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ここでは、次の4種類のモーター関連の異常試験についての試験方法などを紹介します。
1.モーター拘束試験
2.多相モーターの結線除去試験
3.過負荷運転試験
4.直巻モーター負荷試験
共通試験条件、共通判定基準は、異常試験概要に記載しています。
【適用規則】H27版:19.7項 3版H14:19.7項
1.試験対象
モーター駆動機器
2.試験条件
(1)拘束箇所
・回転子拘束時のトルクが全負荷トルクより小さい機器は、回転子を拘束する
・その他の機器は、可動部を拘束する。
(2)モーターを2個以上持つ機器は、モーター毎に試験を行う
(3)補助巻線回路にコンデンサを用いているモータをもつ機器は、回転子を拘束する。
(4)IEC 60252-1規定のP2コンデンサ、JIS C 4908保安装置内蔵コンデンサ、保安機構付コンデンサでない限り、
コンデンサは一度に一個だけ短絡する。
(5)試験時間
・タイマ・プログラマをもつ機器は、調整することができる最大時間
・その他の機器、次の通りとする。但し、第2部:個別規格を参照して行うこと。
手持形機器、手足でスイッチを入れ続けなければならない機器、手で連続負荷をかけ続ける機器 30秒間
人がついている状態で運転する上記以外の機器 5分間
その他の機器 定常状態に達するまで
3.試験方法
(1)回転子又は可動部を1か所拘束する
(2)定格電圧で試験時間動作させる。
(3)試験中のモーター巻線温度を測定する。
4.判定基準
試験中、巻線の温度は、次表:許容巻線温度の規定値を超えないこと
表 許容巻線温度
機器の分類 |
温度限度値 単位:℃ |
耐熱クラスによる分類 |
105(A) |
120(E) |
130(B) |
155(F) |
180(H) |
200(N) |
220(R) |
250 |
定常状態に達するまで運転しない機器 |
200 |
215 |
225 |
240 |
260 |
280 |
300 |
330 |
定常状態に達するまで運転する機器 |
インピーダンスで保護する機器
(本質的に安全であるもの) |
150 |
165 |
175 |
190 |
210 |
230 |
250 |
260 |
保護装置で保護する機器 |
運転開始後
1時間以内の最高値 |
200 |
215 |
225 |
240 |
260 |
280 |
300 |
330 |
1時間経過後の
最高値 |
175 |
190 |
200 |
215 |
235 |
255 |
275 |
305 |
1時間経過後の
算術平均値 |
150 |
165 |
175 |
190 |
210 |
230 |
250 |
280 |
【適用規則】H27版:19.7項、19.8項 3版H14:19.7項、19.8項
1.試験対象
多相モーターを持つ機器
2.試験条件
(1)1相の結線を外す
(2)験時間
・タイマ・プログラマをもつ機器は、調整することができる最大時間
・その他の機器、次の通りとする。但し、第2部:個別規格を参照して行うこと。
手持形機器、手足でスイッチを入れ続けなければならない機器、手で連続負荷をかけ続ける機器 30秒間
人がついている状態で運転する上記以外の機器 5分間
その他の機器 定常状態に達するまで
3.試験方法
通常動作で、定格電圧を加え運転する
4.判定基準
試験中、巻線の温度は、表:許容巻線温度の規定値を超えないこと
【適用規則】H27版:19.9項 3版H14:19.9項
1.試験対象
(1)遠隔制御・自動制御で運転するモータ駆動機器
(2)連続運転を行う可能性がある機器
(3)30.2.3項を適用する電子回路に依存する過負荷保護装置を用いるモータ駆動機器及び複合機器
(モータ巻線保護のために巻線温度を直接感知するものを除く)
2.試験方法
(1)定常状態に達するまで、通常動作で、定格電圧を加え運転する。
(2)モータ巻線電流が10%増加するように負荷を増加させ、電源電圧を元の値に保ったまま定常状態になるまで運転する
(3)保護装置が作動するかモータの回転が止まるまで、10%づつ負荷を増加させ、試験を繰り返す。
負荷を段階的に増加させることができない場合は、モータ単体で試験を行ってもよい。
3.判定基準
試験中、巻線の温度は耐熱クラスに応じて次の値を超えないこと。
耐熱クラス 105(A):140 ℃ 耐熱クラス 120(E):155 ℃ 耐熱クラス 130(B):165 ℃
耐熱クラス 155(F):180 ℃ 耐熱クラス 180(H):200 ℃ 耐熱クラス 200(N):220 ℃
耐熱クラス 220(R):240 ℃ 耐熱クラス 250 :270 ℃
【適用規則】H27版:19.10項 附属書B B19.10項 3版H14:19.10項、附属書B
1.試験対象
(1)直巻モーターを持つ機器
(2)附属書B(充電式電池を電源とする機器)を適用する機器には、この試験は行わない
2.試験方法
最も軽い負荷をかけて定格電圧の1.3倍で1分間運転する。
3.判定基準
試験中、部品が機器から飛び出さないこと。
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