表 電圧変動試験
試験項目 試験レベル 持続時間
(周期)
100%電圧遮断 0 0.5
60%電圧低下 40 10
30%電圧低下 70 50
技術基準:IEC-J1000 電力線搬送波の誤動作試験
家庭用機器 
(IEC-J60335-1)

1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC

情報機器
(IEC-J60950-1)

1.表示・説明書
2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC

AV機器
(IEC-J60065)

1.表示・説明書

2.構造
3.電気性能
4.異常試験、その他
5.EMC
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はじめに
  ここでは、IEC-J1000の要求事項のうち、遠隔操作機構に電力線搬送波を利用する機器に要求されている
     1.電圧変動試験
     2.サージ試験
     3.静電気放電試験
     4.インパルス試験
     5.チャンネル間誤動作試験
  について、説明します。


  IEC-J1000の適用対象製品・非対象製品、共通試験条件、共通判定基準は、別ページにまとめています。

電圧変動試験

1.試験条件
  (1)瞬断条件:次表に従って瞬断を行う。(試験レベルは定格電圧に対する百分率の値)









  (2)瞬時低下及び電圧遮断の回数は各3回。各回毎に機器が通常運転状態に戻るまで十分な時間を開ける。
  (3)瞬時低下及び電圧遮断が始まる電圧の位相はランダムとする。
     瞬低試験機で位相調整できる場合は、0度から90度毎に実施する。

2.試験方法
  (1)機器を瞬低試験機に接続し通常動作で1時間動作します。
  (2)100%遮断の条件に試験機を設定します。
  (3)瞬低試験機の位相を0度に調整します。
  (4)100%遮断を3回実施してください。各回毎にリモコンで通常の操作を全て行います。
  (5)瞬低試験機の位相を90度、180度、270度で同様に試験を行います。
  (6)同様に60%電圧降下及び30%電圧降下に試験機を設定して試験をします。
  (7)多重電源定格の機器は、電源周波数、電源電圧を変更し、同様に試験を行います。

3.判定基準
    負荷側回路が閉路せず、機器に異常が発生していないこと。




サージ試験


1.試験条件
  (1)サージ電圧条件:次表に従ってサージ電圧を印加します     

表 サージ試験
試験項目 フロント時間
(μS)
半値に対する時間
(μS)
ピーク
開回路電圧 1.2 50 1kV
(±10%)
短絡回路電流 8 20

   (2)サージ電圧印加個所
     ・試験品の電源端子間
     ・アース端子有機器:アース端子と電源端子の一端間
     ・アース端子無機器:
       電源端子の一端と試験品の下に配置する金属板間
  (3)サージの印加
     ・それぞれ5回行う
     ・各回につき正負のサージを印加する
     ・各回毎に最大1分間の時間を開ける。
  (4)電圧サージを印加する場合は、その試験装置により出力側に10Ω、40Ω及び100Ωのいずれかの抵抗を直流に挿入する

2.判定基準
   負荷側回路が閉路せず、機器に異常が発生していないこと。




静電気放電試験

1.試験条件
  (1)静電気(電圧)
     直流電圧:4kV、極性:正負パルス   
  (2)静電気印加個所
     ・アース端子が有る機器:人が触れる恐れのある個所とアース端子間
     ・アース端子が無い機器:人が触れる恐れのある個所と試験台の下に配置する金属板間
  (3)静電気の印加は 、それぞれ10回行い、各回につき正負の静電気を印加する。
  (4)各回の静電気印加後、放電棒を大地アースに接触させ、放電棒の残留電荷を除去する
  (5)電気的に同じと考えられる部分でも、物理的な位置関係や、わずかなインピーダンスの差で症状が異なる事があります

2.試験方法
  (1)静電気試験設備に機器を設置し、通常動作で1時間動作します。
  (2)静電気の極性を+(プラス)に設定します。
  (3)放電棒を試験個所に鉛直状態の位置にし、ゆっくりと試験個所に放電棒を近づけ放電させます
     放電しない場合は、試験個所に接触させて1秒保持します。
  (4)放電棒を大地アースに接触させ、放電棒の残留電荷を除去します。
  (5)上記試験を10回繰り返します。
  (6)静電気印加個所毎の試験終了後にリモコン動作の確認を行います。
  (7)静電気の極性をー(マイナス)に設定します。
  (8)上記試験を繰り返します。
  (9)放電個所を別の個所にして試験を繰り返します。

3.判定基準
   負荷側回路が閉路せず、機器に異常が発生していないこと。





インパルス試験

1.試験条件
  (1)インパルス電圧
      ・ピーク値600V、波幅1μsのパルスとします。
      ・ピーク値は出力端子を50Ωの抵抗で終端した時の値とします。
      ・パルスの立ち上がりは、1ns以下とします。
      ・極性は正負両方とします。
      ・電源周波数に同期させます。
  (2)インパルス電圧印加個所は試験品の電源端子間とします。
  (3)インパルス電圧印加時間は1分間とします。

2.試験方法
  (1)機器を試験機に接続し通常動作で1時間動作します。
  (2)パルスの極性設定を+(プラス)にします。
  (3)パルスの繰返し周波数の設定をを電源周波数に同期させます。
  (4)1分間パルスを印加させます。
  (5)パルス印加中及び印加終了後にリモコン動作の確認を行います
  (6)パルスの極性設定をー(マイナス)にします。

3.判定基準
   負荷側回路が閉路せず、機器に異常が発生していないこと。





チャンネル間誤動作試験

1.試験対象
   複数のチャンネルを持つ機器

2.試験方法
  (1)機器を試験機に接続し通常動作で1時間動作します。
  (2)試験品以外のチャンネルのリモコンの操作を行います。
  (3)早押し、長押し、同時押し等を行います。

3.判定基準
    負荷側回路が閉路せず、機器に異常が発生していないこと



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