ここでは、次の3種類の異常温度上昇試験についての試験方法等を説明します
1.放熱制限試験
2.温度制御装置無効試験
3.シース接続試験
4.ステップストレス試験
共通試験条件、共通判定基準は、異常試験概要を参照してください
【適用規則】H27版:19.2項、19.3項 3版H14:19.2項、19.3項
1.試験対象
電熱素子を持つ機器
2.試験条件
(1)放熱を制限するために、機器の開口を全て塞ぐ。
(2)その他は平常温度上昇試験の試験条件に従う
3.試験方法
(1)定格入力で各部の温度が飽和するまで通常動作で運転する。
(2)電源電圧を定格入力の0.85倍に変更し、各部の温度が飽和するまで運転する。
(3)電源電圧を定格入力の1.24倍に変更し、各部の温度が飽和するまで運転する。
【適用規則】H27版:19.4項 3版H14:19.4項
1.試験対象
電熱素子を持ち、温度を制限する制御装置を持つ機器
2.試験条件
(1)温度を制限する制御装置は短絡させる。
(2)制御装置が2個以上ある場合は、制御装置を1個づつ短絡して試験を行う。
(3)その他は平常温度上昇試験の試験条件に従う
3.試験方法
(1)定格入力の1.15倍で、各部の温度が飽和するまで運転する
【適用規則】H27版:19.5項 3版H14:19.5項
1.試験対象・非対象
(1)管型シース式電熱素子(シーズヒーター)又は埋込式電熱素子を持つクラス0Ⅰ機器及びクラスⅠ機器
(2)次の機器は試験対象外とする。
・固定配線に恒久的に接続する機器
・19.4項:温度制御装置無効試験の試験中、全極断路が生じる機器
2.試験条件
(1)温度を制御する制御装置は短絡させない。
(2)中性線をもつ機器は、中性線をシースに接続する。埋込式電熱素子の金属外郭はシースとみなす。
(3)その他の試験条件は19.4項:温度制御装置無効試験に従う。
3.試験方法
(1)定格入力の1.15倍で、各部の温度が飽和するまで運転する。
(2)供給電源の極性を逆にし、かつ、電熱素子の反対側の一端をシースに接続して、各部の温度が飽和するまで運転する
【適用規則】H27版:19.6項 3版H14:19.6項
1.試験対象
PTC電熱素子を持つ機器
2.試験方法
(1)各部の温度が飽和するまで、定格電圧で運転する。
(2)PTC電熱素子の動作電圧を5%増加させて、各部の温度が飽和するまで運転する。
(3)次のいずれか先に発生するまで動作電圧を5%ずつ増加させ、その都度、各部の温度が飽和するまで運転する。
・PTC動作電圧の1.5倍になるまで
・PTC電熱素子が断線するまで