J60950：構造：安定性に関する要求事項

設置後の安定性に関する要求事項について説明します
　　　　【適用規格】JIS C6950-1：2016　4.1項

一般事項

１．適用外機器
　　　次のいずれかの機器は、適用外とする。
　　　　　・使⽤（設置）場所で、単独で使用せず、組合せて使用する機器（システム）の個々のユニットに対する安定性
　　　　　・設置指⽰書等で、操作前に建造物に取付けることを指定する機器

２．一般要求事項
　　（１）操作者が引出し・扉などを開けた時に、安定化⼿段が必要になる場合は、安定化⼿段は⾃動的に作動すること。

　　（２）サービスマン操作中は、次の通りとする。
　　　　　　・安定化⼿段が⾃動的に作動すること
　　　　　　・安定化⼿段の設置をサービスマンに指⽰する表⽰があること

３．一般試験条件
　　（１）容器は定格容量内で、最も不安定な状態となる量の物質を⼊れる。

　　（２）全てのキャスタ（ジャッキ）は、次のとおりとする。
　　　　　　・通常動作中に使用する場合
　　　　　　　　　⾞輪等をロックし、最も不利な状態にする。
　　　　　　・キャスタをユニット輸送だけに⽤い、取付後にジャッキを下げることが設置指示書に記載されている場合
　　　　　　　　　ジャッキは、ユニットを適切なレベルに合わせた状態で、最も不利な位置に置く。

安定性試験

Ａ．質量7kg以上のユニットの試験（転倒試験）
１．試験条件
　　　・扉、引出し等は、閉じる。
　　　・構造上許容される最も不利な使用状態とする。

２．試験方法
　　　・通常（正常）位置から１０度傾ける
　　　・代替試験
　　　　　　ユニットを⽔平に対し１０度傾けた⾯に使⽤状態で置き、傾斜⾯に対して垂直軸中⼼にゆっくり360°回転する。

３．判定基準
　　　転倒しないこと

Ｂ．質量25kg以上の床置形ユニットの試験（転倒試験）
１．試験条件
　　　・操作者（サービスマン）が使⽤時に動かす可能性のある扉、引出し等は、設置指⽰書の範囲で最も不利な位置にする。

２．試験方法
　　　・ユニット質量の２０%の⼒（最⼤２５０Ｎ）を、床から２ｍ以内の⾼さの部分に、上⽅向を除くあらゆる⽅向に加える

３．判定基準
　　　転倒しないこと

Ｃ．床置形ユニットの試験
１．試験条件
　　（１）試験対象箇所
　　　　　　　床から１m以内の⾼さにある12.5cm×20cm以上のあらゆる⽔平⾯
　　（２）扉、引出しなどは、閉じる。
　　（３）力の加え方は、次のとおりとする。
　　　　　　・約12.5cm×20cmの平⾯をもつ適切な試験⽤⼯具で加える。
　　　　　　・試験⽤⼯具の平⾯全⾯を供試機器に接触させるように加える
　　　　　　・試験⽤⼯具は、機器の平らではない表⾯（例：波形⼜は曲線の表⾯）全部に接する必要はない

２．試験方法
　　　　試験対象箇所の最⼤モーメントとなる箇所に、800Nの下向きの⼀定の⼒を加える

３．判定基準
　　　　転倒しないこと。