30±1Nの⼒を10秒間加える。
但し、⼀度に⼀⽅向に加えるものとする。
(5)電池をはずす方向に図4定のテストフックで20Nの⼒を加える
3.判定基準
(1)この規格に不適合となる損傷がないこと
(例)・危険な活電部が触れないこと。
・絶縁⽤バリアが、損傷を受けていないこと。
・衝撃を加えた部分に⽬で⾒えるクラックが⽣じていないこと
(仕上げ材の損傷、空間・沿⾯距離を規定値未満に減少させない⼩さなへこみ、⾁眼で⾒えないクラック、
繊維強化材の表⾯クラックなどは許容する)
(2)10.4項規定の耐電圧試験に適合すること
(3)電池収納部の扉・カバーは、その機能を保持すること。
(4)電池収納部は、次のいずれかを満足すること。
・コイン(ボタン)電池が、アクセス可能にならない。
・製品から電池が外れない。
【適用規格】JIS C 6065:2019 12.1.6項、12.7.3.2項、12.7.4項
1.試験箇所
成形⼜は型枠で作った次の部分を対象とする
・熱可塑性プラスチック材のエンクロージャ
・熱可塑性樹脂材料を使用する電池収納部
2.試験条件
(1)処理温度は、次のいずれか高い温度とする。
・平常温度上昇測定でのエンクロージャ最⾼温度測定値よりも10K高い温度
・70℃
(2)処理時間は、7時間とする
(3)空気循環型の恒温槽を使用する
(4)電池は過度な温度にさらさないように、外してもよい
3.試験方法
(1)既定の処理温度に設定した恒温槽に処理時間放置する。
(2)処理終了後、室温にて十分に冷却する
(3)電池収納部の扉・カバーの最も不利な場所に、
最も不利な⽅向にJIS C 0922の検査プローブ11(関節なしテストフィンガ)で、30±1Nの⼒を10秒間加える。
但し、⼀度に⼀⽅向に加えるものとする。
(4)電池をはずす方向に図4規定のテストフックで20Nの⼒を加える
4.判定基準
(1)この規格に不適合となる損傷がないこと。特に危険な可動部⼜は危険な活電部が可触にならないこと
(2)電池収納部の扉・カバーは、その機能を保持すること。
(3)電池収納部は、次のいずれかを満足すること。
・コイン(ボタン)電池が、アクセス可能にならない。
・製品から電池が外れない。
【適用規格】JIS C 6065:2019 19.7.1項、19.7.2項、19.7.3項、19.7.4項
1.試験条件
(1)製品毎の適用試験は次のとおりとする
試験1:製造業者が壁・天井への取付けに特定取付器具を指定する機器
試験2:製造業者が壁・天井への取付けに特定の取付器具を指定しないが、取付用のフック、ねじ込み⽳等がある機器
試験3:取付⼿段を固定するために、ねじ込み部分を持つ機器
(2)構造部にプラスチック材料を含む場合、応⼒リリーフ試験の後に⾏うこと。
(3)ねじに適用するトルク
表 ねじに適用するトルク
公称ねじ径 (MM) |
トルク(Nm) |
Ⅰ |
Ⅱ |
Ⅲ |
2.8 以下 |
0.2 |
0.4 |
0.4 |
2.8 を超え 3.0 以下 |
0.25 |
0.5 |
0.5 |
3.0 を超え 3.2 以下 |
0.3 |
0.6 |
0.6 |
3.2 を超え 3.6 以下 |
0.4 |
0.8 |
0.6 |
3.6 を超え 4.1 以下 |
0.7 |
1.2 |
0.6 |
4.1 を超え 4.7 以下 |
0.8 |
1.8 |
0.9 |
4.7 を超え 5.3 以下 |
0.8 |
2.0 |
1.0 |
5.3 を超え 6.0 以下 |
ー |
2.5 |
1.25 |
2.試験方法
2-A. 試験1
(1)説明書に従って、⽀持部に最もストレスがかかるように取付器具を⽤いて取り付ける。
(2)機器の重量に次のいずれか小さい⽅を加えた力を、重⼼に対して下⽅向に1分間加える。
・機器質量の3倍の⼒ (試験値:重量の4倍の力)
・機器質量に880Nを加えた⼒ (試験値:機器重量+880N)
(3)壁に取り付ける場合は、更に、50Nの⽔平⼒を横⽅向に1分間加える。
2-B. 試験2
(1)次のいずれか⼩さい⽅を、1つの取付箇所にかかる平均荷重で試験を行う。
・機器質量の4倍の⼒
・機器質量の2倍に880Nを加えた⼒
(2)取付システムの各々の箇所に、
・中⼼軸に対して垂直にせん断⼒を、1分間加える。⼒は⼀度に⼀⽅向、90°ごとに4⽅向加える。
・中⼼軸に対して⽔平に内側に押す⼒を、⼀度に⼀つずつ、 1分間加える。
・中⼼軸に対して⽔平に外側に引く⼒を、⼀度に⼀つずつ、 1分間加える。
2-C. 試験3
(1)各々のねじ込み部分に、表ねじに適用するトルク第Ⅱ列規定のトルクを、⼀度に⼀つずつ加える。
(2)使用するネジは次のとおりとする。
・製造業者が対応するねじを供給する場合、そのねじを⽤いる
・製造業者が対応するねじを供給しない場合、取扱説明書でねじタイプが推奨されていても、
これと同じ直径のねじを⽤いる
3.判定基準
機器、附属する取付器具⼜はねじ込み部分は、試験中、外れることなく、機械的に損傷がなく、かつ、
確実に維持していること
A.リモートコントロール装置の強度試験
【適用規格】JIS C 6065:2019 12.3項
1.試験対象
⼿で保持する危険な活電部を含むリモートコントロール装置の各部分
(⼿で保持することを意図しないケーブル接続のリモートコントロール装置は、つながっている機器の⼀部として試験する)
2.試験条件
(1)可とうコードは10cmに短くする
(2)落下⾼さは500mmとする。
樽の回転数は、次のとおりとする
質量が250g以下:50回、250gを超える:25回
3.試験方法
JIS C 60068-2-31の5.3規定の⽅法2に従い試験する
4.判定基準
この規格に不適合となる損傷がないこと
B.手持形リモートコントロール装置の圧壊試験
【適用規格】JIS C 6065:2019 12.7.3.6項、12.7.4項
1.対象機器
手持形リモートコントロール装置
2.試験方法
(1)⽀えなしに最も不利な結果を⽣じるような姿勢で、固定された堅い⽀持⾯に置く
(2)露出した上下表⾯に、約102×250mmの平らな⾯で330±5Nの圧壊⼒を10秒間加える。
(3)電池収納部の扉・カバーの最も不利な場所に、
最も不利な⽅向にJIS C 0922の検査プローブ11(関節なしテストフィンガ)で、30±1Nの⼒を10秒間加える。
但し、⼀度に⼀⽅向に加えるものとする。
(4)電池をはずす方向に図4規定のテストフックで20Nの⼒を加える
3.判定基準
(1)この規格に不適合となる損傷がないこと。特に危険な可動部⼜は危険な活電部が可触にならないこと
(2)電池収納部の扉・カバーは、その機能を保持すること。
(3)電池収納部は、次のいずれかを満足すること。
・コイン(ボタン)電池が、アクセス可能にならない。
・製品から電池が外れない。