技術基準:J60335-1(家庭用機器) モーター関連の異常試験
家庭用機器 
(IEC-J60335-1)

1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC

情報機器
(IEC-J60950-1)

1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC

AV機器
(IEC-J60065)

1.表示・説明書

2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC
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はじめに
  ここでは、次の4種類のモーター関連の異常試験についての試験方法などを紹介します。
    1.モーター拘束試験
    2.多相モーターの結線除去試験
    3.過負荷運転試験
    4.直巻モーター負荷試験


共通試験条件、共通判定基準は、異常試験概要に記載しています
モーター拘束試験

  【適用規則】H27版:19.7項  3版H14:19.7項

1.試験対象
    モーター駆動機器

2.試験条件
  (1)拘束箇所
      ・回転子拘束時のトルクが全負荷トルクより小さい機器は、回転子を拘束する
      ・その他の機器は、可動部を拘束する。
  (2)モーターを2個以上持つ機器は、モーター毎に試験を行う
  (3)補助巻線回路にコンデンサを用いているモータをもつ機器は、回転子を拘束する。
  (4)IEC 60252-1規定のP2コンデンサ、JIS C 4908保安装置内蔵コンデンサ、保安機構付コンデンサでない限り、
     コンデンサは一度に一個だけ短絡する。
  (5)試験時間
     ・タイマ・プログラマをもつ機器は、調整することができる最大時間
     ・その他の機器、次の通りとする。但し、第2部:個別規格を参照して行うこと。
       手持形機器、手足でスイッチを入れ続けなければならない機器、手で連続負荷をかけ続ける機器  30秒間
       人がついている状態で運転する上記以外の機器   5分間
       その他の機器                  定常状態に達するまで

3.試験方法
  (1)回転子又は可動部を1か所拘束する
  (2)定格電圧で試験時間動作させる。
  (3)試験中のモーター巻線温度を測定する。

4.判定基準
   試験中、巻線の温度は、次表:許容巻線温度の規定値を超えないこと

表 許容巻線温度
機器の分類 温度限度値 単位:℃
耐熱クラスによる分類
105(A) 120(E) 130(B) 155(F) 180(H) 200(N) 220(R) 250
定常状態に達するまで運転しない機器 200 215 225 240 260 280 300 330
定常状態に達するまで運転する機器 インピーダンスで保護する機器
(本質的に安全であるもの)
150 165 175 190 210 230 250 260
保護装置で保護する機器 運転開始後
1時間以内の最高値
200 215 225 240 260 280 300 330
1時間経過後の
最高値
175 190 200 215 235 255 275 305
1時間経過後の
算術平均値
150 165 175 190 210 230 250 280




















多相モーターの結線除去試験

  【適用規則】H27版:19.7項、19.8項   3版H14:19.7項、19.8項

1.試験対象
   多相モーターを持つ機器

2.試験条件
  (1)1相の結線を外す
  (2)験時間
     ・タイマ・プログラマをもつ機器は、調整することができる最大時間
     ・その他の機器、次の通りとする。但し、第2部:個別規格を参照して行うこと。
       手持形機器、手足でスイッチを入れ続けなければならない機器、手で連続負荷をかけ続ける機器  30秒間
       人がついている状態で運転する上記以外の機器   5分間
       その他の機器                  定常状態に達するまで

3.試験方法
    通常動作で、定格電圧を加え運転する

4.判定基準
    試験中、巻線の温度は、表:許容巻線温度の規定値を超えないこと





過負荷運転試験

  【適用規則】H27版:19.9項   3版H14:19.9項

1.試験対象
  (1)遠隔制御・自動制御で運転するモータ駆動機器
  (2)連続運転を行う可能性がある機器
  (3)30.2.3項を適用する電子回路に依存する過負荷保護装置を用いるモータ駆動機器及び複合機器
    (モータ巻線保護のために巻線温度を直接感知するものを除く)

2.試験方法
  (1)定常状態に達するまで、通常動作で、定格電圧を加え運転する。
  (2)モータ巻線電流が10%増加するように負荷を増加させ、電源電圧を元の値に保ったまま定常状態になるまで運転する
  (3)保護装置が作動するかモータの回転が止まるまで、10%づつ負荷を増加させ、試験を繰り返す。
     負荷を段階的に増加させることができない場合は、モータ単体で試験を行ってもよい。

3.判定基準
   試験中、巻線の温度は耐熱クラスに応じて次の値を超えないこと。
     耐熱クラス 105(A):140 ℃   耐熱クラス 120(E):155 ℃   耐熱クラス 130(B):165 ℃
     耐熱クラス 155(F):180 ℃   耐熱クラス 180(H):200 ℃   耐熱クラス 200(N):220 ℃
     耐熱クラス 220(R):240 ℃   耐熱クラス 250  :270 ℃





直巻モーター負荷試験

  【適用規則】H27版:19.10項 附属書B B19.10項   3版H14:19.10項、附属書B

1.試験対象
  (1)直巻モーターを持つ機器
  (2)附属書B(充電式電池を電源とする機器)を適用する機器には、この試験は行わない

2.試験方法
   最も軽い負荷をかけて定格電圧の1.3倍で1分間運転する。

3.判定基準
   試験中、部品が機器から飛び出さないこと。


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